第436回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2025年2月17日ページID 059847

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                                                                       令和7年2月17日                                                                第436回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

 

 

 

 第436回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和7年度当初予算案、令和6年度2月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 はじめに、今月2日に行われた福井県議会議員選挙において当選されました中西昭雄氏、三宅わたる氏に対し、心からお祝いを申し上げますとともに、県政発展のため、ご活躍いただきますよう念願しております。

 

 今月4日から降り続いた大雪に伴い被害が発生しております。亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害にあわれたみなさまにお見舞いを申し上げます。
 県では、24時間体制で除雪を行うとともに、「みち情報ネットふくい」等を活用し、交通規制や除雪の状況などを県民へ迅速に情報提供を行っております。引き続き、関係機関と連携し、除雪対策に万全を期してまいります。

 

 さて、北陸新幹線福井・敦賀開業から間もなく1年を迎えます。年末・年始における金沢・福井間の新幹線利用者は、昨年に比べ約4割増えており、10月から実施した北陸DCの効果もあり、開業からの来訪者数は約2割伸びるなど引き続き好調を維持しております。
 また、「FTAS」による分析では、開業後に来訪者の約9割が「満足した」、さらに、約半数の方が「1年以内にまた来たい」と回答しており、県民のみなさまのおもてなしが大きな効果を上げていると実感しているところであります。

 

 開業がゴールではなくスタートです。より高いステージを目指し、開業効果を県内全域にさらに拡大してまいります。
 嶺南地域への誘客拡大については、嶺南6市町と連携して「若狭湾プレミアムリゾートエリアプロジェクト」を進めてまいります。高級リ  ゾートホテル等の誘致を通して地域のブランド力を高め、富裕層やインバウンドなど新たな客層の誘客を図ってまいります。
 また、インバウンド誘客を促進するため、海外オンライン旅行会社でのコンテンツ販売やJRと連携した観光案内所における情報発信など、誘客強化に全力で取り組んでまいります。

 

 さらに、まちづくりや地域交通の充実にも引き続き、力を注いでまいります。
 福井城坤櫓等の復元整備については、関係法令を遵守しつつ、できるだけ忠実に復元することを基本方針とし、令和11年度の完成に向け、来年度には埋蔵文化財調査や石垣の補強工事に着手してまいります。
 

 地域鉄道については、来月15日にハピラインふくいのダイヤ改正を行います。日中の敦賀・福井間の増便により、JR特急などとの接続を改善するほか、帰宅時間帯の車両増結により混雑解消を図ります。今後も利用者等の声を反映し利便性を向上させてまいります。

 

 路線バスについては、就職奨励金や大型二種免許取得費用の支給などを実施し、昨年度同時期に比べ9人上回る、25人の運転士採用につなげました。今後さらに、運転士の待遇改善や外国人運転士確保に向けた支援も進めるなど、引き続き、効果的なバス運転士の確保策について、事業者や国、市町等と協議を重ね、バス路線の維持・復便に努めてまいります。

 

 次に、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。
 敦賀・新大阪間については、与党整備委員会において昨年中を目標としていた詳細な駅位置・ルートの決定が見送られ、昨年末には「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)の取扱いに関する中間報告」が取りまとめられました。中間報告では、地元関係者等の懸念を払拭するため、科学的知見に基づく情報発信を重点的に実施するなど、ルートの決定に向けた方針が示され、今月14日には、その具体化に向けた議論が始まりました。
 令和7年度政府予算については、小浜市(東小浜)附近駅の着工準備等の予算として、「北陸新幹線事業推進調査」が増額され、14.5億円が計上されました。
 一日も早い認可・着工および全線開業に向け、中間報告を具体化・実行することが何より重要と考えており、県議会のみなさまをはじめ、沿線府県や経済界との連携を一層強化し、政府・与党に強力に求めてまいります。

 

 中部縦貫自動車道大野油坂道路については、橋梁工事において工事課題が発生しており、先月28日に国から、有識者からの意見を踏まえ、地盤の動きを抑止するため、大規模に鋼管杭を打ち込むなどの対策を実施する予定であるとの報告がありました。
 今月3日には、議長や沿線の首長とともに、国に対し、速やかに開通時期を明らかにするとともに、早期に対策工事に着手するよう要請したところです。引き続き、県選出国会議員、県議会、沿線市町と一体となって、工事の安全確保を前提に、一日も早い県内全線開通を国に強く求めてまいります。

 

 次に、こども・子育て応援について申し上げます。
 家事育児をサポートする「ふく育さん」については、利用者の声を踏まえ、来年度から市町と協力して料金補助を大幅に拡充するとともに、育児負担が大きいひとり親家庭や、多胎児、医療的ケア児等を育てる家庭を対象に利用支援を実施するなど、さらに利用しやすいサービスへと改善し、誰もが安心して子育てできる「ふく育県」の強化を図ってまいります。

 

 今月5日から、県産米を購入した子育て世帯に「ふくいはぴコイン」をプレゼントするキャンペーンを開始しました。食費の家計負担が大きい子育て世帯を支援することにより米離れを防ぎ、県産米消費量の維持を図るとともに、米食の素晴らしさもPRしてまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。
 今後5年間の具体的な方策を定めた「教育振興基本計画」を年度内に策定いたします。子どもたちが、「夢と希望」を持ち、一人ひとりの個性を発揮しながら、人生を切り拓いていけるよう、デジタル教材の活用等の教育DXによる学びの変革や、校内サポートルームの設置拡充といった安心して学べる場の充実など、「子どもが主役の教育」を推進してまいります。

 

 県立夜間中学については、県民のみなさまから応募いただいた校名案の中から、「福井県立若杉中学校」に決定しました。杉の木が天に向かってまっすぐに伸びていくように、一人ひとりが自信をもって目標や夢に挑戦してほしいという思いを込めています。
 今後、様々な事情により義務教育を十分に受けられなかった方が、年齢や国籍等に関係なく学び直しができるよう、令和8年4月の開校に向けて準備を進めてまいります。

 

 県立大学については、12月議会において議決いただいた中期目標に基づき、大学において第4期中期計画案を策定いたしました。新たな学部の新設等を進めるとともに、地域や企業との連携を重視した教育や国際交流促進への支援体制の強化などに取り組み、その成果を地域社会と県民に還元しながら、福井の活力を支えてまいります。

 

 県内定着への取組みについては、県内大学等への進学者に対し、家賃や交通費にかかる経費の一部を支援し、県内進学を後押しするとともに、工学部系の県内大学等が実施する県内就職の促進への取組みを応援し、県内における人材確保を一層図ってまいります。
 また、県外進学者に対しては、高校在学中から学生本人とつながり続ける仕組みを構築し、ライフステージに応じた支援策やイベント等の情報をプッシュ型で提供することにより、Uターンを促進してまいります。

 

 次に、高齢者の生きがいづくりについて申し上げます。
 元気な高齢者が生き生きと活躍し続けられるよう、シニアグループが行う地域での文化や多世代交流の活動等への支援を拡充するとともに、地域や世代を越えて交流する「シニア応援文化祭」を開催し、さらなる生きがいづくり・居場所づくり活動を応援してまいります。

 

 次に、産業振興・人材確保について申し上げます。
 継続的な賃上げについては、これまでの個別要請に加え、先月17日には福井労働局と連携し、主要な経済・労働団体が参加する、地方版政労使会議を開催しました。会議では地域間格差の縮小・是正への理解が共有されたほか、賃上げ原資ねん出のため、企業の収益力向上に対する支援を強めるよう意見が出されました。県としては、生産性向上やDX化、価格転嫁の支援など、継続的な賃上げ実現に向けた企業支援に全力で取り組んでまいります。

 

 企業誘致については、研究開発・本社機能の併設・拡張や都市圏並みの給与水準を要件とする「成長産業立地促進補助制度」を新たに創設し、県内外の付加価値の高い企業による投資を促進してまいります。特に、データセンターや半導体企業などによる1,000億円以上の大規模投資に対し、全国トップとなる最大120億円の支援制度を設け、誘致を積極的に進めてまいります。

 

 原子力リサイクルビジネスについては、規制への対応など事業化の見通しが得られたことから、来年度、クリアランス集中処理事業を行う新会社を設立いたします。県が過半数を出資し、嶺南全体の産業振興が図れるよう事業を主導してまいります。この事業を通じて、地元企業の廃炉ビジネスへの参入拡大と円滑な廃炉を推進してまいります。

 

 人材の確保・育成については、各業界における人手不足への対応や外国人材の受入れ強化を行ってまいります。
 医療人材の確保については、地域医療に従事する医師の確保を図るため、福井大学医学部地域枠の推薦入学者を対象とした県の医師確保修学資金について、貸与人数を10人から15人へ拡充いたします。

 

 園芸の生産振興と新規就農者の育成については、新たに美浜町に「第二ふくい園芸カレッジ(仮称)」を整備するとともに、「園芸LABOの丘」の魅力アップを行い、人が集まる園芸拠点とすべく、力を注いでまいります。
 また、農業現場への外国人材の受入れ拡大に向け、インドネシア農業省との間で人材交流の覚書を締結し、円滑な受入体制の整備を進めてまいります。

 

 外国人の総合相談体制については、「ふくい外国人相談センター」において、相談から解決まで寄り添う「同行支援」を行う支援員を新たに配置し、相談機能を強化することにより、安心して暮らし、働ける環境を整備し、県内定着につなげてまいります。    

 

 最後に、原子力について申し上げます。
 エネルギー基本計画については、国の審議会の議論を経て、昨年末に第7次計画案が示され、現在、政府において閣議決定に向けた調整が行われているところです。
 こうした中、先月21日、武藤経済産業大臣の求めに応じ、原子力の将来像、バックエンドプロセスの加速化、立地地域との共生などの原子力の課題について意見交換を行いました。大臣からは、エネルギー・原子力政策検討の上で福井県は大変重要な地域であり、今回の意見を踏まえ、それぞれの課題にしっかり取り組むとの考えが示されました。県としては、引き続き、機会を捉えて、国の責任ある対応を強く求めてまいります。

 

 使用済燃料対策については、今月13日、関西電力と国から、見直したロードマップが示され、六ヶ所再処理工場への関西電力からの搬出量について、最初の3年間は全体受入量の6割にあたる計198トンを確保したことや、使用済MOX燃料再処理実証研究に伴うフランスへの搬出について、関西電力として、さらに200トンの搬出枠を確保したことなどが明記されました。
 また、同社が示した使用済燃料貯蔵量の推移見通しによれば、ロードマップに従って搬出を進めることにより、各発電所の貯蔵量は管理容量以下で推移し、将来的には減少する見通しが定量的に示されました。
 国からは、再処理工場の審査対応やロードマップの取組状況について、使用済燃料対策推進協議会の幹事会を四半期に1回へと開催頻度を高め、透明性をもって進捗を管理するなど、責任を持って取り組む考えが示されたところです。
 県としては、今後、内容を精査し、県議会をはじめ、立地町、県原子力環境安全管理協議会の意見を踏まえ、ロードマップの実効性について厳正に判断してまいります。

 

 また、地域振興については、今月10日、立地地域の将来像に関する共創会議が開催されました。同会議においては、工程表に具体的な取組みが明記され、今後の取組みが一定程度明らかになったものと評価しておりますが、私からは、さらに、工程表に具体的に示された取組みを実施するために必要な財源の確保、取組みを推進するための政府一体となった枠組みの構築、具体的な取組みのさらなる提示を求めたところです。県としては、引き続き、国や電力事業者に対し、地域の将来像実現に向けた取組みを継続的かつ強力に進めていくよう求めてまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、令和7年度当初の一般会計予算額は5,017億円を計上しました。歳入については、県内企業の動向や地方財政計画を考慮し、県税収入は1,442億円、地方交付税は1,302億円などといたしました。さらなるステップアップを目指し、「ふくい新時代」を拓く予算を積極的に計上する一方、既存事業の見直しや歳入確保に努め、財政調整基金の取崩しを12億円にとどめたところであります。

 

 令和6年度2月補正については、国の補正予算に積極的に対応するほか、事業費の確定に伴う減額補正などを行うものであります。この結果、令和6年度一般会計の現計予算額は5,352億円となります。

 また、今年度の県債残高は5,743億円、財政調整基金の残高は167億円となり、いずれも行財政改革アクションプランの目標を達成する見込みとなっております。

 

 第126号議案については、福井県長期ビジョンに基づき、次の5年間の実行プランおよび人口減少対策戦略を一体的に策定するものであります。議員各位のご理解とご協力を賜りながら、一人ひとりが自分らしく生きられる「安心の居場所」と「活躍の舞台」のある「日本一の幸せ実感社会」を実現し、すべての世代のチャレンジとまちの進化を好循環させることにより、県民の暮らしを守るとともに、若者や女性にも「選ばれるふくい」を目指してまいります。

 

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。
 なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。


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