新聞掲載記事情報(令和2年9月号)
新聞掲載記事(令和2年9月号)目次
タイトルをクリックすると全文記事に移ります。
○福井新聞「教えて!相談員さん」
・高齢者トラブルを防ぐ~変化気づいたら確かめて~ (令和2年9月2日掲載)
・安売り会場で勧誘~高額品「催眠商法」かも~ (令和2年9月9日掲載)
・俳句、書道…褒めて勧誘~掲載料高額 不要なら断って~ (令和2年9月16日掲載)
・エステの「次々販売」~高額な契約解約も可能~ (令和2年9月23日掲載)
・脚立からの転落~高齢者は特に注意が必要~ (令和2年9月30日掲載)
○朝日新聞(福井版)「くらし110番」
・清涼飲料水~砂糖の摂り過ぎに注意~ (令和2年9月5日掲載)
・除菌や消毒をうたった商品~有効成分 しっかり確認~ (令和2年9月19日掲載)
・高齢者トラブルを防ぐ~変化気づいたら確かめて~
令和元年度に福井県消費生活センターへ寄せられた3千件の相談のうち、3割が70歳以上の高齢者に関するトラブルです。60歳代も含めると、全体の半数を占めています。
高齢者の多くは、「お金」「健康」「孤独」の三つの不安を抱えています。これらの不安につけこみ、言葉巧みに商品やサービスを売り込んでくる業者には注意が必要です。
家に一人でいて相談する相手がいなかったり、親身に話を聞いてくれる相手を信用してしまったりする高齢者が狙われやすく、被害を隠そうとして解決を難しくします。私たちには何ができるでしょうか?
こうしたトラブルを防ぐには、日頃のコミュニケーションが大切です。家族やご近所の方、ヘルパーなどの福祉関係の方など、普段から高齢者と接する機会の多い人が様子を気にかけることで、ささいな変化に気づくことができます。
「宅配便や郵便物が頻繁に届いている」「見知らぬ業者が出入りしている」「見慣れない商品や名刺、パンフレットがある」などの変化に気づいたら、本人に確かめましょう。
消費者被害の疑いがある時や相談先が分からない時、まずはご連絡ください。
(福井新聞「教えて!相談員さん」 令和2年9月2日掲載)
・安売り会場で勧誘~高額品「催眠商法」かも~
「ポストに、近所の空き店舗で『明日から2日間、100円で卵やレトルト食品などを販売』との案内が入っていた。行ってみようか迷っている」と80代の女性から相談がありました。
これは高齢者をターゲットにした「催眠商法」の可能性があります。閉め切った会場に人を集め、食品などをただ同然で配って雰囲気を盛り上げ、正常な判断ができなくなってから高額な商品を購入させるというものです。
高齢者がこうした会場に出向く背景には、日常生活の不安や寂しさなどがあると言われています。思いやりのある言葉や親切な態度で巧みに勧誘を受けると、断り切れなくなることもあります。安易にそのような場所に行かないことが大切です。行ってしまった時でも、必要がなければきっぱり断りましょう。
もし会場で高額商品を契約してしまった時は、不意打ち的な勧誘によるものとして特定商取引法で定められている訪問販売に該当する場合があります。
その場合は契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリングオフにより無条件で解約できます。まずはご相談ください。
(福井新聞「教えて!相談員さん」 令和2年9月9日掲載)
・俳句、書道…褒めて勧誘~掲載料高額 不要なら断って~
自作の短歌や俳句の掲載を勧める電話勧誘についての相談が寄せられています。「90歳の母に電話があり、『あなたの俳句が素晴らしいので本に載せたい。人生の集大成としてこんなチャンスは二度とない。2句載せて掲載料は7万円』と勧められた。母は作品を褒められてうれしくなり、承諾してしまった。高額なので解約できないか」という内容です。
趣味に対する心理を巧みに利用し、特に高齢者を狙う事例が多く見られます。短歌や俳句以外に、書道や絵画、写真などもあります。また、俳句を漆器の作品に仕上げて展示を勧める手口もあります。
電話勧誘販売の場合、事業者は契約書面を交付する義務があります。記載の契約内容や掲載料などをしっかり確認しましょう。
契約書面を受け取ってから8日間は、クーリングオフによる解約ができます。この相談の場合は8日以内だったので、クーリングオフのはがきを出し、無条件で解約できました。
趣味を褒められると、つい承諾してしまいがちですが、一度応じると次々に勧誘される事例が見られます。必要なければきっぱり断りましょう。
(福井新聞「教えて!相談員さん」 令和2年9月16日掲載)
・エステの「次々販売」~高額な契約解約も可能~
「『痩身エステが1万円で4回体験できる』という広告を見て店に行った。最終日の施術中に『継続した方がいい。会員になれば予約も取りやすい』と言われた。施術後に別の店員からも勧められ、断り切れずに23万円のコースを契約した。次の施術の時には、痩せやすい体質になると勧められて、健康食品とボディクリーム合わせて5万円の契約をした。高額になったので解約したい」という相談がありました。
一つの契約をきっかけにして、一人の消費者に商品等を次々と販売する手口を「次々販売」といいます。継続的にサービスを受けるエステでは、施術中に勧誘されると断りにくく、勧められるままに契約してしまうことが少なくありません。
エステの場合、契約期間が1カ月、契約金額が5万円を超えていれば、契約書面を受け取った日から8日間はクーリングオフができます。この相談の場合は、8日以内だったので、クーリングオフにより無条件で解約できました。
また、クーリングオフの期間を過ぎていても、中途解約ができます。困った時は、あきらめずにご相談ください。
(福井新聞「教えて!相談員さん」 令和2年9月23日掲載)
・脚立からの転落~高齢者は特に注意が必要~
「庭木の手入れで脚立に上ったら、足を踏み外して転落し、頭と背中を強く打った」「洗面所の電球を交換しようとして脚立を使ったら、バランスを崩して転落し、右手を骨折した」など、脚立の使用中の事故が絶えません。
脚立は踏み段の幅が狭く、また、上るにつれて重心が高くなります。そのため、正しく設置しても、作業中にバランスを崩すことがあります。
特に高齢者は、加齢に伴い身体と認知の機能が低下しているので、思わぬ事故につながることが少なくありません。転落事故の半数を60~70歳代が占めています。骨折などのけがをきっかけにして介護が必要な状態になる恐れもあり、注意が必要です。
転落を防ぐために、上枠付きや踏み段の幅が広いタイプなど、安定性の高い脚立を選びましょう。また、作業前に必ず、固定金具はロックされているか、設置場所は安定しているかを確認しましょう。
一人きりで作業しないことも大切です。また、高所での作業を事業者等に依頼することも検討しましょう。転落して体を打った時は、自己診断で済ませず、医療機関を受診しましょう。
(福井新聞「教えて!相談員さん」 令和2年9月30日掲載)
・清涼飲料水~砂糖の摂り過ぎに注意~
熱中症を予防するため、水分やミネラルを清涼飲料水で補給することがありますが、糖質(砂糖)を多く含む銘柄もあるので注意が必要です。清涼飲料水に含まれる砂糖の量は、「栄養成分表示」を見れば簡単に計算できます。
砂糖の量の表示がなくても、炭水化物の含有量が目安になります。炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質なので、食物繊維を含んでいなければ、表示されている炭水化物の量と同じだけの砂糖が入っていると考えられます。例えば、100ミリリットルあたりの炭水化物の量が10グラムの清涼飲料水の場合は、1本が500ミリリットルであれば、50グラムの砂糖を含んでいることになります。
世界保健機関(WHO)では、健康のために1日あたりの砂糖の摂取量を約25グラム(小さじ6杯程度)に抑えることを推奨しています。食品表示をよく確認しましょう。また、「ミネラル配合」と表示されている清涼飲料水もあります。飲料だけで必要なミネラルを摂取することは困難なので、あくまでも補助的に利用するようにしましょう。
(朝日新聞(福井版)「くらし110番」 令和2年9月5日掲載)
・除菌や消毒をうたった商品~有効成分 しっかり確認~
「『新型コロナウイルス感染予防効果あり。アルコールフリーで肌にも優しい除菌スプレー』と表示された商品を購入したが、本当に効果はあるのか」との相談がありました。
消毒や除菌効果をアピールする様々な商品が販売されています。相談者が購入した除菌スプレーの成分には二酸化塩素が含まれていました。二酸化塩素は現時点では、新型コロナに対する消毒の有効性が確認されておらず、相談者にはその旨を伝えました。消毒や除菌効果をうたう商品を購入する時は、目的に合ったものを正しく選ぶことが大切です。使用方法や有効成分、濃度、使用期限の4点を確認しましょう。
手指の消毒にはこまめな手洗いを心がけましょう。流水とせっけんで丁寧に洗えばウイルスを十分に除去できます。テーブルやドアノブなどの消毒には、塩素系漂白剤や界面活性剤を含む台所用洗剤が有効です。空間のウイルス対策には定期的な換気が重要です。消毒液の空間噴霧による除菌方法は確立されておらず、周囲に人がいる中での噴霧はおすすめできません。
(朝日新聞(福井版)「くらし110番」 令和2年9月19日掲載)
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