水害で浸水した住宅の復旧方法について
片付け等の際に注意していただきたいこと
浸水による被害を受けた後に、まず何をすればよいのか、片付けや掃除のときには、どのようなことを注意すればよいのか。
損害の程度や再建の方向性にもよりますが、多くの場合に共通することを記していますので、参考にしてください。
1.まずは写真を撮る
片付けや清掃をする前に、浸水した高さや部分が分かるように写真を撮ってください。
市町からの罹災証明書を取得するときや、応急修理制度等の制度を活用する際に必要となります。
〈主なポイント〉
・建物全体をなるべく周囲4方向から撮影し、室内も各部屋を撮影する
・メジャーや人などと一緒に撮影し、浸水した高さが分かるようにする
・住家以外の建物や家財、自動車等も撮影しておく
写真撮影をする際の注意点(内閣府資料より抜粋)(PDF形式 663キロバイト)
2.濡れてしまった家具等をあわてて片付けすぎない
濡れてしまった家財を急いでどんどん捨てた結果、再建後になって「あれは捨てなければ
よかった」と思うことも。後から買いなおすことは大変です。
〈主なポイント〉
・「そのままでも使えるもの」「乾燥・洗浄したら使えるもの」「処分するもの」に分けていく
・処分する場合には、各自治体の分別方法を確認
・「写真」は水で洗って一枚ずつ離して日陰干しすることで、ある程度元に戻ることも
3.解体・撤去の順番や、耐震性等の確保に気をつける
天井や壁の作業をする必要があるのに、先に床から解体してしまった、修理して住む
予定であったのに、建物の耐震性に影響を及ぼす部分(筋交いなど)まで撤去してしまった、
このような事例もあり、壊しすぎないことも大事です。
どういった段取りで解体や撤去、清掃等を行うか、再建の方向性を伝えて、専門業者や
ボランティアの人たちと相談しながら進めることが大切です。
〈主なポイント〉
・取りはがす場合は「天井→壁→床」と上からの作業が基本
(被害状況により異なる場合もあり)
・柱や梁の間を通している「筋交い」や「貫」「小舞」といった部材は、耐震性や耐風性を保つ
ために重要なものなのでむやみに除去はしない
・傷み具合によるが、板戸やサッシ等は、建て直しをする際に再利用できる場合がある
4.泥・水は早めに除去、消毒・乾燥はじっくりと時間をかけて
泥や水が入り込んでいた場合、放置するとカビや悪臭の原因となります。
一見、被害がないように見えても、後になって中を見てみると、カビだらけになっている
こともあり、注意が必要です。
〈主なポイント〉
・壁の中や床下にある断熱材等は、水を多く含み、乾きにくい
・床下を確認してにくい場合、点検口を開けたり、床板をはがす等して確認をする必要がある。
・泥出し→洗浄→消毒→乾燥の順が基本。乾燥は2~3ヶ月はかける必要があり、乾燥が不十分
な場合はカビ等の原因となる
・細菌やカビが繁殖しやすくなり、感染症にかかるおそれがあるため、清掃が大切です。
感染症対策の消毒方法などは下記厚生労働省HPをご覧ください。
作業時に手元でチェックできる対応方法まとめ
全国の各団体が作成した、現場で使える作業手順、注意点をとりまとめた資料や分かりやすい動画を参考にご紹介します。
・現場に貼って使える応急対応シート((一社)岡山県建築士会倉敷支部、倉敷市作成)
服装や作業手順、注意点などポイントをまとめてあります。
・水害にあったときに(冊子)、浸水した家屋の片づけと掃除の仕方(動画)
(震災がつなぐ全国ネットワーク)
罹災証明書など生活再建の手続きや床下、家財など片付け内容ごとの方法説明、体験談などを記載。
言葉では伝わりにくい片づけ方法も動画で説明しています。
令和4年8月大雨について
住宅の応急修理について(準半壊以上の被害認定を受けた方)
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