知事記者会見の概要(令和7年1月23日(木))
令和7年1月23日(木曜日)
10:30~11:45
県庁 特別会議室
[知事]〔配付資料:今年度開通する道路について〕
3点お話をさせていただきます。いずれも道路の開通になります。最初が、県道の坂本高浜線で名田庄から高浜町に抜けていくこの道路のところの、おおい町石山の区間が完成しますので、3月22日に開通するということです。今も道路はありますが、ここに行っていただいている方はお分かりのとおり、非常にカーブも急で、狭いですから大型の車は行き来ができない、通れないということで観光バスも小浜市に入ってぐるっと回っていたものが近くなって、安全になるわけです。観光バスも通れますので、ぐるっと一周するルートや、こちらの方から行くルートもあり、ここが西の鯖街道になりますので、南のところが、こっちからのルートもできることは非常に便利と考えています。時間も、今まで大型の場合はぐるっと50分ぐらいかかっていたところが25分で済みます。
資料を見ていただいても、行っていただいてもびっくりすると思います。本当に怖いです。ここに橋脚があったりして、今までが、このようにグネグネになっていたのが、少し緩やかになります。こちらの方も、ループのところがあったりして、全体では一期工事、二期工事を合わせて22年かかりましたが、二期工事は12年間50億、一期工事が10年62億かけてやってきたというところで、私も嬉しく思っています。
[知事]〔配付資料:来年度開通する道路について〕
続きまして、これは日まではわかりませんが、二つの道路、国道416号の白方~布施田バイパス、それから県道福井森田丸岡線の区間について、来年度中に開通予定ということを予告させていただきます。来年度中で、ギリギリまでかかりそうなので、なぜこんなに早くということもあるかもしれませんが、いずれにしても来年度中に開通することが事前にわかっていますと、いろいろな投資もしやすくなると思いますし、企業誘致もやりやすくなるので、発表をさせていただきます。まず416号の白方~布施田バイパスですが、 現状も、布施田から波寄までは1.5km開通していて、残りは農地が中心ですが、橋脚などいろいろ必要なところもありましたので、3.7kmこの部分が開通をするということで、テクノポートと福井の街中の交通の利便性が向上します。
そしてもうひとつ、福井森田丸岡線についてですが、これも来年度末ということで、ここは新九頭竜橋のところで、国道8号の交通量も一部減ったと言われていますが、特に最近よく、旧春江町の中心部の嶺北縦貫線が、非常に混むと言われていまして、福井森田丸岡線が市道の随応寺末政線まで開通しますと、街中に行きたい人はこっちに抜けて新九頭竜橋に行き、国道8号が混んでいると思えば、ここを使って福井の街中に入っていくことが可能になりまして、渋滞の緩和になるのではないかと、とても期待をしています。特にここは、この後、テクノポートからの福井港丸岡インター連絡道路に接続していくので、さらに交通渋滞の緩和にもなるのではないかと考えています。私からは以上です。
~質疑~
[記者]
1つ目の坂本高浜線について、事業費を教えてください。1期が62億円、2期が50億円、合わせて112億円でよろしいですか。
[知事]
はい。
[記者]
この道路は、観光周遊の意味合いはもちろんあると思いますが、災害時の避難機能の強化も大きいと思います。その点はいかがでしょうか。
[知事]
おっしゃるとおりで、おおい町や高浜町の方向にありますので、風の向きによると思いますが、最終的にこちらの方から逃げていくということもありうると思います。特にこの道路の沿線の集落に住んでいる人たちは、この道路を迂回して行くと遠回りになると思いますので、選択肢が広がることに意味があると思っています。とはいえ、ものすごい交通量をさばける道路ではありませんので、いろいろと状況に合わせていくと思います。
[記者]
次に、説明のありました白方~布施田バイパスと福井森田丸岡線も事業費をご説明ください。
[知事]
まだ工事が終わっていませんので、今年度の事業量によります。必要があれば担当にお聞きいただけるとありがたいと思います。
[記者]
坂本高浜線は一期と二期それぞれあると思いますが、それぞれいつからいつまで事業をされているのか、いつから整備が始まっているのかお聞かせください。
[知事]
一期工事は平成15年から24年度までで、二期工事が平成25年度から今年度まで12年間です。
[記者]
それだけ時間がかかったということは、工事がなかなか難しい場所だったということですか。
[知事]
資料を見ていただいても、ぐねぐね道だった箇所を解消するためにはぐるっとループしたり、谷にすごい橋脚をかけたりしています。これは非常に難工事でした。
[記者]
もう1点、これにより大型バスが通ることができるようになるだろうという想定かと思いますが、交通量の想定があればお聞かせください。
[道路建設課長]
坂本高浜線の現況の交通量は一日当たり約500台弱です。将来の交通量予測をしていまして、一日あたり約700台程度です。合わせて大型車が通行できるようになるという効果を見込んでいます。
[記者]
北陸新幹線について伺います。年頭の記者会見で杉本知事は初夢ということで、小浜先行開業について言及されました。その後沿線の首長や国会議員、整備委員会の西田委員長も含めて、賛同する意見も含めて、いろいろな反響があったかと思います。その後の沿線自治体、関係者の反応を杉本知事はどのように受け止めているのかという点と、小浜先行開業ということを議論してもいいのではないかという考え方を引き続きお持ちになるのか、その2点をお願いいたします。
[知事]
私が、この場で初夢を言わせていただいて、お話をさせていただきましたが、非常に反響をいただいたと思っています。まず県内では、小浜の地域のみなさんを中心にとても元気、勇気づけられたという言葉もそうですが、それだけではなくて、やはり成すべきことというか、さらにしっかりと機運の醸成、盛り上げもしていかなければならないというような動きにもつながってきているとも感じています。まず県内は、概ねみなさま方、好意的に受け止めていただいていると感じています。県外の反応も、私どももすぐに、できるだけいろいろと事務的なことも含めてご説明もさせていただいていまして、落ち着いているというか、真意をよくご理解いただけつつあるなと、全てとは言いませんが、そういうふうには感じています。その場でも申し上げましたが、とにかくこれは、1日も早い小浜・京都ルートによる早期全線開業というものを止めるものでもないし、逆に言えば少しでも役に立つのではないかというような思いから言わせていただいているので、最優先は全線開業で、みなさんと一緒にやっていくことだとも申し上げました。そのことがちゃんと伝わっている、ご理解いただけていれば、概ねのみなさんは、1つには同盟会の会長として、福井県の知事として、1日も早い全線開業というものを目指す中での1つの考え方を、もしくは強い思いを表現されたのではないか、こういうようにも言っていただいています。また賛成だと言っていただいている知事もいらっしゃいます。そういうことだということです。
さらに言えば、私どもも、簡単に言うと、小浜先行開業のために今までやっている環境アセスメントなどの議論を切って、この部分の議論をしてほしいということを言っているわけではありません。これから認可着工という議論がずっと進んでいきます。事業費の議論にもなってくる。どのように事業をやっていくかと、そういうような議論になってきますと、我々も意見も言わせていただくような機会もあるかとも思います。そういう中で、例えば、私たちの思いについて言わせていただきますと、考え方として言えば、小浜のところで、高速道路は特にそうですが、インターチェンジごとにだんだん開通していくというのは、物事の進め方としてもあるわけですし、結果として、例えば、25年ぐらいかかると言われている京都や大阪のところ、そこを普通に考えると、10年というのはいろいろ計算してみると、働き方改革が入っているので、10年ちょっとかかるかもしれません。いずれにしても10年ぐらいは短くなるとすると、今、建設単価は年間7%ぐらい上がっていますので、これは10年早くできると相当全体の工費が安くなるということもあり得ると思いますし、ここの工事が終わっていれば、県内に京都や大阪で出てきた土を再利用していくという可能性も広がる。そして工事をする人たちの人員を振り分けることもできるかもしれない。こういう可能性があるということは申し上げていく機会はあると思います。
しかし、いずれにしてもとにかく早期全線開業、全体をまず決めていく、これが大事だということを思っています。中には米原ルートに対する牽制だとおっしゃっていただいて、そういう気持ちももちろんこもっていますので、そういった点も含めて、概ねみなさんは冷静に受け止めていただいてきたかなと。今後とも、機会あるごとにという言い方は全く思っていませんので、必要な時には我々として声も上げさせていただくということかと考えています。
[記者]
1月22日まで杉本知事は上京されて、整備委員会の西田委員長など、国会議員の元を訪ねられたと聞いていますが、そこでも、もしかしたら知事から小浜先行開業についてのご説明があったのかと思います。まず西田委員長はこの小浜先行開業の趣旨や、知事が言っていただいた可能性などに理解を示しているのか、どんな反応があったかお聞かせください。
もう1点、京都、大阪のみなさんが知事の趣旨、お考えに理解を示していくのかどうか、その見通しをお願いします。
[知事]
1月21日に、国会議員、与党の整備委員会、もしくはPTの幹部の方に回らせてもいただきました。基本的には私の考え方の基本を申し上げたというところです。結果として西田委員長も冷静なご判断でご発言もされているのかとも認識をしていますので、まずは説明をさせていただいています。ただ、小浜先行開業のことを説明して歩いたわけでは全くありませんので、要は昨年末に決めていただいた中間報告、これを早く着手していただいて、科学的知見に基づいてしっかりと説明をしていただく。懸念されているいろいろなことがありますので、こういうことが目に見えるような形で進むということが、そういったものを払拭していくことにもつながるのではないかと。だから早く着工5条件、財源のところも含めて議論を始めてくださいというのも趣旨でしたので、これについては非常にみなさん前向きに、ではそういった議論をしていくとおっしゃっていただきました。大阪、京都のみなさんがこれからどう考えられるかということはありますが、決して誤解されないように私も気をつけなくてはいけないと思っていまして、何も我田引水で「小浜先行開業が私たちの目標だ」みたいにとっていただく必要は全くありません。あくまでも、私の認識でもいろいろなところで伺っている中身を聞いていても、少なくとも京都のみなさんも大阪のみなさんも小浜・京都ルートを前提にしたご議論をされておられる。ただし、事業費がどうなるのか、B/Cはどうなのか、こういったデータについて、しっかりとした説明、もしくは考え方は整理すべきだと、こういうようなお考えだと。もしくは財源も含めて、あとは工事が、水がどうだとか、こういったことを含めてしっかりと答えてほしい、こういうところがあると思いますので、これについても引き続き私は申し上げていきます。京都のみなさんにも大阪のみなさんにも決して心配されることがないような、しかし、「考えてみればやはり工事費が安くなるよね」、「お金かからないのにこれをやるだけで安くなるんだったらやってみたら」など、こういうような声になってくるように、必要な時には私としてご説明をさせていただくと、こういうことかと思っています。
[記者]
小浜先行開業の話についてですが、先ほど知事の発言の中で米原への牽制と一部では言っていただいて、そういう気持ちもあるので今後も必要な時には声を上げていくということでしたが、その気持ちについて、もう少し詳しく説明していただけますか。
[知事]
少し言葉が過ぎましたね。牽制という言葉を使っている人がいたので、それをトレースしましたが、米原ルートという声が本当に数から言ってどれほどいるかというのは、私は大きな疑問を抱いています。とはいえ、そういったお話があって、そういう報道が大きいと感じられる方もいらっしゃるので、やはり本筋は小浜・京都ルートでこの議論が前に進んでいますよとか、こういうやり方もあるとか、そういう前向きな動きをしっかりと見ていただくことが、大半のみなさんの気持ちが落ち着く中身かなということも含めて、私は申し上げたという趣旨でした。
[記者]
20日にアメリカ大統領に就任しましたトランプ氏について、国内では経済的影響を含めて不安視する声もある一方で、トランプ氏の一期目の時に初の米朝首脳会談を行われたというところで、拉致問題の関係者からは、ある程度期待する声もあるかと思います。福井県も拉致問題や特定失踪の問題の関係県ですが、この点も踏まえて、知事としての受止めがあれば教えてください。
[知事]
はい。これは全国的というか、世界的な課題というのか、今注目点であるということだということは十分に認識をしています。日本との関係で言えば経済であったり、防衛であったり、こういったところがこれからどのように具体的に動いてくるのか。そういったことについて、一期目の政権の時も思いを起こしながら、いろいろな想定の議論がされているのだと認識をしています。一方で、今もお話しいただきました米朝会談の話もあるでしょうし、また具体的に中東の関連や、トランプ大統領はウクライナのことにも言及をされていらっしゃる。そういう平和を求めていくことも、今の紛争をどう止めるかということについても、積極的に関与されるような趣旨も言われています。そういったことがどうなっていくのかということは、非常に関心のあるところです。特におっしゃっていただいた米朝の首脳会談で、以前の時にはトランプさんは北朝鮮との関係も非常に良好だというご趣旨でおっしゃられていましたので。この拉致被害者の方の全員救出についても、完全解決に向けて進展していくことも期待したいと思っています。
[記者]
21日に武藤経済産業大臣と東京で面談をされましたが、その面談の内容の知事としての評価と、2023年10月に当時の西村大臣から提案されて、開催に1年以上時間を要したことに対する知事の考えを伺います。
[知事]
1年以上要したということは、これは時期を見ながらやっていたと、通常の要請活動の中で行えることはその中でやっていけばいいかというところの中で、全体を網羅して、本当の趣旨から言えば、やはり福井県は、例えば再稼働も先行して進んできて、それから高経年化ということもあったり、廃炉も全体で言えば7基ある、そういった議論があったりとか、それから使用済燃料の課題があったりとか、さらに言えば、原子力リサイクルビジネスという新しい展開についても今リードしています。こういうような中で、全国の立地であったり、そのほか原子力について、大きな枠の中でいろいろ議論をしていこうというのがこの趣旨だったと思いますので、そのタイミングが今回の7次の基本計画の取りまとめのある程度の議論が進んできたところであったのだろうとは認識しています。これまでも、決してこれに限らず、様々な要請活動を通じて、我々として求めていることについては一歩一歩進んできているとも認識しています。
そういう中で、今回の意見交換においては、一つには原子力の将来像ということと、使用済燃料対策を中心としてバックエンドプロセスを加速化していただきたいということ、そしてさらには地域振興、こういったことについて大きな議題として議論させていただいたと思っています。これも、私どもからいろいろ申し上げた点については、一つ一つ丁寧にお答えをいただいて、少しずつ前進をしていると思っています。
例えば、原子力の将来像については、私からは2040年ではもう間近すぎるのではないかと、リードタイムはこれから非常にどんどん伸びている中なので、もう2050年、さらにその先も見据えて、この後将来の原子力の姿がどうなるかは言うべきではないかということも申し上げましたし、また詳細にもっと述べていく場所もいると申し上げたところ、原子力のこれからの方向性については行動指針の中で明らかにしていくのだというような趣旨のことを言われていたと思いますし、また、長期的な議論はこれからまたやっていくのだというようなお話もありました。
また、使用済燃料対策についても、これも国としてしっかりと前面に出て、またロードマップについても、出てきたら、また説明をちゃんとしていくのだというようなご趣旨のことも言われていたし、あとはロードマップもそうですし、六ヶ所再処理工場の竣工、こういったことについて、具体的な方法論として、今まで使用済燃料対策推進協議会というのは大臣とか社長さんが出てやって、副社長さんたちが出る幹事会が年に1回だったけれども、これを複数回、できるだけ頻度を上げて、それでオープンな形で今の進捗状況の管理をしていくということであるから、これはいい方向だと思っています。もうどれだけ遅れているかというのが明らかになるわけなので、そうすると対策も立てやすくなる、こういうことだと思いますので、そういった前進もあったし、また、具体的な使用済燃料の搬出についてのところでも、使用済MOX燃料の調査研究、フランスに持っていってやっていくというものの積み増しをするというような話もありました。どこの部分を持っていくのかというのは、もちろんこれからの議論だと思いますが、あの場で大臣からおっしゃっていただいたことからすると、少なくともそれなりの部分が、福井の発電所から持ち出されるのではないかというような推測もできるかと思います。
そういうことと、あとは地域振興、ここのところのなかなか具体化が進んでいない、どのようにやるのだと、こういうことを枠組みも含めて求めてきましたが、大臣からは、共創会議の中で具体化を図っていくということですので、普通だと、翌年度の予算に向けた行動として、6月、7月ぐらいに共創会議は開かれると思いますが、それを待たないで、具体化できてきたら共創会議も開くなどということもお考えいただけたらいいなとも思っています。
[記者]
原子力の地域振興の関係で、大臣との面談の中で、知事から避難道路について、県外への広域避難が可能となる道路や、まちなかの回遊性向上や観光振興など地域経済の活性化に資する道路という具体的な言及がありました。この観光とかの回遊性を含めた避難道路で、知事が期待する効果や整備する意義を伺います。
[知事]
まずは、これまでの間にすでに福井県内においては原子力制圧道路という形で、もちろん、まず主目的は制圧ということで、炉のところにいかに早く近づいていってそれを抑えていくかということですが、一方で、それは反対方向で言えば避難道路そのものでもあるわけで、ここまで一つ、制圧道路という形の避難道路も整備が徐々に進んできていると、ほぼ終わってきています。
その次の段階、さらに、ここのところを次に県外に出ていくというようなことが必要だという町長、市長もいらっしゃった。もう一つは、今、その避難道路としてというよりは、それも含めて、回遊性、要は地域の経済の活性化、そういったことを優先するという首長もいらっしゃいました。
そういう中で、私は、そういった先ほどおっしゃっていただいたような二つの点について、大臣に対して求めて、これは私からというだけではなくて、例えば共創会議であるとか、また個別の面談なんかもされておられるようですが、各市や町の方から国にも伝えられているということで、それについて共創会議の中で具体化は図っていくということでしたので、それをぜひ進めていただきたいと考えています。
[記者]
21日の大臣との密接会議に関連して伺います。先ほど、国の方も関西電力のロードマップ見直しが示された際には一定の説明責任を負っているということで説明していくというような趣旨の回答もあったという話になりましたが、具体的に、関西電力は2月定例県議会開会前までに見直し案を提示するという発言がありますが、関西電力が見直しを提示してきた際に、国も同席して、一定程度、国としての関与、取組みを説明してもらう必要があるという認識でしょうか。
[知事]
これは、どういう形で持つかというのは中身にもよりますし、また都合というのもあると思いますので、ただ、例えば、先ほど申し上げたが、使用済MOX燃料の海外の処理というようなことで言えば、この部分は国と国の関係もあるので、中身について、もしくは、そういう案が出てきた、このような手順で行くのだと言った時に、それこそ使用済燃料対策推進協議会というのは、これは国の方で開いている会議、そこの中で各電力事業者がいろいろと、こうやるのだ、こうやるのだという話をしていくわけですから、そういった場の持ち方とか、幹事会の持ち方とか、そういうような話も含めて、もちろん国が関わるところは出てくるので、その場にいるのかどうかというのは場の持ち方の問題だと思いますが、合わせて説明いただいていくということが必要なのかなと思います。
[記者]
その工程表の実効性の有無の判断に関連してですが、知事とすると、必要な搬出容量が確保できる方策がどれだけ示せるかどうかというふうな発言をこれまでも何度もされています。この必要な排出容量というのは、例えば関西電力であると3つの発電所があると思いますが、そこで年間発生する使用済燃料の量が、例えば3つの原発で100トン、使用済燃料が出てくるという考えであれば、少なくとも1年間に100トンは県外に持ち出せるような方策、こういった理解でよろしいでしょうか。
[知事]
大きく言えば、安定的な状況になってくれば、そういうことになると。原子力発電所を安定的に運転して、それで電力を安定的に供給する、これが1番重要な目標になるわけで、そのためにはやはり使用済燃料のプールがいっぱいにならない、安定してプールからものが出ていく、言ってみれば、出てきた使用済燃料がそれ以上の形で県外に出ていくということが、ずっと継続して行えるような環境ができたというのは最終的な目標だと思います。しかし、もっと近い意味で言えば、今もうプールいっぱいになろうとしているので、プールをいっぱいにしないということはわかりやすい部分かなとは思います。
[記者]
最終目標で言えば、再処理工場も今現状まだ完成していない、中間貯蔵もまだ具体的な地点というのも示されていない中で、次のロードマップの見直しでは、どれぐらい先を見据えた必要な搬出容量の確保がされているかどうか、見ていくお考えなのでしょうか。今発言もありましたが、当面、直近の課題として今後2~3年必要な搬出容量が確保されれば了とするのか、今現状の考え方をお聞かせください。
[知事]
これを私がどう考えるかというよりは、関西電力なり国がどう考えて、それを私たちに示してくるのか、それが先程来申し上げている必要な搬出容量を確実に確保する実効性のある方策であるかどうかということの判断の元になると思っています。
しかし、ロードマップという前回提示された形というのは、私はある意味トータルでどういう状況にあるかが分かりやすい作りではあるとは思っています。以前は、中間貯蔵施設を2020年頃には完成させて持っていくのだのように、1つ1つのことを書いてあって、その目標だけが示されていて、できる、できなかったとかという議論になっていたが、ロードマップになってからは、全体として、まさに私たちが求めている県内で発生している使用済燃料の量に対して、それがどういう形でどこに出ていくのかということを全体として分かるようになったので、形としてはロードマップの姿というのはあながち悪くはない。それを今度はどういう形になるのか、もうとにかくあらゆる手段を考えて形にしていくということなので、そういったところがどう示されているか、そういった点を注目していきたいと思います。
[記者]
地域振興に関連して、21日の大臣との意見交換の場でも、知事は重ねて避難道路の整備の必要性を訴えられました。武藤経済産業大臣も、一定程度県の考え方は理解できたと、その考えに基づいて今後共創会議で具体化していくというような発言がありましたが、例年、共創会議は6月、7月の段階で開催されるのが通常ですが、年度内に開催される可能性はありうると考えてもよろしいでしょうか。
[知事]
共創会議は国の方で開かれる会議なので、このことを私が、ああしろこうしろと今から言うということもありませんが、ただ可能性としては共創会議で具体化していくのだとおっしゃられているところからして、タイミング的にはあってもおかしくないし、それ以外の方法でご説明いただくということもあるかもしれないが、そのことは否定しないが可能性としてはあるかなと思っています。
[記者]
2023年10月に現行の関西電力の工程表と40年超の運転の継続を認めた際に、その時から国も地域振興について取り組みを進めていくというような発言があります。知事も様々な場で具体性に乏しい、目に見える形で進んでいない、そういった苦言を示されている中で考えれば、逆に言うと、福井県とすれば、年度内により具体的な方策を示すように求めていくというのも1つの考えかなと私は思いますが、知事はその辺はどのようにお考えでしょうか。
[知事]
そこは、考え方は全く共有していると思います。日々、いろいろな形で国とはやり取りしているので、そういう気持ちはもちろん大臣にお会いした時にも直接申し上げました。そういったことは事務的にも日頃からやり取りしているので、それはそれなりに伝わっているとは理解はしているので。しかし、場の持ち方、細かいというと言い方はおかしいですが、やり方のところまで次から次へとああだこうだということもないかなという趣旨で申し上げていて、思いは同じだし、それを持ちながら日頃の仕事をさせていただいているというところです。
[記者]
今の発言の中で、フランスへの積み増しという話があり、少なくともそれなりの量の搬出ができるということで、どのぐらいの量を考えるのでしょうか。
[知事]
積み増しというのは、使用済MOX燃料を最終的には日本国内での処理ができるようにしていこう、そのための実証研究を、フランスでも既に経験済なので、国内にあるMOX燃料を持ち込んで、それが1割部分になって、9割部分は一般の使用済燃料を持っていく。これで10にして、そこで調査研究をするということなので、積み増しは、本質的には使用済燃料を出すというよりは、その研究をさらに進化させる、もう少し量がないとできないという、研究の側から始まっていると思います。
その付随的な結果として、県内の使用済燃料もそちらに持っていき、全体で処理をしていく工程が研究されるということなので、量がどれぐらいになるのかというのは、これから注目をしていくということなのだろうと思います。しかし一方で、ああいう言われ方をするということは、全く効果がない、1トン増やしますとかっていう議論をするとすれば、それこそ私たちが求めている実効性のある方策というのに関わるかというと、そういうことで言っているのではないかなという気もするので、一定程度の量なのだろうと思って伺いました。
[記者]
新たなものではなく積み増しということに関しては、ある程度納得ということでしょうか。
[知事]
いろいろな手段はあると思います。それは、次から次へと新しいことが生まれてくるのであれば、当然それを発していただくということもありだと思いますが、これはまさにロードマップという全体像の中で、いつ頃にはどれぐらい、毎年130トンぐらい新しく使用済燃料が出てくるという中でそれをどう持ち出すのかという、そういうことが全体像で分かるということであれば良いわけなので、それは新しい方式が本当に編み出されたのなら入れていただくこともあるでしょうし、積み増しということも十分あると思います。
[記者]
先ほどから、ロードマップとか、バックエンドの話が出て、いよいよ議論が盛り上がったのかなとは思いますが、一方で、バックエンドの問題に関しては、10万年先の管理を必要とするというところで、もう原子力のエネルギーを得ることができない後世にまでその負担を押し付けるという、この世代間の倫理感というのはどうしても残ってしまいますが、ここに関して知事はどういう整理をされているのでしょうか。
[知事]
そういった最終処分のところについては、原子力基本法の中で、国の基本的施策として位置付けられているということだと思います。
そして、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針というものが閣議決定をされていて、国は政府一丸となって、かつ政府の責任で最終処分に向けて取り組んでいくと明記されているわけなので、国が国民の理解と協力を得ながら、その責務を果たす必要があると私は認識をしています。
[記者]
知事自身の倫理に関する問題についての考えはどうでしょうか。
[知事]
私は、国が国民の理解と協力を得ながら、その責務を果たしていくことが重要だと認識しています。
[記者]
知事の個人としての倫理を聞いているのですが、世代間、10万年先の人類にそういったものを押し付けるということが果たして良いのだろうかというようなことは必ず考えていかなければいけない、責任を持たなければいけないことだと思うし、少なくとも県内の原子力発電所に関しては、運転するかしないかということに知事は一定の権限をお持ちなわけで、国に任せるというようなことではなく、知事の個人的な見解というのを聞きたいです。
[知事]
個人的見解を申し上げる必要があるかどうかというのは、少し議論のあるところかと思いますが、核燃料サイクル全体も含めて、国の責務だということなので、国が国民の理解と協力を得ながら、その責務を果たすことが重要だと私は認識をしています。
[記者]
政策的にはそうだと思いますが、倫理的な問題点はやはり政治家として持っていなければいけない問題で、それに関して知事は、全くここで表明されるようなものはお持ちでないということでしょうか。
[知事]
どうおっしゃられても、私は、大切なことは、倫理観も含めて、国がとにかく国民のみなさんの理解と協力を得ながら、それをどうしていくのか、そういうことを決めていく、その責務を果たすということが大切だと認識をしています。
[記者]
武藤大臣との密接協議の場の内容で、2月議会前に、関西電力にロードマップを提示してほしいと言った直前の時期、最終調整の段階の中で、県と国との密接協議の場で出てきた話が、この既存のロードマップに書いてある使用済MOX燃料のフランスへの搬出という1点しか出なかったわけですが、国の関与のあり方に関して、今、直前の段階でこの話しか出なかったことに関して、どのように評価するのでしょうか。
[知事]
今、新しそうな話がそこしかなかったということをおっしゃっているかもしれませんが、私は、もう1つ注目をしたのは、六ヶ所再処理工場の竣工に向けた手続き、審査の度合いとか、ロードマップの進捗状況について、これが今まで年1回しか行われていなかった使用済燃料対策推進協議会の幹事会を、複数回開いてオープンな形で進捗管理をしていくということも1つは注目をした場所で、こういうところで確認をしながら物事は進められると。まず1つは、ロードマップとして成り立っているのかどうかということとともに、前回、みなさまからも批判をいただいているところは、1年以内で破綻する、しかもその時までわからない状況のままで破綻をしていくというようなことについてのご批判も大きかったというふうに認識しており、これについての1つの考え方は示されているなと。
あとは、2月議会は2月17日の始まりで、それほどもう期間がないので、ここを待つということかなと思っています。
[記者]
ロードマップの実効性を評価するにあたって、知事も、県議会などの意見を伺っていくとは常々言っていると思いますが、県議会の方では、例えばこのロードマップに関して、六ヶ所再処理工場分を後ろ倒ししただけでは認めないというような発言も出ています。こうした意見も踏まえた上で、今回、フランスへの搬出しか出なかった点について、どう思うか伺います。
[知事]
これは、国や事業者が、しっかりとそういった注文については国も事業者も受けられているわけなので、それをしっかりと乗り越えられるような具体性のある、実効性のある方策を示していただくということだと思っています。
[記者]
知事が国に示していただきたいというのは重々承知なのですが、その上で、国が今回の密接協議の場で示したことは十分なのか、これをどう評価するのでしょうか。
[知事]
まず、2月17日より前にどこまで示すのかというか、そういうことをもっと求めるべきだという議論が1つあることは分かります。
一方で、出てきた後に、議会も含めて、もちろん立地の市町も含めて、ご意見を伺って、ステークホルダーのみなさんには原子力環境安全管理協議会という場もあって、そこで議論を十分に拝聴して、しっかりとそれが守られるのかどうかということを厳正に判断していって、もしもそうでなければ、我々はそれを了としないので、4月以降は、今度は美浜3号、高浜1・2号は運転しないということを事業者が言っているわけなので、我々は、それが出てきた段階でしっかりと議論をして結論を得ていくということが大切なのではないかなと。事前のところでもっと出せもっと出せと言うのは、まだ期間があるのであればともかく、そこのところは責任を持ってやっていただくということだろうと思っています。
[記者]
出てきたものに関して考えて検討するという、今おっしゃられたことだと思いますが、そういう中で、改めて密接協議の場の意義をどのように捉えているのか伺います。
[知事]
協議の場で、まさに大臣が、使用済燃料対策推進協議会の幹事会を年間複数回やりながら、透明性を持った形で、進捗の管理をしていくということのお話もいただいたわけなので、これは我々が少なくとも1つの方策だなということの納得が、ある部分できます。
しかし、大事なことは中身なので、早く計画出してねと申し上げたわけで、それはそんなにおっしゃっているほど間違っていないのではないかなと。意見交換の意義もあったと思っています。
[記者]
使用済燃料対策推進協議会の幹事会を複数回開催していくというところ、注目した点だという話がありましたが、現状年1回程度開催されていて、長い時で1時間弱、45分程度、短い時はエネ庁の説明で10分程度で終わることもあるような会議だが、このような会議が年2、3回増えたとして、本当に事業者の取組みが推進されるのか懐疑的な見方もあると思いますが、幹事会を増やしていくという程度で、事業者の実効性ある取組みを促進する国の関与の仕方として十分とお考えでしょうか。
[知事]
その会議が何分で終わっているかというのは、私はよく存じ上げませんでしたが、今までは少し形式的な会議だったというようなことをおっしゃられたいのかなとも感じました。
しかし、私は、今まで国から説明を受けている内容を全部積み重ねていくと、例えば六ヶ所再処理工場の竣工に向けた手続きについては、日本原燃が規制委員会との間で、これからこういう工程で、この部分はこういう日程感でやっていくのですよというのを、何項目あるか知りませんが、そういうものを共有しながらやっていくというような話を今までに伺っていて、例えば幹事会がいつ開かれるか分からないが、その時点で、今どこまで工程が来ていて、それは予定に比べてどれだけ進んでいるのか、遅れているのかということを1回1回少なくとも明らかにすると思います。しないとすると、何をやっているかよく分からないので、もしそうだとすれば、その時に言いますよ。そうすれば、みなさんで見て、今まではずっとブラックボックスの中にあって、やってるやってる、間に合う間に合うとか言っていたのが、ある日突然できませんでしたっていうことにはならないわけで、そうすると、私たちは早い段階から、それおかしいじゃないかとか、これどうするのだ、実効性が担保できていないじゃないかと、こういうことも言えるわけです。
ロードマップの進捗状況そのものも、当然その協議会の中で、関西電力がしっかりと説明責任を負っているので、幹事会でも当然議題になると思うが、そういったことを、今の進捗状況なんかも、透明性を持って進捗管理をするということだから、それなりにできるのじゃないでしょうか。私、可能性を非常に感じるというか、当然そうやるんだろうなという程度にしか思っていませんけれども。
[記者]
知事としては、ある程度その国の関与の仕方について満足しているという形でよろしいでしょうか。
[知事]
そうでなかったら、そんなことないと思いますが、またその時にすぐに申し上げているということになると思います。
[記者]
先ほども少しだけ発言ありましたが、トランプ大統領の就任が今週ありましたが、県内の産業などの影響の関係で、関税が例えばカナダやメキシコなど、かなり大幅に増えるというような話もありますが、福井県の経済など、そういった影響の面ではどのように考えられますか。
[知事]
これはおっしゃる通りで、すべての国に関税をどんどん上げていくのだとか、こういったような言い回しの部分は、ある程度心配になる部分があると。一方で、これは私が言っているというよりは、いろいろな経済人の方とお話をしていた中で出てきた言葉としては、多分中国に対しては厳しいだろうと。そうすると、中国から物が出ていかなくなる分、国内で作ってそれを持っていくという手法が広がる可能性があるので、あながち悪いことばかりではないとかですね。いろいろな業種、もちろんその人がそう言っていただけですが、それもそうだなとも感じました。世界経済を対象として、日本もしくは福井県の輸出は結構多いと思いますが、こういったものがどうなっていくのかということはよく注視もしないといけない。もちろん必要があれば国に対して、直接アメリカに対してということもないと思いますので、国に対して対応策を求めていく。そういうこともあるかもしれませんが、そういうことかと思っています。
[記者]
これはまだわかりませんが、トランプ大統領は、再生可能エネルギーにかなり否定的な印象がありますが、こういった面ではいかがですか。
[知事]
再生可能エネルギーを、どんどんまたシェールガスなどに移していくという一つのお考えがあるのだろうと思います。ここのところは目先のところのエネルギー転換というような発想でやられていっていくというところもあるのだろうと思います。しかし、ヨーロッパを中心として、やはり地球温暖化により、アメリカも山火事のことも今出ていますが、災害は大変大きくなってきているように思います。これがどんな影響につながっているのかわかりませんが。地球温暖化という課題は、人類共通の課題であるとも今のところ認識をしていますので、そういうことから言えば、アメリカがエネルギーの改革をしていくということは、トランプ大統領が言われているのでしょうが、地球温暖化対策について、しっかりとアメリカとしての役割も果たしていただけるような期待はしています。
[記者]
北陸新幹線開業、間もなくあと2か月弱ぐらいで一年になるかと思いますが、開業一年の総括と来年度に向けた課題について教えていただきたい。また、1月22日にやっと、課題とされていた、インバウンド誘致を念頭に置いたナイトコンテンツが、やっと始まる見通しができたということですが、ナイトイベントに対する期待と、一方で、いいものができてきているのかなと思う反面、またこれだけで十分なのかという気もしますが、来年度に向けてまたインバウンド誘致、どういうことをやっていきたいかについて教えてください。
[知事]
まず、インバウンドの方から申し上げると、これは大きな課題だと認識をしています。福井県というよりは、全国の地方、もしくは国全体としても、この課題は大きいと。オーバーツーリズム、東京などはホテルが本当に高い。まさにオーバーツーリズム。しかも外国人向けということで、日本人が非常に大変な思いをするというような状況にあるので、そういう意味ではインバウンド対策というのはどこも必要な部分があると思いますが、福井県においても、ナイトイベント、そういった催しをやっていくということが緒についたところだと思います。まさにおっしゃっていただいたとおり、それだけではとても、インバウンドが増えないと思っているので、今も来年度当初予算についての議論をしていますが、とにかくまず、ありとあらゆることを頑張るしかないかなと。中々、成功のツボが見つからないというだけではなく、全国的に色々話を聞いても、簡単ではないということはよくわかっています。しかしもう一つあるのは、福井県の何かポイント、そういう中で刺さるものが一つ見つかってくると大きく当たるということもあるので、そういったことを、より合理的で成功確率の高いやり方を見つけるということとともに、たくさんやってみて当てていくということも含めて、来年度当初予算でも、インバウンド対策については特に力を入れていきたいと思っています。
北陸新幹線開業間もなく一周年ということで申し上げますと、いつも申し上げているとおり、お客さまは順調にここまで増えてきていると思っています。全国的に見れば、やはり円安で外国人観光客が増え宿泊費が高騰するといった影響や物価高による節約志向ということがあり、非常に旅行控えが増えている中で、福井県では2割程度は全体で増えていますし、特に課題だった関東圏から、もしくは信越のところから4割とか7割とかお客さんが増えているというのは、一つ大きな前進だと思います。何より街に活気が出ている。福井駅周辺に限らず観光地などでも、恐竜博物館も一乗谷も永平寺、敦賀の赤レンガ倉庫も3割、4割とお客さんが増えている。非常に効果が大きいと思います。その上で県民の幸福実感も、全国の順位が上がってきている。県民の気持ち、マインドも非常に前向きになったと思っています。そういう意味では、新幹線というのはまず人が来る、そして投資が呼び込まれる。人も投資も増えてくると、今度は、そこで新しく色々なシナジーの効果も出てきて、新しいコラボレーションやイノベーションなどが起きてきて、またそこに対して新しい人や投資が行われていくという好循環があると思います。これだけ福井、福井と言っていただいていれば、少なくとも福井の教育力や子育て支援の手厚さなど、UIターンへの効果もあると思います。それをさらに活かしていけるようにやっていかないといけないと感じています。その他にも、交通などを見ても効果があって、バスも売り上げが2割以上増えているとか、ICOCAの効果も非常に大きいと思いますし、タクシーも売り上げが2割ぐらい増えている。レンタカーは5割増しなど。宿泊施設もコロナ前に比べたらお客の数が少ない、と統計の言い方をされる方がいますが、人手不足でもうこれ以上入れられないという状況になっている中で、単価が上がってきていて、関東のお客向けの単価は高いので、非常に利益が上がっている。そういう意味では、現状できる範囲、いわゆるオーバーツーリズムで課題になるほどのことは抑えつつ、いい感じで広がってきていると思っています。これからこれをさらに、例えば嶺南の西部には人があまり行っていないと言われており、また、バスの運転手不足の議論も言われています。商店街などでも、お客さんがあっちには行ったけどこっちには来なかった、というようなところもあります。宿泊施設不足ということもありますが、拝見していると、やはり投資を効果的に行っているところにはお客さんがきちんとついているというところもあるので、前向きに今ある課題は解決していくことが大事ではないか、みなさんに投資をしていただける環境を整備していくということも重要ではないかと思いながら、これから二年目以降につなげていきたいと考えています。
[記者]
今の発言部分、新幹線をUIターンに活かしていきたいという発言に関連して、昨年の北陸三県の知事会議の中で、人口減少の関連で、新幹線ができたということで、北陸三県一つのブロックとして人口減対策、そして研究チームみたいなものを立ち上げていきたいということをご提案されたかと思います。それについて、現状と来年度以降もそういう方向性で取り組みを進めていきたいのか、お聞きします。
[知事]
特に遠くに対しては、北陸という塊で進めていくというのが効果的だろうというところで大きくまず一致をしながら、おっしゃっていただいたようなことをしています。研究はもう始まっているかは確認していませんが、いずれにしても、海外のパリやシンガポールでの展示会などへは、お互いが実施する時に人を出すなど、もともとのスタートもそうですが、KITTE大阪のHOKURIKU+のような形でやっていこうというような話し合いをしていますので、そういったことの予算付けも、まだ見ていませんが、今回出てくるということにもなっています。また就職セミナーなど、企業フェアなどがあった時も、北陸として出していくというときも作りながらやらせていただいていますので、これは着々と。一番大きな目標は遠くの人により知っていただくという意味で、北陸を活用するというのが、一つの大きな考え方の基本に置きながらやらせていただこうと思っています。
[記者]
小浜先行開業について伺います。知事の発言の中で、「機会あるごとにとは思っていない」という発言と、一方で「必要な時にはこれを説明していく」というようなお話がありました。これは、どういう時を指しているのかを教えてください。
[知事]
例えば、北陸新幹線建設促進同盟会の総会とか大会の中でその中に盛り込めとか、そういうことをいつもいつも言っていると、物事はどんどん進まなくなっていくということです。ただ一方で、例えば、要請活動で回ると各県が一人ずつ1分ぐらいずつ話しますが、その中では、「小浜先行開業も忘れないでね」と口で言うことは、今でも小浜線は並行在来線ではないというようなことは、そういう時に申し上げますが、言い方としてはいろいろありまして、そういった、全体として大きな方向性で動くという時には私が申し上げるようなことではないし、だけれども相手にちゃんと植え付けていくために、福井県としての立場を申し上げる機会があれば、その時には「全体でもプラスがあるはずですよ」という趣旨を含めて申し上げることもあるのではないかということです。
[記者]
そうすると、知事の小浜先行開業の本気度をどのぐらいと考えればよろしいですか。
[知事]
本気度では本気ですよ。私は、行けるのではないかと思いつつですけど、だけどこれはもう皆さんの環境というか全体の環境がありますので、それが本当にできるかどうかというと、確信まで持っているかというと、そこまではありませんけれども、私は結構おすすめだとは思っています。これは皆さんにとっておすすめという意味で、意味はあるのではないかと思っていますが、そのことそのものに、アレルギーを持たれる方もいらっしゃるという声も一部聞いたりもしますので、そういう意味では全体の輪は乱さない、これを第一に、全力でやっていくときに、言ってみれば認可・着工というタイミングが来るわけですので、その時に認可・着工するのはこんなやり方もあるのではないですかという議論がどこかでできたらいいなというふうに思っていますので、諦めているということではありません。
[記者]
関連して伺いますが、例えば、必要に応じて県の立場として訴えていくということで、先ほど機運醸成の話もありましたが、例えば年間7%上がってくる工事費が早く着工することで安くなるなど、いろいろなプラスの面を訴えていらっしゃると思いますが、機運を高め、大阪、京都の方々にも理解していただくため、例えば県として、こういう効果がありますといったように、よく知事がエビデンスとおっしゃいますが、独自算出して、広く県民なり県外なりに周知していくようなお考えはありますか。
[知事]
具体的にどこまでというところは正直言って、今まだ考えてないところでもありますが、ただ、少しずつにじみ出していくというのは当然ですけれども、一方で例えば大阪の吉村知事は一斉開業みたいなこともおっしゃられているので、あまり声ばかりを上げていると、誤解が生じてはいけないので、もちろん大きな戦略は持ちながらですけれども、先ほど申し上げたような戦略を持ちながらですが、いい方法をとっていく、後でマイナスになるようなことはできるだけ避けながら、だけど効果的に進めていくということが実は一番近道だったり、可能性を高めたりする方式だなと思いながらやらせていただきます。
[記者]
小浜先行開業について伺います。先般の年頭会見でも全線開業が最優先ということは繰り返し言っているかと思いますが、そうなりますと小浜先行開業に関しては、他の府県の知事の考えもいろいろあるかと思いますが、協議するとかそういうことではないというものなのでしょうか。
[知事]
いや、この後どのように展開していくのかよくわかりませんが。ただ、多分財源議論もありますし、そういう段階で多分各県の意見を聞くという場面があるのかなとは少し思ってはいますけれども。そういう中で言えば、小浜先行開業というのは、全体として、どうしても京都や大阪のところで時間がかかる部分があるんですね。今の言い方で言えば、25年プラスアルファぐらいかかると言われているなかで、小浜のところであれば、10年に働き方改革を入れても10数年ぐらいでいけると、10年ぐらい前倒しというか、可能性としてですよ、簡単に言えば。そういうことをすると全体の工事費も安くなるでしょということは一つ、我々の思いとしてはありますので、そんなことぐらいは言えるかなとも思いますが。しかし、それもまだちゃんと計算もしていませんし、みなさんのお考えや、その場があるかなどもよく見ながら、どこで言うのかも考えながらというふうに。しかし少なくとも今こうやって報道で流していただいているので、少なくともみなさんに相当インパクトを持って受け止めていただいてはいる。なおかつそれを変に「違う違う、そんな」というよりは、「一日も早い全線開業という強い思いから出たのではないか」というようなお話ですので、そのように受け取っていただけるのであれば、大変ありがたい。そのうえでいろいろなところのこういう工夫したらというところの一つとして、これからもお話をさせていただくと、こういうことだと思っています。
[記者]
小浜先行開業に関連して、先ほど知事はそういう認可・着工のタイミングなどで、小浜先行開業を申し上げていくというような発言もされたと思いますが、この小浜先行開業の考え方として、先に敦賀・小浜間の認可を得るのではなく、新大阪までの一括の認可の後に、小浜先行開業というのもあるのではないかというような考え方が前提になっているということでよろしいでしょうか。
[知事]
認可・着工の後かどうかはともかく、それを決めるときということだと思います。いずれにしても。別に議論していただく気はありません。
[記者]
前回、年頭会見の時に小浜までは反対意見もないというところで、そこから先、京都に入ると懸念もあるというところで、こちらの考え方として、そこは切り分けて小浜を先行的に開業していくのかなと思ったりもしていたのですが、今のお話をトータルで考えますと、やはり新大阪まで認可をして、その後の話で小浜先行開業も工夫の一つとしてできたらということでよろしいでしょうか。
[知事]
初夢の話を1月9日にさせていただいて、ここまでに概ね2週間期間があって、いろいろな方ともお話し合いもさせていただいて、やはり最も私が当初から申し上げている一日も早い全線開業という観点から言うと、あまりバリエーションを広げすぎて、工事のやり方をなんとかなんとかと、細かいところまで行くといろいろなところに軋轢が出てくるし、うまくいかないなということもだんだんと思い当たってきた部分もありまして、今はもう本日ずっと申し上げている方向で気持ちも決まっていますし、どこでも申し上げているというところです。
―― 了 ――
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