第433回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2024年6月18日ページID 057709

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                                                                       令和6年6月18日                                                                第433回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

   

 

 第433回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和6年度6月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 はじめに、元福井県知事栗田幸雄氏が、去る5月17日に急逝されました。昭和62年から4期16年にわたり、常に県民の視点に立って福井県の将来を考え、「生活満足度日本一」の県づくりを通して、20世紀から21世紀への橋渡しをされました。生前、県政発展のために傾注された情熱と多大なる御功績に深く感謝し、ここに謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

 

 さて、半世紀にわたる悲願でありました北陸新幹線福井・敦賀開業から3か月を迎えました。晴天に恵まれた開業当日、新幹線駅周辺は大勢の県民のみなさまや観光客の方が訪れ、経験したことが無いような盛況となりました。開業直後には、昨年に比べ約7割の伸びとなった関東圏をはじめ、全国からの来訪者が増加し、「ふくい新時代の幕開け」を実感したところであります。

 

 今後は、開業効果を持続、県内各地に拡大させることが重要であり、先月22日からは本県独自の「ふくいde お得プレゼントキャンペーン」を実施しております。さらに、首都圏や沿線に加え関西・中京圏でのプロモーションも強化してまいります。先月末に実施した長野駅での物産フェアでは県産品の販売が昨年の2倍以上と開業後も大きな反響があり、出向宣伝など切れ目ない情報発信を進め、10月から開催する北陸DCでの誘客につなげてまいります。

 

 また、県内では初めてとなる「竜王戦」が10月19日、20日にあわら温泉において開催されることが決定いたしました。先月末には、羽生善治棋士、山田久美女流棋士との鼎談を全国紙に掲載し、朝倉駒が出土した一乗谷朝倉氏遺跡をPRするなど、大きな注目が集まる対局に向けて、本県の魅力を全国に発信してまいります。

 

 開業直後に開催しました「ふくい桜マラソン2024」については、国内外から13,657人が出走しました。参加されたランナーからは、最後まで途切れない声援やボランティアスタッフの対応、地元グルメなどに好評の声をいただいており、福井の魅力を存分に発信できたと考えております。
 第2回大会は来年3月30日に開催予定であり、福井の魅力をより一層伝えられる大会となるよう着実に準備を進めてまいります。

 

 誘客拡大には旅の目的となる多様な宿泊ニーズの受け皿確保も重要です。市町と連携して民宿等の改修への支援を拡大し、ペットと泊まれるなど質の高い宿泊施設の整備を促進してまいります。

 

 さらに、インバウンド需要の拡大にも力を注いでまいります。
 開業により外国人観光客の来訪や問い合わせが増加しており、観光事業者等に対し、外国人の視点からの誘客アドバイスや海外へのPR等の支援を行うほか、県内での宿泊を促すため夜間の観光コンテンツ造成を進めてまいります。

 

 海外との交流拡大については、9月にブラジルにて開催される福井県人会創立70周年記念式典に出席いたします。移住された方々の「ふるさと福井」に対する熱い思いを受け止め、本県出身者等を激励するとともに、若い世代の相互交流にもつなげてまいります。

 

 二次交通の整備・充実については、北陸新幹線開業に向けて官民をあげて全力を注いでまいりました。ハピラインふくいについては、増便や快速列車、パターンダイヤ化など利便性向上を図り、目標を1割上回る1日平均2.2万人と、県内外の多くの方に利用されています。
 また、北陸トンネルの携帯電話の不感解消について、令和7年度着工に向け、移動通信基盤整備協会とともに詳細設計等の準備を開始いたしました。10km以上の在来線トンネルでの対策は全国初であり、県民の利便性向上を図るため、ハピラインふくいに対し必要な支援を行ってまいります。

 

 なお、路線バスについては、運転士不足を理由に今月から福井市内において減便がされております。先月末にバス事業者や国、市町とともに緊急対策会議を開催するとともに、今月9日にはバス車両を使用した運転体験会を実施しております。今後も、運転士の確保に向けた効果的な支援策について事業者や市町とともに検討を行い、県民や来県者の移動手段の確保に努めてまいります。

 

 北陸新幹線の整備効果を最大限発揮するためには、大阪までの残り2割の区間をつなぐ必要があります。今年は敦賀以西の認可・着工に向けた重要な年であり、先月22日には、北陸新幹線建設促進大会を開催し、沿線府県の自治体、議会、経済界等と一致団結して、小浜・京都ルートによる一日も早い認可・着工および全線開業を実現するよう政府・与党に強く求めました。また、今月8日の県同盟会総会では、県内各界が結束して取り組んでいくことを改めて確認したところです。
 本日、与党整備委員会が開催されると聞いており、今後速やかに駅位置・詳細ルートを確定するとともに、建設財源をはじめとする着工5条件の議論を加速していただくことが極めて重要と考えております。
 引き続き、県議会のみなさまをはじめ、沿線府県や経済界との連携を一層強化し、小浜・京都ルートによる早期の認可・着工を強く求めてまいります。

 

 次に、農林水産業の振興について申し上げます。
 「いちほまれ」については、収量や品質・食味、農場の管理に優れた生産者3名を初めて「いちほまれマイスター」として認定しました。栽培講習会や店頭販売でのPRなど幅広くご協力いただき、品質向上と販売促進を図ってまいります。

 

 県内水産物の販売強化については、今月6日に、新ブランド「ふくい岩がき」の出荷を開始しました。夏の味覚として生産拡大に努めるとともに、魅力発信と認知度向上を図ってまいります。

 

 次に、長期ビジョン等の改訂について申し上げます。
 「福井県長期ビジョン」については、最初の5年間の「実行プラン」および「ふくい創生・人口減少対策戦略」の計画期間が今年度末までであるため、先日、有識者や実践者からなる懇話会を開催し、次期計画策定のための議論を開始しました。今後、子育て中の方や移住された方など多くの県民のみなさまと意見交換を行うとともに、県議会からご意見をいただきながら議論を深め、年度内に「ふくい新時代の幕開け」にふさわしい新たなプラン等を策定してまいります。

 

 次に、こども・子育て応援について申し上げます。
 今月発表された本県の令和5年合計特殊出生率は1.46となり、全国上位の水準を維持しております。また、昨年度の男性の育児休業取得率は初めて3割を超えました。拡充した奨励金制度や男性育休アドバイザーの派遣により、さらなる取得率向上を図ってまいります。
 また、子育て世帯やこども、若者も含め、関係者の意見を丁寧に伺いながら、「福井県こども計画(仮称)」を本年度中に策定し、日本一幸福な子育て県「ふく育県」を一層強化してまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。
 「教育に関する大綱」および「福井県教育振興基本計画」の改定については、今月、県内外の有識者で構成する「ふくいの教育振興推進会議」を開催し、今後の教育施策について検討を始めました。自らが主役となってふくいの未来を創造する人材を育成するための施策を幅広く議論し、今年度中に策定してまいります。

 

 英語教育については、先月発表された「英語教育実施状況調査」において、本県中学3年生の英語力は全国1位、高校3年生は全国2位と、トップクラスを維持しました。引き続き、中学校や県立高校にALTを積極的に配置するとともに、本県の特色である、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能統合型の授業を全ての県立高校で実践し、生徒の英語力の向上を進めてまいります。

 

 県立大学「地域政策学部(仮称)」については、令和8年4月に開設し、翌9年4月、福井駅東口の複合ビル「アオッサ」に新たなキャンパスの設置を目指します。企業、産業、自治体が数多く集積し、学生のフィールド演習の拠点として最適であることに加え、図書館やFスクエアなど学びの拠点との連携が図れること、さらには街の賑わいづくりや公共交通の利用促進にも大きく寄与することから、福井市とも連携しながら、キャンパス設置に向けた準備を進めてまいります。

 

 次に、経済・産業振興について申し上げます。
 県内経済の持続的な発展のためには、消費の拡大と賃上げによる経済の好循環を生み出すことが必要です。連合福井の春闘中間報告では、平均の賃上げ率が5.3%、上げ幅は15,331円となり、集計がある中で最も高い賃上げ額となりました。今月14日には、国や経済団体、労働団体と、賃上げの気運醸成に向けた意見交換を行ったところであり、引き続き、仕入価格や人件費の上昇を適正に価格に転嫁し、賃上げ原資を確保できるよう、中小零細企業への伴走型支援を強く進めてまいります。

 

 次に、女性活躍について申し上げます。
 部局横断の「ふくい女性活躍推進チーム」による施策の連携や企業訪問等での働きかけの強化などにより、ふくい女性活躍推進企業は、昨年度過去最高の93社増加し、432社となりました。
 また、来月17日には、北陸三県合同の「女性活躍サミット」を本県で初めて開催し、北陸地域における共通課題や先進事例を共有するとともに、女性にとって魅力的な地域であることを全国に発信します。
 引き続き、女性が意欲や能力を発揮しやすい社会の実現を目指してまいります。

 

 次に、防災対策について申し上げます。
 能登半島地震を受け、本県の災害支援策や被災地の課題について各部局連携して整理・検証し、被災地へ職員を派遣する際の事前準備など早期に対応すべき取組みについて、先日開催した県防災会議において地域防災計画に反映を行いました。中長期的に議論が必要な項目については、引き続き検証を進めてまいります。
 また、木造住宅の耐震化について県民の意識も高まっており、当初の想定を超えて申請が見込まれることから、支援を拡大し木造住宅の耐震化を加速させてまいります。

 

 災害ボランティアについては、珠洲市等での在宅避難者支援や被災家屋の片付けなど、5月末までに約2千人の方にご参加いただきました。ご支援いただいた県民のみなさまに対し、改めて感謝を申し上げます。今後は、様々な知識や技能、経験等を生かした復興支援を行う県内ボランティア団体の活動への助成により、さらに支援を拡大してまいります。

 

 そのうえで、災害に強い幹線道路網の整備を図ることが重要です。
 国道8号については、南越前町大谷から敦賀市元比田間の5.1kmが「大谷防災」としてこの4月に事業化され、また、国道365号栃ノ木峠道路については、「国直轄による権限代行実施の検討を行うための調査箇所」として採択されました。人流・物流の安定確保に大きく寄与することから、早期の工事着手・事業化を国に強く求めてまいります。

 

 次に、脱炭素化の推進について申し上げます。
 先日、企業の関心が高い「脱炭素に向けた経営」をテーマとしたセミナーを開催しました。今後も、二酸化炭素排出量の算定手法や太陽光発電・蓄電池の活用方法の周知など企業の脱炭素化を支援してまいります。

 

 最後に、原子力について申し上げます。
 先月15日から、エネルギー基本計画の改定に向けた議論が始まりました。今月6日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会において、立地県の立場から、事業者の安全投資や人材確保を進めていくためにも、将来の必要な規模とその確保に向けた道筋など原子力の将来像を明確に示す必要があると申し上げました。翌7日には岩田経済産業副大臣に対し、使用済燃料対策への主体的な対応や安全対策に係る事業環境の整備、立地地域の振興などについて要請したところであり、引き続き、様々な機会を捉え、責任あるエネルギー政策の実行を国に強く求めてまいります。
 関西電力高浜3、4号機について、原子力規制委員会は先月29日に40年を超える運転延長の認可、今月5日に蒸気発生器取替等の許可を行いました。運転延長については、先月17日の県原子力安全専門委員会において、「今後の継続的な運転のために必要な対策等が講じられている」との見解が示されたところです。
 今後、原子力規制庁から審査結果の説明を受け、県として、改めて内容を精査し、県議会をはじめ立地町や県原子力環境安全管理協議会における意見を踏まえ、安全最優先の観点から必要な意見を申し上げるとともに、蒸気発生器取替等にかかる事前了解について適切に判断してまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は、全体として5億円、本年度予算額の累計は5,052億円となります。今回の補正予算編成に当たっては、新幹線開業後に見えてきた課題などへ機動的に対応することとしております。

 

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。
 なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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