知事記者会見の概要(令和7年1月9日(木))

最終更新日 2025年1月29日ページID 059660

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令和7年1月9日(木曜日)
10:30~12:10
県庁 特別会議室

知事写真250109

 

[知事]〔配付資料:令和7年の主なトピックについて

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 それでは一回目の記者会見ということですので、県が今年どのようなことに取り組んでいくのかということについて、最初にお話をさせていただこうと思います。

 

 今年のトピックスですが、まず一つは、4月に県立大学恐竜学部がいよいよ開学するということです。恐竜博物館のところに勝山キャンパスができるのは来年の4月になりますが、学部としては4月から永平寺キャンパスで出来上がるということです。入学定員30名で、先行して行った総合選抜型試験も10倍という大変な人気を得ています。特徴といたしましては、なんといっても世界三大恐竜博物館、福井県立恐竜博物館と連携を強化するということでして、相互に施設を利用する。また、この大学で得られた新たな知見を恐竜学部オープンラボという形で発表ができるようにしていくこともできるかと思いますし、フィールドを重視したいということで、県内の、もちろん勝山での恐竜発掘ということもありますが、世界でいろいろな恐竜の発掘などにも協力をしていくといったこともできると思っています。また、デジタル技術も非常に進んできていまして、CTなどを使うと、脳の構造・大きさなどもすぐにわかってくる。そうすると、その恐竜の特性も見えてくる。ティラノサウルスなどは、顎の骨の神経の穴がちゃんとしっかりしているというところから見ると、非常に神経が行き届いているから、子どもなどくわえて歩いたのではないかという説が出てくるとか。そういった意味でも、新しい技術は活かしていくということです。それから国際協力ということで、今申し上げた海外での発掘の協力もありますし、国際学会も福井で開けるようにしていく。こういうようなことが非常に、可能性が広がってくる。福井にとって大きなブランド力を発揮できる大学になるということになると思います。

 

 続きまして、県立恐竜博物館で3月から5月にかけましてポケモン化石博物館を開催するということです。これは非常に夢がありますね。ポケモンの中に化石ポケモンというのがありまして。大きく言えば、恐竜の方からポケモンを考えたのだと思いますが、そういったものの、同じようなものでどこが違うのかとか、化石ポケモンによく似た化石。こういったものがどのようなものがあるのかとか。こういったものをお子さんたちに楽しんでいただける。今年は大変恐竜博物館は好調でして、過去最高93万8千人でしたが、もう100万人を11月18日に超えていますが、120万人、今年度は目指して今進めておりまして、3月8日からですから十分またお客様にも楽しんでいただけると考えているところです。

 

 大阪関西万博ですね。4月13日から10月13日まであります。関西パビリオンが関西広域連合、それから近畿ブロックの知事会議に入っている福井県も含めて出展をさせていただきます。特に福井県は、中身から見てもお客さんが殺到するのではないかと思っています。実物大の、入口のところにはフクイラプトルが待っていたり、途中には、私も見たことはないのですが、懐中電灯みたいなデバイスを使って恐竜がいそうな壁面を照らすと、恐竜が飛び出すような、飛び出すかどうかはともかくとして、発掘体験したような、疑似体験できるようなところを経ていって、四面のダイノシアターに至るということでして、恐竜が繁栄した時代、それから絶滅して現代未来に至るまで、非常に夢とか希望とか、いろいろな勉強にもなる、そういう画面になることになっています。多くのみなさんが殺到することは間違いないと思っています。7月16日が、EXPOホール「シャインハット」という場所で福井の日ということになりまして、ディノ・ア・ライブの動く恐竜ショーだったり、「JETS」が活躍したり、伝統工芸の展示をしたり、一日、県内の市町と一緒になって盛り上げていきたいと思っています。

 

 ふくい桜マラソン2025。今年は3月30日スタートということで、期限の前に1万5千人の定員がすべて満たされたということで、今年も大きく盛り上がっていくと思っています。今年も大迫傑さんがプロデューサーになっていただいて、ゲストでもおいでいただけると伺っています。どうしても当日は、コースに当たっているところの周辺は交通規制がかかります。渋滞になりますので、みなさんにはぜひ、車をあまり使わないように、この周辺はお願いをしたいと思っています。

 

 それから今年のイベントといたしましては、第9回の「山の日」全国大会FUKUI2025が、10月11日が山の日ですので、10日、11日と開催をされるということです。私も東京に行きましたし、第1回の長野県の松本や上高地で開かれましたし、また栃木県の那須塩原で第2回大会がありましたが、消防庁の国民保護防災部長時代に両方とも行かせていただいて、ずっと以前よりもさらに盛り上がってきていると考えています。これは「山と親しみながら、この恩恵を次の世代に伝えていく」ということが大きなコンセプトでして。福井のロゴマークは、恐竜も入れて、美しい星空とか、こういった福井の街をコンパクトにまとめているということですし、大会テーマもこういうふうに決まっているということです。場所は福井・大野・勝山。また、他の市町でも関連行事なども行われるということで、式典、フェスティバル、歓迎レセプション、トレイルウォークなども行われるということです。

 

 最後に、昨年は8月1日、2日に全国知事会議を福井県で開催させていただきましたが、今年は、中でも25の道府県の知事が加盟し、これからの日本を、人口減少問題をどうするのだとか、東京一極集中をしっかりと是正していければいけないと志の高い知事25人が集まっている「日本創生のための将来世代応援知事同盟」というのがありまして、そのサミットを今年は5月22日、23日に25名の知事が福井においでいただけるということで、ハートピア春江を中心にイベントを組んでいきたいと考えています。毎年いろいろな発信をします。昨年は特に人口減少問題を大きく取り上げていただいた。将来世代応援知事同盟は平成27年に立ち上がっていますが、もともとのこのコンセプトの中に「日本創生」という言葉がある。「日本創生」という言葉を総理は使われていますが、発祥の地はここにあるということです。子育て支援、女性活躍、若者活躍、そういったものの環境づくりを応援していこうということで、志の強い25人のみなさん、非常に仲良しで、どこへ行っても楽しんでいるのですが、そういう人たちで議論をして、何か成果も作っていきたいと考えているところです。

 私からは以上です。


 

~質疑~

 

 

[記者]

 関西万博について質問です。関西パビリオンでの福井県の出展で、会場にはたくさんのお客さんが間違いなく来てくださると思います。そのうえで、万博というのは開催期間も半年ぐらいありまして、外国人の方もおそらくたくさんいらっしゃる。会場にお客さんが来ていただいたうえで、そこから福井県への誘客に結びつけるということもとても大事かなと思っていまして、このパビリオンの中で、福井県にどう誘客に結びつけていくかというところの対策、例えば、英語で福井県のことを紹介したり、英語のパンフレットを配ったり、あるいは福井県の観光地の割引券を配ったりとかいろいろあると思うのですが、誘客に結びつける具体策があればお聞かせください。

 

[知事]

 詳細はまた担当に聞いていただければと思いますが、大阪関西万博に向けては大阪観光協会とも早い段階から連携を結んでいて、ここに来られたお客さまを、今オーバーツーリズム気味な大阪・京都に泊まられるのではなくて、このレインボールートの方に送り込みたいというようなお話もいただいています。

 また、JR西日本との間でインバウンドについての連携協定を結ばせていただいて、もちろんこれを含めたツアーのようなものも作って、いかにここへ行った人たちに別のところへ泊まってもらうか。特に福井を中心とした北陸で泊まっていただくなどといったことをこれからやっていこうと今検討しています。大阪観光協会やJR西日本などとも連携しながら、もちろんここのところでは、恐竜といえば日本の中でほぼ福井しかありませんので。ここそのものが、福井においでいただく一つの大きなきっかけになると思います。チラシなどもいろいろ置くと思いますけれども、そういうところはまた聞いていただいて。これを一つのきっかけにして、やはりインバウンドのお客さまを増やしていく。福井ってあるんだなということを印象付けていただく、そういう大事な機会にしたいと思っています。

 

[記者]

 ポケモン化石博物館なのですが、こちらは福井県独自というものではなくて、全国巡回展を福井県に呼び込むというような趣旨なのでしょうか?

 

[知事]

 そうですね。いくつかのところでやっていると思います。しかしなんといっても、すぐに目の前で比較ができるというのは非常に面白いというか、楽しいというか。これを見に来る子が恐竜博物館も見て回るわけですので、それは明らかに他のところに比べても大きな効果があるということもあって、向こうからもお声がけもいただいて、一緒になってこれをやっていこうということになったところでして、これはとても当たるのではないかと大期待をしています。

 

[記者]

 まさに、他のところとは違って福井県は化石が実際たくさんありますので、そのあたりの特徴を出していくというところなのですね。

 

[知事]

 そうですね。先ほども申し上げましたが、多分ポケモンの方がすでにある化石を見ながらイメージするところは多いと思います。日本特有の恐竜も、フクイラプトルをはじめコシノサウルスなどもいますので、そういったものも登場してくるかという期待感も持っています。

 

[記者]

 発表の恐竜学部の新設についてお伺いいたします。知事の方からも今、福井県のブランド力を発揮できるものになればという話はありましたが、改めまして、恐竜研究という分野において、こういう新学部ができることで、福井県を恐竜研究において、どういう立ち位置にしていきたいかというところと、こういう新学部ができることで、県に与えるどういう影響を期待しているか教えてください。

 

[知事]

 建物も隈研吾さんがこの辺のイメージにぴったりになるようなデザインにもしていただいています。なんといってもやはり人材育成というのは非常に重要だと思っています。恐竜博物館ひとつであっても、やはりそれは恐竜好きでいろいろなところで研究を重ねてきた人が、そこにポツポツと定員分だけ。一人空きができました、どうですか?というと、ひとり集まってくる。こういう形になりますが、これは継続的に毎年30名恐竜学部の学生が巣立っていくと。もちろん、本当の恐竜の化石を見るだけの人ではなくて、当然恐竜のことを研究するためには、当時の気候がどうであったとか、食べ物がどうであったとか、その頃の地球、太陽との関係がどうだったとか、地質がどうだったとか、いろいろなところに波及しますので、そういったポツポツとした研究所の中にいる研究者と、そういう学生、いろいろな知恵を持った若い新しい人材。こういう人たちがここに入ってくることで、ここの研究の層も厚くなると思うし、またいろいろなところへ広がっていって、恐竜学そのものが全国に広がっていく。そのメッカがどこかといったら福井県立恐竜博物館であり、恐竜学部だ。ということになるわけなので、恐竜学にとっても世界の恐竜学に。学会の話もしましたが、ここのところで学会の、例えば事務局機能をできるだけ手助けするような機能も持てば、その学会も活性化するわけなので。こういった意味で、これがひとつできることで様々な形で恐竜、地域そして福井県のPRも含めて大きな効果があると認識しています。

 

[記者]

 日本創生のための知事同盟サミットが開かれるというところで、知事としても、男性育休取得促進や子育て支援というところをかなり重視されていると思いますが、福井県で開かれるというところで、特色やどういう会にしていきたいか、どういうところをアピールしていきたいか教えてください。

 

[知事]

 まずは福井県の先進的なその子育て支援の状況ということをぜひ見ていただきたいなと考えています。このハートピア春江の横にはエンゼルランドもあり、あちらは非常に早い段階から、科学技術を学ぶということもありますが、この中も含めて子どもたちが集まれる場所、もしくはそこから発信されるものを見て楽しめる場所という意味で、しっかりとあちらは広場の所も含めて、年間何十万人も人が来るわけですので、そういうような状況も見ていただく。また、お金だけで言えば、東京都の方がたくさん出していますが、これはもうマイナスを埋めるためのお金が少し出ているということになるので、制度として福井県内の非常に先進的な、第2子以降の保育料や高校授業料の所得制限なしでの無償化、県内高校から県内大学へ進学する場合には授業料の減免をやらせていただいている。こういった福井県の多重的な、しかもお金だけではなくて、お腹に子どもができて、そういったことを保健師がしっかりとフォローしていく。そのゆりかごから巣立ちまでの間、切れ目なく、こういった一人一人の立場に立った子育て支援をやっている。さらにはそれを結婚支援から広げている。このやり方のところも、ぜひ制度も含めて見ていただきたいなとも思います。

 そういった子育て支援をしっかりやるという次世代応援という部分と、次世代を応援するためには、やはり東京一極集中を早く打破していく。こういったことが大事だというところも、これは全国のみなさんがおっしゃられると思いますので、福井県は独自でいつも申し上げていますが、大学の定員を人口に合わせた形にしてしまうべきではないかというようなことであったり、法人税などの税率をそこで働く従業員の数の比率で分担して、東京以外のところの税率分を税額控除方式でやったら、その分だけ儲かっている企業ほど地方に人を置きたくなる、そういう税制ができるわけですから、税収は中立でやればいいという考えでやっているので、そういったこともここで発信もさせていただこうと思っています。

 

[記者]

 2025年というところで、県政運営の課題と展望というところの知事の考えを教えてください。

 

[知事]

 昨年は北陸新幹線が開業して、本当に想像以上にみなさんが注目してくださり、いつも申し上げますが、お客様がたくさん来た効果も非常に目に見える形だったと思います。それに加え、県外のお客さまから、県民のみなさんのおもてなしのレベルが非常に高いと聞いており、9割のみなさんは非常に良かった、5割ぐらいの人はまた来ると言っていただき、県民が非常に前向きになった。

 県民の幸せ満足度、こういったアンケート調査で、デジタル庁が5月に実施したアンケートでは、昨年12位が今年は4位になり、また6月、7月に実施したブランド総研の調査では、昨年19位が今年は5位になったということで、とても福井県民が、前向きになって、もっとやっていこうと、投資の大切さもよくわかっていただけたと思っています。ステージが変わって新しくなった街並みも、以前を知っている人が福井に来ると「こんなに街が変わったんですね」というぐらい変わったと言われますが、投資は今もどんどん続いており、南通りの再開発も含めて、ホテルは県内のいろいろなところにまだ建つという話があります。こういったまちづくりを、しっかりと前に進める。新幹線は開業がゴールではなくて、ここから投資が始まるのです。ですから、投資をいかに呼び込んでくるのか、もしくは県民のみなさんが投資を自分でして儲けようとするのか。こういったことに力を注いでいきたいと思います。

 もうひとつ、新幹線ができた中で、光と陰というかはともかく、光が必ずしも当たっていないではないかというような、奥越の地域や嶺南の西の方など、こういったところにお客さまにどうおいでいただくのか、新幹線開業効果の全県への展開や進展もしっかりと考えていく必要があると思いますし、なんといっても北陸新幹線を敦賀から先、小浜・京都ルートで延伸をしていく。そういう延伸の推進をしていかなければいけないこともあると思います。

 その上でやはり福井県は、ずっと継続して物事をやっているわけですので。もう一つは、子育てです。しっかりとさらに子育てしやすい環境をつくっていく、日本一幸福な子育て県「ふく育県」を作っていく、こういったことは当然必要になってきますし、また、子どもを中心とした教育というのを今打ち出してきています。教育大綱の中でそういったことも打ち出して、これから教育基本計画もまとまってきますが、そうした子どもを中心とした教育ということが要る。そして、若い人、女性がチャレンジしやすいような環境づくり。さらに言えば、シニアのみなさんも経験や能力を活かせる、活かしやすい。そういった環境を作る福祉や、医療や、さらには防災もさらに広げていかなければいけない。産業も、価値づくり産業ということで、賃金と物価の好循環というのもイコール、実質賃金が上がらないといけません。物価以上に賃金がいかに上がるか、これが継続できるかというのが、人々が幸せになるかどうかの鍵だと思っていますので、そうした実質賃金を引き上げるということを中心とした、賃金と物価の好循環を招いていく。そのためにはこの春闘が非常に大きな山場だと。連合福井は5%以上、さらに言えば、中小企業はすでに格差が出ている分を縮小するために6%以上とおっしゃっています。こういったことを、今、経済界のお話を伺っていると好意的にとっていると思います。そうでなければ循環が続かない。続かなければ意味がないということを非常によく考えられていると思います。今、本当についに日本が一人当たりの名目GDPで韓国に抜かれている。この現状を、どのように打破できるかといったら、まさに賃金と物価の好循環。実質賃金を常に上げていけるような、こういう環境づくりということに、農林水産業も含めて我々としても果敢に一緒にチャレンジしていきたい。このように考えています。

 

[記者]

 恐竜学部についてもう少しお話を伺いたくて、知事の話にある通り、県のブランド力の強化という話になりますと、福井県民のみなさんのシチズンプライドというか、県民としての誇りであるとか、あるいは学会の開催となれば、多くの方が福井県内に訪れるかと思います。そう思うと恐竜学部で学ぶ人以外にも、学ぶ人以外の一般の県民のみなさんにも学部の開設というのは効果があると想像します。そういった一般の県民のみなさんへの影響という所で期待する部分を教えてください。

 

[知事]

 これはおっしゃる通りでして、恐竜博物館は、これまでコロナ禍前は最高一年間93万8千人でしたけれど、既に100万人を超えてきている。さらに増えてくると思います。これはもちろん、リニューアルした効果ということはありますが、そのリニューアルするということの本質は、ここに恐竜の拠点がどんどん極まっていくことにあると思います。あそこに行けば、何があるかわからないがワクワクできそうだ。恐竜の何かがあるのだろうと。それを、もちろん化石を増やしていくなどということで、物事を拡充するという考え方もあるでしょうが、学部ができる、さらに先の方に行けば研究者が増えていく。こういうことでどんどん進化していく。進んでいくという進化もありますし、深くなっていくという深化もあって、そのメッカがここにできるということは先ほども申し上げましたが、そこから出てきたもののオープンラボを、この中に研究成果が置かれるようなものを作っていけば、この恐竜博物館は単に化石があるだけではなくて、最新の考え方、最新の学術研究の最先端がここにある。こういったことになると思いますし、将来、また恐竜博物館は大きくなっていくと思いますが、そういった時にも恐竜博物館の最新の知見が活かしていけると思いますし、またこれがあるから何か面白いことをしたくてこの近くに来るという、そういったものも期待をしています。例えば、いろいろなロボットを作るような会社が、恐竜ロボットはどこかで作っているのでしょうが、ここでいろいろと本当に教えてもらって作っていくということもあったら面白いと思います。いろいろなことの可能性を広げていけると思っています。

 

[記者]

 北陸新幹線について何点か伺います。先ほど知事もおっしゃっていただきましたが、今年はなんといっても3月に開業2年目に突入する非常に大事な1年になるかと思います。まず1点目は、知事もおっしゃっていましたが、現状の課題である、県内全域、特に嶺南や奥越への開業効果の波及につきまして、より詳細に具体的な考えがありましたらお聞かせください。

 

[知事]

 北陸新幹線の開業で、まずは福井に行ってみようというお客さまにおいでいただいていて、たくさんの人が、いろいろなところへ行っていただいております。それをどのように全域に広げていくかということも十分考えながらやらせていただいております。奥越については、正直に言って、お客様が来てないわけではなくて、やはり関西ではなく、関東のお客様がよく来るようになりましたという声は伺っております。勝山はものすごい人が来ていますので、大野はどうなっているのかという議論になりますが、大野はすでに六呂師高原に今年の夏ぐらいをめどに、若い世代のみなさん、ちょうど恐竜博物館に来るような世代のみなさんに集まっていただけるような宿泊施設もできあがってきます。これにあわせて県としても、周辺をどのように開発していくのか、さらに進めていこうというように考えていますし、何よりも奥越は中部縦貫自動車道だと思いますので、これは放っておいても人は山のように来ますので、もちろんそちらに向けても、名古屋あたりで今年も含めて早い段階から、どんどん奥越のPRもしていくということも考えていますし、それから少し心配していた、越前海岸のお客さんが少ないのではないかという感じもありましたが、カニのシーズンになってからは、非常にお客様においでいただいている。また、単価も非常に上がってきている。こういうようなことで利益も出てきていると伺っていますので、相変わらず二次交通の議論はありますが、とはいえ二次交通にもよく乗っていただけるようにもなっているというように伺っていますので、こういったこともさらに今年の反省点も生かしながらやっていければと思っています。敦賀から西も人が来ていないのではなくて、やはり濃淡があると思います。あるホテルからは本当にインバウンドが来すぎてしまっていて、忙しすぎるというところが実際に出ています。やはり投資であったり、待っているのではなくて、しっかりとお金をかけています。

 それから民宿リニューアルは100件以上既に使っていただいていますが、これも3分の2ぐらいは嶺南ですが、そのようなところはしっかりと高く単価上げたのに部屋が埋まっていく。このようなところをぜひ参考にしていただくことも大事だと思っています。その上で何より北陸新幹線を敦賀から西へということだというようにも思っていまして、こういったことにも力を入れていかなければいけないと考えているところです。

 

[記者]

 インバウンドの誘致について、開業1年目の昨年は外国人宿泊者数の目標が約40万人と定めまして、これが非常に厳しいものがありまして、1年間の実績といいますか、実際どのあたりの外国人宿泊者数だったのかということをお聞きしたいのと、開業2年目の今年もこの目標値40万人を維持するのか、少し見直すのか、あるいは誘客を増やす具体策につきましてもお聞きかせください。

 

[知事]

 福井県内においでいただいている外国人の数というのは、新幹線開業後はコロナ禍前と比べても2.1倍になっています。ただし、現実の宿泊者数はおっしゃっていただきましたが、コロナ禍前で9割程度しかまだ戻ってきていないという状況で、全国の順位でいえば46位というのが現状足元の実力であるということです。それもあって昨年の4月にインバウンド推進室を作ったり、9月補正でもいろいろな夜のコンテンツが足りないと泊まろうという気にならないと、県内においでいただいたインバウンドのお客様の4割ぐらいしか泊まらないというお話も伺っていますので、例えば福井らしい、それからもしくは日本らしい外国人が喜ぶような、夜を楽しめるようなイベントごともやってみようということで、まもなくそのようなものができあがってくるようになってきます。こういったことも努力をしていますし、また、JRとも連携協定を結ばせていただいて、先ほど申し上げましたが、例えば関西万博に来た人をどう連れてくるか、それから大阪市とも大阪の観光局ともさせていただいて、それを連れてくる。このような仕掛けは今どんどん進めています。まだ芽が出ていないと言われていますが、一つ一つを見ると、始まってきていると認識をしています。ただし、やはりまだ、これは鶏が先か卵が先かというのは、これは先にどんどん基盤を作ろうということで福井県はやっていますので、例えば免税店の生産するところ、もしくは免税店の手続きが取れる機械など、このようなものもどんどん県が各事業所に置いて歩いています。その数も増えてきていて、おいできてさえいただければいいところまで来ていますので、ここからはいかに一つ一つの宿もお客さんを増やしていただけるか、まだやはり感覚から伺っていますと、今インバウンドが来られてもこちらの民宿では対応できないという方が結構多いというよりも、ほぼそのような感じだそうですので、気にしなくても、今はアプリもたくさんありますし、さらに言うと、難しいことを喋らなくてもいいということをいかにして早くみなさんに気づいていただいて、OTAも活用できるようにするか。国際的なOTAに載せようとする一つのことをとっても、こうしていただけないという苦しみもあって、ここのところを乗り越えていくのは、これからの期間だと思って頑張ります。いずれにしても、あわら温泉の中で聞いていても増えてきていますし、非常に喜ばれているということも言っていただいていますので、可能性は非常に高いです。40万人というのを今年達成できるかというと、正直言って難しいと思いますが、おろすということではないと思います。 いずれ40万人を超えてその上に行く。それを一日も早く達成することが私の使命と思って努力をしていきたいと思っています。

 

[記者]

 次は敦賀以西の話です。与党の整備委員会が昨年末に目標としていた小浜・京都ルートの詳細ルートを一本化するということの結論を見送ったということがありました。今年としては大阪府や、特に京都府、京都市の理解を得ていくということが1つ大きな課題になっていくと思います。そうした中で先日、日本維新の会の福井県選出の国会議員である斉木武志さんが新年挨拶で弊社や報道各社を巡りまして、ひとつ提言をしていました。整備委員会の正式メンバーに福井県、京都府、大阪府の知事と各県府の議長を正式メンバーに加えて、協議をする場を設けてはどうかという提言をしていきました。この提言につきまして知事はどのように評価するのかと、そして、もしも要請がありましたら知事は参加するお考えというのはあるのかということをお聞きかせください。

 

[知事]

 斉木先生には選挙の前からですが、維新の会の中で小浜・京都ルートについてしっかりと訴えていって、形にしていくとおっしゃっていただいているので、ぜひそれを最優先で進めていただきたいとエールを送らせていただこうと思っています。そのうえではご提言はご提言で、与党の中身について斉木先生がおっしゃられて、また面白いことを言われるなと私も拝読はしていましたが、どのような形であれお声がけしていただければ、我々は当然前進あるのみということですので、参加もさせていただきますし、うまくまとめていけるような意見も言わせていただく、そういったことも考えていこうと思っていますが、それは枠組みの話ですので、議論としては年末に与党の方で中間報告をまとめていただいて、科学技術的な観点からしっかりと理解を得ていけるような説明をつくせという意見も言っていただいています。そういったことをまず、そして財源の議論に入っていくとおっしゃっていただいているので、ぜひそういったことを急いでいただきたいと思っています。 そのよう中で、私が申し上げたいのは、ひとつには今回の中間報告の中で、情報発信のための体制強化をすると、国や鉄道・運輸機構も早くその形を見せてほしいと思いますし、また沿線自治体の協力の要請をするとおっしゃっています。私のところに来ていただいていませんので、早く来ていただいて、その要請をしていただきたいと思います。何をしてほしいとかです。書いてあることを待っている必要はなく、特に福井県の場合はすぐにでもできますので、しっかりと話し合いもさせていただいて、我々としてもこの議論ができると思っていますので、書いてあることを早く一から実行していただきたい。近々、国に行ってそういったお話もしようと思っています。それともうひとつ、これは誤解されてはいけないところはありますが、私個人の初夢として申し上げれば、小浜・京都ルートの中でも小浜先行開業はあるのではないかと思っています。今議論があるのはいろいろと年末の状況など、私はつぶさに見ていますが、京都府、市、大阪においてもこの小浜・京都ルートの必要性については、みなさんが非常に認めていらっしゃって否定しているわけではない。地域の理解をしっかりと得なければいけない。だからどのルートにするかについてよく説明してくれと言われているのですが、京都のルートについては十分に議論していけばいいと思います。ただ、小浜のところまでは誰も反対する人もいない。それからもちろん財源の議論とB/Cの議論をしていかなければいけないところもよくわかっています。初夢ですので、最後まで見通して言っているわけではないですが、B/Cは全線で見たときに、これは大きなB/Cの効果があるということはもう明らかですので、そういった一定の方向性は出てくれば最後は財源の議論が絶対に残ってきます。最後に残るのは財源です。財源の議論はやっていただいて、大阪、京都の財源をどうするかの議論ですから、我々は小浜までは10年もかからずにできてしまいますので、敦賀に基地もありますし、本数もそう多くないでしょうから、小浜先行開業を早くやっていただければ、福井県内は50年間の悲願で、県内がものすごく狭くなります。今まで嶺南のみなさんは子どもが大きくなって18歳になると京都、大阪の学校に行きます。これが県内の方が圧倒的に近くなりますので、我々は県内から県内へ行く子どもたちにはたくさん今でも支援していますが、やはり京都に行ってしまいます。これをより県内に完結できるようになります。それから我々が言っていますが、原子力立地地域ですので、避難路としても非常に効果がある。そういったことについてもぜひとも国には理解をいただきたい。小浜までの先行開業をすることの意義ということをよく考えていただきたい。何より私たちが一番困るのは、大阪、京都の議論、これは大阪がとか京都がどうとか言っていませんから、国策ですから。国がこの新幹線をつくっていきますが、国がそのように手をこまねいている間に、建設費がどんどん上がっていきます。なぜ私たちが高いお金を払わなければいけないのかということです。小浜までは誰も異論がなく、京都、大阪の人たちもリダンダンシーで重要性は認識しています。しかしルートはしっかりと考えてと言っている限り、まずは小浜から始めたら良いのではないか。私は全く壊す気はありませんので、全体の一日も早く全線開業ということを念頭に置きながら、しかし小浜先行開業はそんなにも問題なく進められないのかということを、これからいろいろなところで申し上げていきたいです。これは初夢ですので、決して私にいろいろ言われてもまだ大きな障害があると思いますが、ぜひともこういった方向性、どこに問題があるのか、こういったことも考えていきたいと、そのような年にしたいと思っています。

 

[記者]

 今の初夢について少しだけ聞かせてください。今の知事の思いとしましては、小浜までで最速で何年後ぐらいに開業できるのではないか、もう一つはサンダーバードも敦賀まで来ている、この扱いについてはどのようなお考えがありますか?

 

[知事]

 サンダーバード、しらさぎの関係については、今のところは能登半島の復興に向けて、臨時便を出すなど、いろいろな議論があると思います。これは元々のJRとの了解事項でもありますので、こういったことはよく議論をしながらと、いろいろな思いはあって、皆さんにはいろいろな思いがあるということはよく承知をしておりますので、そうした議論を良くしていったらいいというふうに思います。それは小浜先行開業といえば、距離だけの問題ですので、米原ルートのように、これから環境アセスメントをやらなくてはいけないなど全くありませんので、もうここはもうすぐにでもやっていただいて、やればもう、普通に考えても十年以内というのは一つの希望的観測ですが、ただしこれはやはり、財源と、B/Cの議論ということを全く飛び越すとか、それは何もかも何でもかんでも、いい加減にしてやればいいとは思っていないので、大事にしながらやるのですが、最短でできていくのではないかと期待をしています。それと、やはりよいのは、小浜を先に工事を終えておくと、工事を小浜より先に集中ができるようになるので、それだけ物事を投入できますから、同時に始めれば30年かかるかもしれませんが、小浜まで終わっておけば、その分を全部残土だってもう出終わっていますから、残りの残土をどこへ持っていくと、こういう議論もしやすいわけですので、これは初夢なので、結構、枕元でこう寝ながらも考えていましたけど、いいことがいっぱい出てくるなという感じがしています。ただし、冷静にきちっと議論が必要ですので、決してありえないとは思っていませんが、そう簡単にあり得るということでもないかもしれません。しかしあってもいいかなと思っています。

 

[記者]

 新年度の当初予算について、今月から知事査定もいよいよ始まっていくのかなと思います。昨年度は、約5000億円超の予算を福井新時代の幕開け予算と銘打って計上しました。このうち新幹線関連で約100億円ちょっと持ったという状況でございました。新年度の当初予算案につきまして改めまして、少子化など、いろいろな若年層の県外流出など、いろいろな課題がある中で、どんなところに重点配分していくのか知事のお考えを改めてお聞かせください。

 

[知事]

 はい、先ほども大きくは今年やっていく課題については申し上げましたので、それに沿ってやっていくということかと思いますが、新幹線開業で、終わったわけでは、もちろん新幹線整備もわずかながら残っている、残工事分はありますが、それにしても新幹線工事部分はだいぶ減っていくということになりますが、ただ、例えばプロモーションなど、これは特に中京方面もそうですが、こういったことのプロモーションということはしっかり今後ともやっていく。その効果の大きさということはよく認識を致しましたので、よく東京駅で福井を見たよっていう人が結構いますので、やっぱりその効果を、続けていくことは大事だなと。もしくは、まちづくり、観光地の磨き上げというのは、これはもう引き続きやらせていただいております。そういう意味では、再開発などもまだ進んでいるところがどんどんありますし、観光地は県内で、多くの観光地が今整備中の状況ですし、特に宿泊施設は、ここのところに重点を置かないと、結局、新幹線は来たけど外で泊まってしまうということが顕著になっています。タクシーに乗っても運転手から、宿だけ何とかした方がいいですよ、とよく言われましたが、宿も含めた投資が重要だと思っています。子育て支援も、ふく育さんやふく育タクシー、ちょっとずつ、利用量だけでいったら4倍ぐらいになっていると、ふく育さんも、元々が少なかったのですが、とはいえ、これももっと使いやすいようにする。これを十分に考えていきたいと思っています。インバウンドもしっかりと増やしていこうということも思っていますし、ふく育タクシーも広げていけるようにしていこう。若者の結婚応援ということもしたいし、チャレンジ応援、それからやはりシニアのみなさんに、私が思っているのは、ずっとこれまでも高齢者の医療、介護、これの福井の本当に、特に坂井地区の方式というのは全国でもトップクラス、どこに行っても言われますが、いろいろなところで講演されて、すごいんだなここの地域は、島根のここのところがすごいんだ、など話を聞いていて、その先生と喋っていると、「福井県の方式になかなか追いつきません」と、このように言われますので、本当に、医療と介護の融合ということは進んでいますが、これから在宅化が進んでくるので、ここのところでしっかりと形にしなければいけない、こういったこともとても重要だと思っていますが、シニアが自分の経験と能力が活用できるというか、活かせるというところもとても大事な要素だというふうに思っておりまして、お年寄りとくるとすぐに福祉とくるのですが、また違うと思うんですね。もちろん福祉、医療も重要だから徹底的にいくのですが、元気な高齢者こそ幸せ実感していて、しかもそれが楽しい時間で元気はつらつ活動していれば、健康寿命は延びていくわけです。だから元気な高齢者のみなさんが楽しくいられる場所。こういうところに市町とよくご相談をしながら、我々としてもそういう場所づくりの力を入れていきたいと思っています。あといくらでも言いますが、それは長くなるのでなんなら聞いてください。お話します。

 

[記者]

 今お話いただいた小浜の先行開業、初夢とおっしゃっていただいたと同時に、いろいろなところでもお話していくということも今おっしゃっていましたが、これは国や関係議員への中央要請など、そういうところでも俎上に上げて議論していくという考えでよろしいでしょうか。

 

[知事]

 本当のことをいうと、私の頭の中ではまさに初夢だから、こうやってずっと考えていると、いいことだらけではなくて、いろいろここに弊害があるな、ここに問題あるなというのはわかるのです。とはいえ、荒唐無稽ではないなと思ったので、ここで発言もさせていただきました。ただ、私も先ほどから申し上げていますが、一日も早く全線開業って全くその通りなので、何かぶち壊してでも自分さえ良ければいい、なんてことは言いません。でもそうでなくて、本当にみんなのためになるのではないかという意味で、そのような趣旨を持ちながら、まずは少し冷静に、さっきも事務局とも喋っていたのですが、いいところ悪いところも冷静に見ながら、発言するところではしていく。あまり我田引水的に、もしくは我田引鉄的に、先行開業を、先行開業をとは言いませんが、みなさんのためになるんですよ、という部分はぜひとも申し上げていくということはあると思います。

 

[記者]

 新幹線関係でもう一点、波及効果の県内全域に広げていくというお話の中で、投資した宿泊施設や、そういったところは伸びている話がありました。今年度の補正予算の中でも、宿泊施設の整備事業などをやられておりましたが、来年度予算においてもこういう投資促進というところで県内の波及効果を広げていくというお考えはありますでしょか。

 

[知事]

 これは続けてまいります。さっきも申し上げましたが、宿泊が非常に大きな課題だと思っていますし、やっていてつくづく思ったのは、本来は民間の投資の部分に相当手を出したというとおかしいですが、支援をしてきたと思います。民宿リニューアルもそうですし、それからお店をこう直していくということもやりました。またICOCAもそうですし、タクシーのアプリもそうですし、インバウンド向けの免税の手続きもそうですし、相当やりましたが、県民のみなさんも含めて、批判というよりは便利になったとか、私たちが便利になったと、やはり公共というのは決して行政だけではない。公、みんなの公共的な幸福度というのは、これはみんなで担っている。それを本来は経済価値の交換でできればいいのですが、福井ぐらいの都市であれば、もしくは県であればそれだけではうまくいかない、やはり足らない部分を補ってあげるということ自体は公共そのものなのだなということが非常に実感できたのが、この新幹線開業前の、私たちの取組みだったと。結果として福井県は本当に、自画自賛になっていけませんが、本当にいろいろなところで話聞いていても、よくなったと言っていただいています。それだけではなくて、人もそうで、バスなどに対しても、鉄道に対しても、待ったなしで県が丸抱え、丸抱えていませんが、鉄道事業者、バス事業者と一緒になって人集めを一生懸命やっていく。結果として、そこに路線バスは維持され、鉄道の本数も維持されてきているということも、効果が少しずつですが、出てきていると思っています。そういうような意味で言えば、私は公共的な投資、その公共的な投資は民間の投資も含めて、みなさんの県議会や、市町の理解が得られる、もしくはもっと大きく言えば県民の理解が得られる範囲であれば、そこは福井県方式としてしっかりと、アリーナもそうですが、アリーナも本当に外に行くと、もちろん地域のみなさんは色々と慎重にやってね、とこの間も言われましたが、その通りです。そうですが、しっかりと頑張っていくって大事だなと思っています。

 

[記者]

 年始の原子力関係事業者の新年挨拶が近く予定されているかと思いますが、関西電力で言えばロードマップの見直し内容、日本原電で言えば敦賀2号機の追加調査の内容というところで、今年度末としている提示期限が2つあるかと思います。

この点、知事から検討状況の確認等されるかと思いますが、それ含めて、今回知事からお伝えすることや確認する予定のことがあれば伺います。

 

[知事]

 今おっしゃっていただいた通りかなと思いますが、関西電力、日本原電、原子力機構、この後投げ込みさせていただいて、時間とか場所とかお話をさせていただくと思うが、3社とも明日お会いをすると伺っているところです。

 関西電力との間では、もちろん発電を今実際に行っているので、安全で運転をしっかりと行うということを第一に申し上げるが、合わせてロードマップ、要は、使用済燃料について必要な搬出容量、確実に外へ持ち出せるような実効性のある方策、こういったものを少しでも早く示す、そして議会とか市や町その他のみなさんとよく議論をさせていただく時間をできるだけ取ろうということで強く申し上げているところですし、何よりも、遅れている地域振興について、もっと具体化を早くするようにと、こういったようなことも申し上げていくのかなと思っています。

 そして、日本原電については、これは敦賀2号機について、さらに追加の調査を行うということなので、そういったことであれば、地元に対して十分に丁寧に説明をする必要があると思っているので、そういったこともお伝えしたいと思います。

 原子力機構については、もんじゅ、ふげんが廃炉中なので、安全にその廃炉を続けていくということだが、もう1つは、新しい試験研究炉について、推定活断層が見つかったという話で、調査が必要ということです。とは言え、いろいろな工程を上手にうまく重ね合わせたりとかという方法はあると思うので、そういったことをしながら詳細設計とかに入ろうとしていたわけなので、できるだけ結論のところが遅れることがないような工夫も十分にしていただく必要があるかなと思っているので、そういったことを申し上げたいです。

 

[記者]

 原子力行政全般として、全7基が再稼働している中での安全最優先の運転、使用済燃料の問題、敦賀2号機の問題などあると思いますが、今年1年間、原子力行政、県としてどのように進めていくお考えか伺います。

 

[知事]

 原子力行政は、いつも申し上げるように、安全最優先、安全でないものは県内で動かせないという強い決意を持ってこれからもやらせていただくので、まずは安全に稼働できるような環境にしていくことだと、それだけ、日頃の点検もそうだし、それから規制委員会が行う審査、検査、こういったことも適正に行っていくということに尽きると思っています。

 そうすることで、福井で安全に作られた原子力のエネルギーが関西地域をはじめとしたところで使われて、地域全体、日本全体が潤っていくわけなので、これは非常に重要なことだと思っています。その上で、それを続けていくために、使用済燃料をどのように県外に持ち出していくのか、この実効性のある方策を1日も早く示していただくことが大切なのだろうと思っています。原子力は、バックエンドに至るところまで、いかにして国を挙げて事業者全体で関西電力が、もしくは各事業者が自分のやるべきこと、そして全体としての役割を果たしていくこと、こういったことをどのように前に進めていけるかで、福井県内における原子力は役割を果たせるのかどうか、こういったことが決まってくると認識をしています。

 

[記者]

 関西電力のロードマップに関して、県としては、立地の町や安管協、当然ながら議会であったり、いろいろな意見を踏まえた上で、その実効性の有無を最終的に判断する方針だと承知しています。一方で、この段階でロードマップが見直して出てきたとしても、再処理工場はまだ26年度内の完成を目指している段階で、当初のロードマップの一項目の中間貯蔵施設の県外での30年頃操業開始、これ一つを取ってみても、まだ県外計画地点すら示されていない状況と、かなり不確定要素が多い状況に変わりがない。その中で、実効性の有無を判断する上で、知事としてはどういったところをより重点を置いて確認していくのか、最終的な判断をするのか、現状の考えを伺います。

 

[知事]

 これは何が出てくるかに、すべてよっていると思います。おっしゃっていただくように、今のところ、使用済燃料を県外に搬出するということの一つ一つのパーツで、本当に出来上がって動いているというものが見当たらない。結果として県内に溜まり続けているというのは、おっしゃる通りだと思います。

 ただ、一つあるのは、中間貯蔵がどうであるとか、何がどうであると、一つ一つのことはまさにその通りで、それを解決しなければいけないということの中で、トータルとして使用済燃料というのが県内で必要な量、確実に県外に搬出されていく、そういう方策が示されることが大切なのだろうと思っているということです。

 今はフランスに200トン持っていくということだけが進んでいるということですが、それ以外のところがなければ当然プールがいっぱいになっていくわけなので、しっかりそこのところを説明していただかなければ、ロードマップを了とはできないということになります。

 

[記者]

 昨年の12月下旬に政府が素案を示したGX2040ビジョンについて伺います。データセンターや半導体工場を原発の周辺に誘致して、それに対して税優遇もして、企業の進出を促していこうというような方針が示されました。これに対する知事の受け止めを伺います。

 

[知事]

 まさに、原子力基本法からGX推進戦略にかけて、地域振興ということを国の責務にした、この表れが徐々に形になってきているなと思います。

 データセンターについても、関西電力が、もちろん必要性から消費地に近いところに第1号を作るという話をされているのでしょうが、当然のことながら、原子力の立地地域に優先的にデータセンターなんかも整備を進めていく、そういったことは事業者としても必要だと思いますし、国としても半導体の工場、これも多くの電力を使っていくということが明らかなわけなので、国における工場の配置としても十分に原子力立地地域というのを優先的に考えていく必要性があって、それに対する様々な優遇措置を設けるということも正しいと思います。

 こういったことをより具体的に嶺南地域で進めていくという形を、共創会議の取りまとめの中に、毎回作り直していくので、リニューアルする中で、しっかりとそういったものも具体的に書き込んでいっていただくことも、これからお願いをしていきたいと思っています。

 

[記者]

 昨年の12月議会でも議論があったと思いますが、データセンターなどの県内原子力発電所付近への誘致の動きというのは、現状あるのか伺います。

 

[知事]

 データセンターが他のところにできたという時に、こちらから強く、どうなっているのだと、こういう話を申し上げて、答えとしては、本当に短時間でデータのやり取りをしないと損をするというデータセンターというのもあるのは、確かにその通りで、それは世界的にも消費地に近いところに作る。けれども、コンマ何秒時差があっても何の問題もないデータセンターは、一番有利な場所に作る。そういうことのご説明をいただいています。

 ただ、今このデータセンターを作るという議論にはなっていないが、方向性としては、そういったことで嶺南地域についてもしっかりとこれからデータセンターを整備していくというようなことについて話は伺っています。

 ただ、我々が今、嶺南地域においての企業誘致もやっているが、具体的に国とか、それから各事業者が、この企業、ここにこんなのというふうな形にはなっていないので、引き続き国や事業者に対しても強く求めつつ、我々としては、今度は個別案件について、今も進めているのがありますが、そういったことも進めていきたいと思います。

 

[記者]

 初夢の件なのですが、もし仮に小浜で先行開業をした場合は、関西方面や中部地方からの入口となるのは、いずれにしても敦賀になってしまうかと思うのですが、みんなのためになるというのは、全線開業が早まるとの意味でおっしゃっているでしょうか。それもなにか県内だけではなく、どういったところに効果があるという意味でおっしゃったのでしょうか。

 

[知事]

 これはまず、全線開業が早くなると思います。工事は、進捗はしやすいということを思うのと、あとは事業費も、敦賀・小浜間の事業費は安く出来上がりますので、それだけ三年遅れれば2%ずつ上がった分だけ、金利分だけでも上がっていくわけですので、工事費、人件費もです。それだけ全体事業費にもいい影響があると思っていますし、敦賀に来られたお客さまが嶺南地域に行くということも非常に便利になって、何よりもここまで待ってきた福井県の県民の利用が非常に便利になった上に、みなさんにお使いいただいている原子力の電気、ここにお住まいのみなさんが、ある意味の不安を抱えていらっしゃる、抱えているというかあってはいけないことでありますが、万が一の際の避難ルートとして十分に活用ができる。これはある意味、原子力立地の地域が原子力発電を継続するという意味においても、とても大きな効果を関西のみなさんにも与えるのではないかなとは思っています。

 

[記者]

 同じく初夢に関するところなのですが、小浜先行開業という話が今このタイミングで知事の中で出したというところの思いの根底、また目標としてそこにしていく中でアプローチする相手であったり、陳情する内容というのは変化が出てくるものなのでしょうか。具体的にそのあたり見えている 課題なども含めて教えてください。

 

[知事]

 目標というか、初夢ですので。今、県としての目標にするなどというのは、まだこれから事務局とも、もしくは県議会など、みなさんとよく相談しないと、県民のみなさんの思いは、私はいけるような気がしますが、ただ障害があるので、当然のことながらあると思いますので、無理に私は進めようとも思わないです。しかし私の思いとしては、やってみる価値はあるかなという意味において、この小浜先行開業という議論は、俎上に上げていくというような努力はしていってみるのかなと思います。ただ先ほどから言っているように、一日も早い全線開業というのは一番大事ですので、そこを乱してまでやろうなどということとは少し違ってきますが、とはいえ、そういう範囲のなかで、よりプラスになること、もしくはニュートラルであるという意味においての部分であれば進めてもいいのかなと思っていると。そういう意味でまだ、もちろんこれからです。決して、だから私が県として何かやるなどと言われてしまうといけませんので、これから県議会にも、そして市町とも相談をしていくということでしょうし、JRとも国と何もしていませんので、何かが変わるかというと、いろいろと持ち出す一つの材料としてこれを私が、使わせていただきながら、やはり原子力立地地域ということをよく理解もしていただきたいと思います。みんな結局「今ここ私」ということにお拘りのようなところも、みんなそうばっかりではないよねっていうところを、お互いに持ちながらやっていくということが大事で、そういう意味では、「今ここ私」は本当に大事なんですよ。それはみんなのために、「今ここ私」があるという意味でおいても大事なので、県も「今ここ私」ということもよく考えながら、全体のためにも活かす。そのためにも、先行開業もあるのではないかなという話を持ち出していくということで、少し変わりは出てくるかもしれません。

 

[記者]

 初夢のことでお聞きします。夢となると、具体的に頭の中で映像のようなイメージが思い浮かぶようなものになるかと思いますが、知事の頭の中で、例えば小浜が先行開業をしたときの式典のようなものがあったのか、もしくは小浜の先行開業が決まるといった瞬間のものがあったのか、どのような夢の中でイメージがあったのでしょうか。

 

[知事]

 今言われて少し思いましたが、私は小浜駅で万歳がしたいから今言っているわけでは全くないので、思ってはいませんでしたが、小浜の周辺は良くなるという気がしますね。嶺南を見ていると、敦賀とかもちろん三方五湖の周辺も相当新幹線に向けて投資をしてきていると思います。そこから先のところがまだやっぱり、宿は直ってきているところもあるので少しずつ変わってきていると思いますけども、新幹線が来るぞということについての意識が、まだ嶺南全体として見ると、投資の量というところから言うと、敦賀市、もしくは若狭町、美浜町ぐらいまでと、そこから西のところでですね。これは投資効果のことがあるので、当然そういうことだと思います。ですが、小浜駅ができてくると、もう20何年後ではないぞと、もしなってくれば相当意識も変わってくるので、相当また福井まで来たのを参考にしながら、大きく我々も投資がしやすくなる。一緒に投資しましょうよという話がしやすくなってくるというところがあるので、効果は非常に県内には大きいと思っております。

 

[記者]

 特にこういう映像が頭に思い浮かんだなど、そういうことではないというような形になるのでしょうか。

 

[知事]

 小浜駅の周辺のところは賑わってくるだろうなという、具体的な映像までは浮かびませんが、越前たけふ駅もそうですし、芦原温泉駅もそうですが、福井駅は典型ですが、敦賀駅はもちろん、ああいう賑わいというのを再びという意識はあります。ただ、現実のこと言えばやはり大きく変わるのは大阪に繋がったときだとは思います。やはり向こうから人が来るというのが大きいので。小浜・京都ルートはまさに先行して工事をするなど、やっていく1つの方式かという程度ではあります。

 

[記者]

 先ほど質問の回答のところで、インバウンドのところで、9月補正予算に夜のイベントを作るというときは、まずどういうものにするか具体化というのは決まっていなかったと思いますが、先ほど日本らしいイベントというような形のことをおっしゃっていました。今、現時点どれぐらいの、どのようなものを想定したものが固まっているような形になるのでしょうか。

 

[知事]

 1つには、金沢とか京都で受けている、日本風の衣装を着た人が芸者遊びのようなことが体験できるとかというようなことも、予算の話を聞いた時にはあったように思いましたが、現状どうなっているかは、すみません、細かいところまで存じ上げませんので、担当課に聞いていただけると、と思います。

 

[記者]

 県内ではこれまでも何日か雪が降っていて、ある程度まとまった雪が降るのではないかという予想もされています。その中で、福井県に強い警戒が、十分な警戒が必要な大雪が迫っているという状況ではない予想ではあると思いますが、ある程度降雪が予想される中で、県として何かこう呼びかけ、県民に向けて何かこう呼びかけはありますでしょうか。

 

[知事]

 まず状況から申し上げますと、国、それからNEXCO、それから県、市町とも、気象庁にも入っていただいて、連絡会議などをしっかりと開きながら情報共有をして、それで当然のことながら、予防的通行止めということもありますので、それについては互いに確認をし合いながら、基準になったから、すぐにこれはというようにならないように。単純に言うと、ここの道路であれば3時間で16cm積もったら通行止め、と一応決めてあります。それが、直前予報でもそれがなりそうだというと予防通行止めにできることになっていますが、まだ実は降っていません、そういうようなときは、やはりこういう議論になるわけでして、そういう議論をしっかりとそこの中でやりながら、まず通行止めにするのか、しないのか、こういったこと、もしくは、それであれば事前にもうタイムラインを決めていますので、何時間前には遠距離のところからこっちは入ってはいけませんとやるなど、そういう広報も順次やらせていただいています。そういったことは私もXでも発信させていただいていますし、県のLINEでも発信させていただいています。ぜひメディアのみなさんにも我々が必要なときに広報させていただきますので、そういったことでテレビ、ラジオ、新聞を使って発表も出していただきたいと思っております。私どもも常に気を張って、私も含めてですが、常に情報取ってやっていますので。今のところは、今日の夜半、明日の未明、この頃が一番強く降りそうで、警報になるかもという感じかと思っておりますので、大災害になるというかどうかは、これからのJPCZがどう来るか、梅雨の時もそうですが、気圧配置の南北の移動というのは非常に微妙なところがあるので、東西の移動というのは偏西風の基本があるので、そうはずれないのですが、南北の移動はあの大きくずれるので、気を張って我々やらせていただいておりますので、ぜひ県のLINEであったり、ホームページであったり、Xもありますので、高速事務所のみなさんにも確認をしていただきたい。私も時々させていただきます。

 

[記者]

 他県では、青森で大雪ということで関連した死者ということも出ているかと思います。そういった中で、県民の安全を守るために、県民にこういうことを意識してほしいなど、情報を掴んでほしいというお話はあったと思いますが、少し重なるかもしれませんが、あればお願いします。

 

[知事]

 ぜひともみなさんにお願いしたいのは、食料の確認はしておいていただいたらいいと思います。 今すぐそう食べられなくなって困ってしまうということもないと思いますが、まず基本的なそういった食料の確認と、それから燃料。燃料は結構早く切れてしまうということがありますので、ここのところをしっかりしておいていただく。あとはやはり咄嗟の行動は非常に重要だと思っておりまして、急に大雪が降って、車が大渋滞で動かなくなるというところまでいかなくても、1台だけが雪に埋もれて動けないや、と思ったとき、例えば車の中にいるときは絶対にマフラーのところ、排気ガスのところはしっかりと確認しておかないと、県内でも何年か前の大雪のときには1台だけポツンとこう取り残されて、そのままこう亡くなっていたっていうときがありまして、一酸化炭素中毒になるので、そういうような時も、とにかく車の中に留まるのであれば、マフラーのところの雪かきだけはしっかりとしておいていただいて、換気ができるようにしておいていただくことは絶対大事だと思います。これはもう少し落ち着いてから、もしくは降っている最中もあるかもしれないので、やっていただかなくてはいけませんけれども、雪下ろし。これはもうぜひお気を付けいただく。おっしゃっていただいた関連死の多くは、高齢者の方が、屋根の上に上がって、1つは身体の不調。血管が切れるなど、そういうことで亡くなられる方もあるし、落ちたときに、埋まってしまって、息ができなくて亡くなってしまうなど、よくある話ですので、そこは命綱を付けることを含めて、雪かき、雪下ろしをされるということであれば、特に今年おそらく1回目の雪下ろしになると思うので、十分に気をつけていただく。基本的な動作をもう一度今のうちに思い返しておいていただくことがとても大事かと思っております。

 

[記者]

 新幹線に関連して、二次交通に乗ってもらえるようになってきているということで、ご発言がありましたが、二次交通といっても種類があると思います。バスやタクシー、ライドシェア、いろいろ手を入れてやってこられたと思いますが、それぞれの現状に対する認識と、今後、どのあたりを特に力入れてやっていかないといけないかと考えておられるか、教えていただけますでしょうか。

 

[知事]

 県外からのお客さまの移動や、お客さまの数というような意味で言えばいずれも相当うまくいっていると認識をしています。バスもICOCAを導入したら本当に運賃収入が3割増えていますからね。うまくいっていないのは運転士不足の方でございまして、そちらは一生懸命県も入ってやらせていただいている効果も上がってきて、一応減便後の状況ですが、定員は概ね満たしてきているし、この後も県職員2人、福井市役所職員1人の兼業も4月から動き始めるなど、引き続きこれからも力を入れて、運転士不足はやっていきますので、なんとか鉄道もそうですが、維持ができる状況になってきていると。その上でタクシーも売り上げは2割増だとか。運転手さんは、アプリは素晴らしいっていつもみなさん言いますよ。これはとても便利だと。お客さんも待つ必要ないし、ということを言っていただきますし、レンタカーはもうどんどん、稼働は5割以上増えているのではないでしょうか。観光バスももちろん思惑通り行っているかというと、はぴバスは思ったほどはいってないかもしれませんが。ただ、それは需要に合わせてということであって、1台1台の予約注文の観光バスは非常に儲かっていると伺っています。定期観光バスもいいルートを見直しながら、やはり高齢者の方の移動手段は確保しないといけないので、そういうような、定期観光バスのようなものも含めて、課題としてありますが、観光バスもいっていると思いますね。鉄道も、ハピラインもそうですし、福井鉄道、えちぜん鉄道。福井鉄道はもちろん減便した上で売り上げはそう悪くないので、結構いけているのだと思います。減便はいけませんが、できるだけ戻さないといけませんが。えちぜん鉄道も、非日常利用を中心ですが、とはいえそれ以外も含めて人の数は増えていると思います。二次交通は事前の対策は非常にみなさんにおっしゃっていただいて、努力した効果もあるのだと思いますが、一定程度の水準に来ているという気はいたしております。

 

[記者]

 観光客の方に泊まっていただくのが難しいというところが課題になっているという部分で、宿泊施宿泊施設に重点を置いてきたし、これからも置いていかれるということで、民宿の改装、リニューアルなどをされてきたと思いますが、一方で、繁忙期だけの問題なのかも分からないですが、福井駅前中心に宿泊施設の不足という問題も聞きます。結局のところ、泊まってもらえないというところで言うと、宿泊施設の質の問題になっているのか、数の問題になっているのか、あるいはいずれもなのか、どのようにその辺見ていますでしょうか。

 

[知事]

 詳細は詳しい方にも聞いていただいたらよろしいと思いますが、これはもう場所によると思います。福井駅前はもう数が足りていないのだと思います。いわゆるビジネスホテルを含めて、もっと数が増えないと。土日は本当にいっぱいで宿が取れないという、それが1つのインバウンドのネックになっていくとも伺っています。いつもそうですが、投資はすぐに始まらないので、新幹線を見て、例えば繊協ビルのところにドーミーインがまたできるとか、もうこれも工事が進んでいて、来年になれば開業していると思いますが、結構なスピードで、南通りの再開発のところにも新しいホテルができたり、それ以外のオーベルジュのようなものもできたり、いろいろなところの計画は聞いていますので、宿泊施設はこれから増えてくると思いますが、さらになんとか増やしていくということは必要だろうということで、民宿リニューアルもやっていくということかと思います。本当にご新規さんが必要なのは、新幹線駅周辺のようなところ、もしくは主な観光地、恐竜博物館のその周辺みたいなところはもっとあっても、要はお客さんが博物館だけ来て、いなくなってしまうというのはもったいないという話がありますので、星野リゾートも作っていただいていますが、ここのところは、早くても計画始めてから3、4年かかりますので、常に企業誘致の形でやらせていただいていますが、引き続き宿泊の方は力を入れていきたいと思っております。

 

[記者]

 先ほどと少し重なって来る部分があって恐縮ですが、9月補正予算の時にいわゆる波及効果で光と陰の部分が出てきているということで、補正をつけて支援をしていくというようなことだったかと思います。各地域での政策はあると思いますが、今それは実際に進んでいるのか、またそれによって効果が出てきているということを感じているのかという点を教えていただけないでしょうか。

 

[知事]

 これは三々五々ということです。急いでやっています。例えば日本遺産プレミアム「御食国若狭と鯖街道」も既にPRを始めていて、少しずつですがお客さまがそれに乗ってきているということもありますし、また運転士不足についても、例えば新しいことで言うと、就職サイトのマイナビで掲載をさせていただいたところ、これは令和8年4月の採用になりますが、2300回ぐらい既にアクセスがあり、さらに86件エントリーもあったとも聞いています。全部予算のことは聞いていただいたらよいですが、ちゃんと着実に進めてきていて、それなりに効果が上がってきているということかとは思っています。しかしすぐにといっても、やはり採用は聞いていると大卒は6月、高卒は10月という時期があるので、9月補正予算で行っても再来年の就職にしかなかなか影響がないなど、そういうタイミングのズレというのは少しあると思っています。

 

[記者]

 運転士の確保の部分があったかと思いますが、昨年、減便など発生した関係もあって、県の方でも協議会をされたり、対策会議をされたりということがあったかと思いますが、今マイナビの就職サイトでの掲載の取組みを含め、現状どれぐらい採用につながっているのかと、以前、町長との政策ディスカッションの中で来年度予算で賃上げにつながるような何か予算をつけるという方針を示されていたように記憶していますが、来年度どのように取り込まれるのか教えてください。

 

[知事]

 最後のところは今まさに議論をしているところでして、一番の問題は、給与水準がまずは他産業よりも低い、さらに同じバス業界の中で地域格差が大きい。ここのところを何とかしないといけないので、お給料を上げましょうと一生懸命、企業を口説いているというところです。我々は一緒に行くよと頑張っていますが。どこまで形になるかというのはまだわからないというところになります。 

 鉄道で言いますと、令和5年10月に最初に運転士不足が福井鉄道で起きましたが、すぐに対策を打って、就職説明会をやったり、人材確保緊急対策会議をやったり、求人のチラシを作ったりして運転士4人を採用したということで、それまでどんどんいなくなっていたのがいったん止まったということです。また、令和6年度の当初予算で3社に対して色々と行いましたが、今年度に入って12月時点で中途採用は8名と聞いています。そして鉄道協会が昨年の8月に合同就職説明会を県が支援しながら行いましたが、その中から2名が内定をしていると伺っています。効果として言えば、鉄道の関係で言いますと、基本的にはもう運転士の定員にはだいたい達しているというような状況で、なんとか維持できる体制になってきていると、さらにこれを増やすことで復便に結びつけられないかという努力をしているというところに来ています。

 バスについて言えば、以前から例えばバスの運転体験車両をこちらで購入したり、就職説明会の開催をしたり、採用活動を支援してくれる企業を雇えるお金を用意したりしました。今年度になって、新規採用者向けに就職奨励金を支給したり、大型2種免許の取得支援も始めさせていただきました。さらに今度は9月補正予算で大型2種免許を取れるようなものについての要件を拡大しまして、まだ仕事をしている最中の人や、もう辞めてしまった人、兼業でやりたいという人も含めて、大型2種が取れるような制度に拡充をした結果、5名が採用されたということで、トータルとしても、昨年の4月から12月までの9か月で、昨年1年分の23名と同数の23名を確保したと聞いています。この後、県職員2名、福井市職員1名が、兼業ですが4月から朝夕の忙しい時に運転開始ができる見込みということで、バスが減便になってしまいましたが、まずは減便をこれ以上増やす必要がない環境にまで持ってきて、これを少しでも戻せるようにという議論を今始めているということです。やはり本質的にはいろいろと聞いていると運転士は路線バスではなかなか儲からない、しかも忙しい。こういう中でそれを頑張っていると長距離バスに移り、観光バスをやっていける。そういう中で自分の年収を確保していく。こういうビジネスモデルになっているらしく、路線バスにだけお金を入れていても、路線バスの人だけの人は逆に残れないと、やはり観光バスなど儲かる路線の方にも人を動かしていかなくてはいけないらしいので、そういったトータルの経営のこともよく相談乗りながら、運転士の確保をやっていくことで、なんとか今の危機的な状況を早く脱してプラスの方に持っていけるように努力をしたいと考えているところです。

 

[記者]

 先ほどの小浜先行開業論について一点確認です。先ほど知事は、小浜先行開業をすることで全線開業が早くなるというような趣旨のことを言いましたが、これはどういう理屈でそう言えるのですか。

 

[知事]

 これは一般論としてですが、工事に携わる人が集中投下できるということであるとか、もしくは残土の処理の時に、福井も例えば協力していくという方向性を示していますが、一定程度終わった所へまた出てくる分には受け入れやすい環境になってくるだろうと。一斉に土が出てくると、そのやり場は非常に困りますので。効果はあるように感じていますが、それは詳細にやらないといけないので、初夢だということです。

 

[記者]

 同じような質問ですが、先行開業につきまして、小浜までルートを伸ばすと、これはもう小浜・京都ルートが確定するようなものになると、今のルート変更を求めている側からしたら、石川県などの米原ルートを検討している方たちからすると、反対が当然予想されると思います。この反対を主張している方々に、どのように理解を求めていくかというところで、例えばサンダーバードとつるぎを活用した便を増やすなど、どのように理解を求めていくのでしょうか。

 

[知事]

 全部の絵は私は見えているわけでは全くありませんが、私は政府や与党とお話ししている限り、小浜・京都ルートしかないというお話ですので、政府としては一切それ以外を考えていないということです。早く出来上がる方がみなさんにもよく理解していただきやすいと思います。本当にこれから具体的にいろいろな議論をしていく中で、いろいろなことがあると思いますので、先ほどから申し上げているように、一日も早い大阪までの小浜・京都ルートでの全線開業というのはすべての狙いですので、それを遅らせるような意味では進める気もありませんので、もしも何か弊害になるようなことが、大きな課題があるのであれば、そういった方々とはまた国なり鉄道・運輸機構なりが考えながら、一緒になって検討していくこともあると思いますが、今はそういったことを具体的に考えているわけではございません。

 

[記者]

 関連の質問で、小浜先行開業のメリットの部分はわかりますが、知事が言った障害もあるという障害は、例えばひとつふたつ具体的に上げていただくと、どのようなお考えでしょうか?

 

[知事]

 すみません、障害もあるのかなというだけで、私はあまり初夢を汚したくないというか、必要もないので、障害がないわけでもないのではないかという程度です。

 

[記者]

 初夢について、マスコミの前でこうやって公言されたということは、それなりに戦略があっての発言とは認識していますが、この考えに至った、表に出した背景として、今年なかなか小浜・京都ルートの詳細ルートが決まっていかない、京都と大阪の理解がなかなか得づらい、なかなか進みづらいという中で、一方で先ほど記者も言ったように、米原ルートの声がどんどん大きくなっていくのではないかという懸念がある状況かなと。その中で小浜・京都ルートにもう一度議論を持っていくという意味で、この初夢というのを今回マスコミに公言されたのかなと思いましたが、初夢をマスコミの前で言う考えに至ったことについてその背景を教えてください。

 

[知事]

 いいことを教えていただいたので、これからその話をしていこうかなという感じがしていますが、一つの提案にはなるかなということじゃないでしょうか。まさに初夢なのであまり詰めてすぐに撤回するかもしれませんので、初夢ですから。ですが、今の議論はどちらかというと非常に行き詰まっている風な部分がみなさんの中にもあると思います。なおかつ県内はそういった思いが強い。県内はできるのになぜ、やはり当然のことながら敦賀と小浜のところで電車を持って行ったりしなくてはいけない、距離があるんだとかなんとかとすぐに言われそうな気がしますが、それは一日何本も運転してくれるならこちらが嬉しいぐらいの感じにもなりますが。今こういういろいろな議論がある中で福井県の立場、原子力をしっかりと担って国のために我々は本当に志を持ってしっかりとそれを請け負わせてやらせていただいているということもご理解もいただかないといけないよなというのは、私としては常に思っています。北陸新幹線建設促進同盟会の会長でもありますので、今私は申し上げたような決して会長としての意見ではなくて、知事ですらない個人の意見というぐらいのレベルですが、とはいえ、やはりまずは全線開業一日も早く。これを邪魔する気はございません。しかしその中で、これで本当にできないのかどうかの議論は我々としてもしていく必要があるのかなと思っています。

 

 

                                            ―― 了 ――

 

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