知事記者会見の概要(令和6年8月9日(金))

最終更新日 2024年8月28日ページID 058315

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令和6年8月9日(金曜日)
10:30~11:50
県庁 特別会議室

知事写真240809

 

[知事]〔配付資料:ふくい桜マラソンについて

 私からは一点、ふくい桜マラソンについて現状等のご報告をさせていただきます。来年のふくい桜マラソンは、3月30日の開催ということで、エントリーの福井県民優先枠を昨日8月8日から募集を開始しました。昨日一日で、3000人の福井県優先枠に対して838人ということで、昨年804人でしたから、横ばいか少し増えているということで、二年目も順調な滑り出しをしているということです。また、来年3月の時には、北陸連携枠ということで、石川県や富山県のみなさんは、フルマラソンを何度も走られていますので、こういったところに優先枠を設けて、優遇をさせていただこうという工夫もしているところでして、トータルで5キロや1.5キロも合わせて、8月20日正午から募集を開始しますが、1万5千人のみなさんに走っていただこうということで募集を致すところです。今年も大迫選手に、大会のプロデューサーになっていただくということです。

 経済波及効果についてですが、大会の事業費4.7億円でしたが、経済波及効果につきましては、ランナー、同行者、ボランティア、沿道の応援、事業費といったものを、二次波及効果も合わせて15億円余りということで試算ができたところでして、もともとの事業費4.7億円に対しては3.2倍ということで、先行的な事例とも大体合っているかと考えているところです。

 大会の満足度につきましては、資料にいろいろ書かせていただいていますが、沿道の応援やスタッフ、ボランティアの対応は非常に高い評価をいただいていまして、9割を超えているというようなことですし、また記念品やコースやエイド、水やお菓子をもらえたりするところは、この評価も7、8割ということで大変高い評価をいただいていると考えています。ランネットの評価も88.6点ということで、中部地方の20大会では一番ということです。ご本人の満足度を見ていき、目標の達成度というのは85.1%。自分が目標としていたところをクリアできているということであったり、次の参加希望も、91.6%と非常に高くなっていると思います。コースが非常に平坦で走りやすいということもあるかと思います。トータルの自身としてのこの総合的な評価百点満点にすると、60点以上が及第点として、97.5%、70点以上という高い水準にしても、95%近くの方から評価をいただいているので、非常に満足いただけていると考えています。その上で改善すべき点をいくつかご指摘いただいていますので、例えば、前日の受付というのを、今年の3月31日の場合には宿泊していただこうということもありましたので、ビブスを取り来てくださいということにしましたが、逆に近くの石川・富山の方、当日でも十分新幹線のつるぎの増発もさせていただきましたので、つるぎで来られる方も泊まられ、逆に遠い方が泊まれなかったということもありましたので、こうした点も、改善をしていく、また、例えば、越前海岸からも宿泊付きのツアーのようなプランも考えさせていただくなど、こういったところを改善させていただいて、より便利に多くの方に参加いただけるような環境も作っていきたいと思っています。私からは以上です。

 

~質疑~

 

[記者]

 先ほど経済波及効果についての発表があり、先行事例と同等というようなお話かと思いますが、これは他の地域のフルマラソン大会で、大体投資の3倍ぐらいの波及効果が得られているという理解でよろしいですか。

 

[知事]

 そうですね。私どもが見ているところでは、だいたい3、4倍のところにみなさん重なってるかと思っています。

 

[記者]

 福井県としてもこれぐらいを見込んでいて、実際それぐらいの数字が出たという理解でよろしいですか。

 

[知事]

 見込みというか、他と遅れているということはないということだと思っています。

 

[記者]

 資料を見ると、来年度の改善点で、前日受付を廃止するというところで、より観光への時間などを作ってもらおうという意図だとご説明をいただいたと思いますが、これが意図通りいけば、さらに経済波及効果も増大が見込まれるというようなところでしょうか。

 

[知事]

 おっしゃるとおり、先ほど申し上げましたが、トータルとしての宿泊のキャパが、福井市内の駅の中心だけでは足りないという現実がある中で、石川・富山のみなさんも、お泊りに来られたということで、より遠くの方が泊まりにくくなって、石川・富山で逆に宿泊されました。その方々の方が、いろいろとお土産などたくさん買っていただけるという可能性が高いので、大きく考えればおっしゃったように経済波及効果も大きくなるかなと考えています。

 

[記者]

 大会の満足度についても発表がありましたが、概ねかなり高評価を得られているということだと思います。改めてこのような高評価を得られた要因についてはどのように見ていらっしゃるか最後にお聞かせください。

 

[知事]

 私も当日、応援にも出させていただきましたし、とにかく走る方だけではなくて、それを支えるエイドの側に回られる方もそうですし、また応援する側、みんな喜んでニコニコしてされていたという思いを感じています。走る方も、私たちも応援していてもとても楽しくなりましたので、その気持ちも伝わっていますし、また事前に、県民のみなさんが本当にしっかりと準備をしていただいて、いろいろなところで出し物もしていただいたり、特に35キロ過ぎがきついという話を伺っていてお願いをしていたところ、本当にずっと切れ目がありませんでした。こんなに最後まで切れ目のないマラソン大会を知らないというくらいと、ランナーの方もおっしゃっていただいていました。そういったところが、トータルで伝わったと考えています。

 

[記者]

 運営をする側というお話があったのですが、ボランティアももう募集を開始してると思うのですが、もし今ボランティアの申し込み状況も分かればお聞かせください。 

 

[ふくい桜マラソン課長]

 まだ募集開始したばかりで把握できておりません。

 

[記者]

 改善点をお話しいただいたと思うのですが、今回気になったのが、参加された方に聞くと出てきたかどうかわからないのですが、日付が年度替わりで秋に応募しなければならないということで、転勤族にとっては非常に応募しづらい設定になっているので見送った方が結構いて、その点については反省事項に入っていましたか。

 

[ふくい桜マラソン課長]

 これが反省事項に入っていたかですが、もちろんいろいろな方がいらっしゃいますので、年度末が困るという方もいらっしゃると思いますが、特にそれに対して日付や開催する時期を変えるというようなことは特に事務局としては把握していませんので検討事項としては上がっていません。

 

[知事]

 いずれにしても桜を楽しんでいただくという主旨があるので、大きく1か月もずらすということはできないかなと思います。

 

[記者]

 そこが引っかかった方は参加をしていないので、参加された方に聞いても上がってこないかもしれませんが、私も実際それで応募をやめたので、もし改善できればと思います。

 

[知事]

 一つの声としても承らせていただきますし、他のところでも多くそのような声が聞かれれば、先ほども申し上げたように桜マラソンですので、ここは一つの売りというか、また年間の全国のいろいろな計画見ながら空いてるところを探しながらしているというところで、またそのようなお話があれば、十分に承りながら考えてもいきたいと思っています。

 

[記者]

 前回の桜マラソンは初開催ということと、新幹線開業と重なったということで、県民と県外からの注目とも高かったというところもあると思いますが、次が2回目ということで、何か2回目ならではの県民であるとか、県外の方たちの関心を飽きさせないような新しい取り組みなども、発表があったら申し訳ないのですが、今後何かどういう仕掛けをしていきたいかという考えなどがありましたらお聞かせください。

 

[知事]

 一つは当然、沿道のみなさんの応援を、今のいろいろな団体にさらに声をかけて、非常に効果や評価の高かった応援の声、工夫をしっかりとみなさんにもまた訴えていきたいと思っていますし、また北陸連携枠も作らせていただいて、富山・石川でフルマラソンをされている愛好者の方も多いと思いますので、今までも何回も大会が開かれていますので、そのような方々に参加しやすいような環境を作るとか、今申し上げた前日に取りに来なくてもいいように、日程を合わせやすくなると思いますので、前日から来る必要がありませんので、そのようなことも工夫をさせていただいているところです。当日に向けてさらに盛り上げ方の工夫もいろいろと考えていきたいと思っています。

 

[記者]

 経済波及効果の分析として、どのような地域に対して波及があったのかというところで、多くのランナーのみなさんなどはおそらく福井駅周辺に泊まられて、この波及効果の多くは福井駅の周辺に集中していたと思うのですが、そのあたりのどういった地域に波及したのか、あるいは、地域全体に広げるための課題についてお聞かせください。

 

[知事]

 おっしゃるように、福井駅周辺、またあわら温泉といったところへの効果というのがありますが、やはり、交通の便の関係で越前海岸や奥越の方などになかなか足が伸びていないというようなことも傾向としては出ていますので、そういったことを踏まえまして、もしくはこの辺に1000人分ぐらい宿泊が足りなかったとも言われていますので、その両面から往復の、この利便性とを確保したツアーのようなものを作ることで、みなさんにより参加しやすく、また経済波及効果を広げていきます。こういったことも工夫をしていこうと考えています。

 

[記者]

 8月7日に東京でありました、北陸新幹線の与党プロジェクトチームの整備委員会の件についてお伺いします。小浜・京都ルートの中で3つ、詳細な案が出ました。というところで、当日、知事も新たな局面に入ったとコメントの発表がありましたが、一方で工期だったり、事業費だったりというところが、2016年に出た案から両方かなり増大しているというところで、懸念の声もあると思うのですが、そこについての知事の受け止めについて教えてください。

 

[知事]

 事業費そして工期、いずれも物価高騰や働き方改革、こういうようなことで、ある程度想定できたというところはありますが、やはり、実際に数字が出てくると大きいと理解をしています。しかしいつも申し上げておりますが、小浜・京都ルートというのは他に代え難い価値のあるものですし、ちょうど昨日8日、南海トラフ地震の可能性が少し上がってきているというようなお話もありますし、7月22日に、実際に東海道新幹線が一日止まって25万人の影響が出たと、その時に北陸新幹線を選んでいただく方は大変増えたと、こういう状況を踏まえても、やはり課題はありますが、ぜひ与党の整備委員会でしっかりと議論をしていただいて、予定通り年末までに、ルートを決めていただいて、そして着工予算を取って、来年度末までに認可着工していただく。これをぜひお願いしたいと考えています。 

 

[記者]

 8月7日にPTが終わった後の記者へのブリーフィングの中で、自民党の西田委員長が、当然3つのルートから1つ詳細を選んだ後の話だと思うのですが、工期短縮を検討するというような発言もありました。早期全線開業を訴えている立場としては、どの案になるにせよ、工期の短縮というところも一つポイントになるかなと思うのですが、そのあたりについて、県として積極的に求めていくような、現在おつもりなどはありますか?

 

[知事]

 8月8日に国土交通省と鉄道運輸機構と福井、京都、大阪の三府県が、事業推進調査の連絡会議を開かせていただいていますが、そこは中村副知事が出まして、まず工期についての短縮もお願いをしましたし、また財源の確保の議論も急ぐこと。そして地方負担をできるだけ下げてほしいということと、機運の醸成、国民の理解の促進を図るべきだといったことも申し上げさせていただいています。工期の短縮を、今回はこういう言い方が当たってるかどうかはありますが、ある意味、現実的な、実現可能性の高いルートであったり、工期であったり工費が出されてきているのかなと。これが今までの環境アセスだけではなくて、事業推進調査ということを重ねて、駅の場所などのボーリングなどもしっかりと詳細にやられた結果が出ているので、安全サイドに立った工期というのが取られているのかなと。ここからは工夫というところもあるのかなと私たちも考えているところです。

 

[記者]

 今、工期の話をさせていただいているのですが、3つの案で言うと、一番短いものでも、25年ぐらいかかります、という案になっています。もともと与党が出していた工期で言うと15年ということなので、当然、短縮の、いわゆる工夫みたいなもので、今後どうなるかわかりませんが、全線開通までの期間が改めて延びると、当初の予定より延びるというような状況になる中で、嶺南地域や、その市町についての話でもあるとは思うのですが、まちづくりや、その間の振興策について、今回の発表をもって何か変更するようなお考えなど、追加で注力するような話があればお聞かせください。

 

[知事]

 数字も出たばかりということとともに、どのルートかということのお話も、もちろん福井県内ルートは一本ということのようですが、まだお話が来たばかりですので、しかも大きく延びたなとも感じていますので、まずはこの工期短縮についてもぜひご議論いただきたい。ということと併せて、我々としても、もし追加というか、いずれにしても、今伺っているところでは、小浜駅というのは東小浜と小浜インターの間あたりの、言ってみれば、開発余地の広いところを選んでいただいているように伺っていますので、そういったところのまちづくりを、杉本新市長と共に、県も一緒になって、考えていくということと思っています。

 

[記者]

 B/Cについて伺いたいのですが、今回3案出て、B/Cは示されなかったということなのですが、1案に絞って出てくるのかなという話になっていますが、やはりこれだけ事業費が膨らんで、さらに将来の物価上昇を見込んだ場合の5兆円というデータもありますし、B/Cについて、どういった社会的割引率の話や、これからいろいろ議論されると思うのですが、知事としてはどのように数字が出てくる際にどういったところを注目されてらっしゃるのでしょうか?

 

[知事]

 B/Cのお話も含めて、着工5条件については、整備委員会中心として、政府、そして与党において、しっかりとご議論をいただいて、お決めをいただきたいと認識をしています。私が、報道等含めて把握しているところでは、西田委員長はまずルートを決めて、それから着工5条件の議論に入っていくと、B/Cはその中で考えると、こういうようなご趣旨でおっしゃられているのかなと。それはそれで、一つの委員会の、委員長の考えなんだろうと思います。いずれにしても、これはしっかりとご議論をいただいたらよろしいと思います。私も日頃から申し上げていますが、今回は少なくとも鉄道のB/Cを考える上でも、敦賀から先、小浜、京都、大阪の間だけで物事を考えるというのは、本当に語れるのかというところは、非常に疑問に思っています。まさに7月22日、25万人の人が一日行き来ができなくて、北陸新幹線でダッと流れたということもありますし、南海トラフ地震がいつ来るかもわからないというようなお話もあるわけです。そういうようなことを考えて、なおかつ道路などでも、全線のB/Cというような考え方もすでに出ている。おっしゃっていただいた社会的割引率の議論もある。そういうような状況もありますので、ぜひそういったことも含めて、十分に整備委員会の中で議論いただきたいと思っています。

 

[記者]

 先ほども少し言及ありましたが、地元の小浜市で杉本新市長が誕生して、やはりこれまでの積み重ねあるいは人脈など、そういった点ではやはり松崎前市長とまだ積み重ねが多少違うというところは否めないところです。ご本人は、自分、小浜だけでやるものではないので、県などともしっかり協調してやりたいというようなことはおっしゃっていましたが、ある程度やはり県からもサポートが必要な状況にはなるのかなと思います。この点をどう対応されるかお聞かせください。

 

[知事]

 8月6日に杉本新市長が来られまして、いろいろとお話をさせていただきましたが、主に新幹線については全力で頑張りますと、一日も早く全線開業できるように自分も全力を尽くす、とおっしゃっていただいて、方向性は一緒だと思います。政治的なネットワークやご経験など、これは明らかに大きな違いが、松崎前市長とはあるのかなとは感じますが、それはもう今までも、市長が一人でやっていたわけではなく、市の中でもいろいろなみなさんの力を得ながらやっているわけですし、県内の市町、そして県も一緒になってやってきておりますので、一緒になって、必要な助言、またお手伝いもさせていただきながら、これからも力強く、逆に言うとお若いですので、さらにフットワークは生かしていただけると思いますので、そういうところで、逆にいい経験を、これからの短期間で積んでいただく、そういう場面にもなるのかなとも期待をしているところです。

 

[記者]

 北陸新幹線が県内にやってきて、半年以上が経過したというところで、知事は前回、先月の記者会見の時に新幹線の開業効果が、駅の近くと、そうでないところや、駅がある自治体とそうでないところなどで、効果に濃淡が出てきているというお話がありましたが、その傾向というのは現在になっても続いているというご認識でしょうか。また、どういったところで濃淡が出ているかということを認識しているかを伺えればと思います。

 

[知事]

 まだ半年は経っていませんが、4か月経過して、トータルとしてみれば特に新幹線駅周辺を中心として、もしくは観光地など、いろいろと投資をしてきたところが非常にお客さんも増えて、投資の効果が出ていると、まず感じているところです。福井駅などでもお話を聞いていると、これまでの経過の中で特に最近の方のお話として伺えば、例えば福井駅周辺でも、本当の駅周辺のところで、新しくお店を作ったり、新しくお店を直したりというところは結構人が集まっている。一方でそうでない商店街のところなど、片町のところのお客さんは、必ずしも大きく落ち込んでいるというような状況ではありませんが、大きく増えている状況でもないと、こういうふうにも伺っています。また越前海岸などでも、以前にも申し上げたかと思いますが、宿をリニューアルする補助など持たせていただいていますが、そういった宿を直されたようなところは、単価を上げても、お客さんがそこから入ってくれるなど、もしくはいろいろな問い合わせの数も以前に比べて多いなど、いろいろおっしゃっていただきます。一方で距離が離れると、やはり今までどおりの営業ですと、特に今、夏場で蟹シーズンではないので、力の入れ方もあると思いますが、お客さんが少なく必ずしも新幹線効果を感じないというようなお話も伺っています。新幹線の駅からの距離、もしくは観光地を抱えているか、勝山市などは全体として増えているとも伺いますが、そういった観光地などの影響をどれほど受けられているか。そして投資の効果、こういったところで少し濃淡があると思いますので、これらについてもよく分析をして、9月補正も含めてできることから、改善すべきことはしていこうと考えています。

 

[記者]

 秋にはデスティネーションキャンペーンも予定されていて、ここが濃淡を解消する大きなチャンスになるかなと思います。そこに向けてどういう思いで取り組もうなど、あるいはDCを超えたその先で、二の矢、三の矢についてどのようにお考えでしょうか。

 

[知事]

 まずはデスティネーションキャンペーンに向けて力を入れていく。これまでも準備をいっぱいしてきましたので、力を入れていくということかと思います。私は、この2、3週間の間に、JR西日本の長谷川社長、またJR東日本の喜勢社長ともよくコミュニケーションを取らせていただきました。両者とも、デスティネーションキャンペーンもそうですが、さらに言えば、12月の後、1月以降も含めて、この北陸新幹線、特に福井を売り出すということについても力を入れていただけるように伺っていますので、私どもとしても、来年度にかけても、いろいろなプロモーション、沿線の自治体、駅、そして東北が非常に近くなりますので、そういった近くなったところ、特に、関東、そして信越は非常にお客さんの増え方が多いというのは、今まで遠かったところが近くなったところということですので、まだ東北は遠い感じがイメージとしてあるかもしれませんが、実は近いということをわかっていただくようなプロモーションをさせていただくなど、またJRとも一緒になったり、旅行会社と一緒になって、プランの造成など、いろいろなキャンペーンで一緒にやっていただける方を探しながら、これから後もやっていきたいと、そういうことでできるだけ効果を持続化していく、それからじわじわと全体にも広げていくということを続けていきたいと思っています。

 

[記者]

 先ほどの質問の中で、工期短縮のところで、今回示された工期が安全サイドに立った工期とおっしゃっていたと思いますが、どういったところでそう思われたのかお聞かせください。

 

[知事]

 これは私の個人的感想となりますが、内容的に見ると、働き方改革ということだったり、また駅部のところの安全工事にこれぐらい時間がかかったり、そして事業推進調査によって、例えば駅の周辺のところの軟弱地盤が見つかったりなど。多分、以前であれば小さく産んで大きく育てるというとおかしいですが、つい最近もいろいろな事業費などが膨らんだり、工期が延びたり、中部縦貫自動車道や足羽川ダムなどもありましたが、こういうことの轍はあまり踏まないようにということを意識されているなという印象を持ったので、そういうふうに申し上げましたが、具体的にこの工事のここの部分がというような知識はありませんので、その部分のところで、私がこう言ったということであれば、訂正をさせていただきます。

 

[記者]

 一方で、京都府の地下水の問題や、本当にこの工期で間に合うのか、永遠に完成しないのかという声も沿線各地からも聞かれることもあると思いますが、そういったことに関しては、知事としてどのようにお考えですか。

 

[知事]

 地図の上でのルートや考え方、工事の仕方のいくつかの資料は示していただいています。その中身については整備委員会などで十分に詰めていただいて、本当に工期はこれでまず大丈夫なのかということの確認をもちろんしていただきたいと思います。私が理解している中で申し上げれば、西田委員長もおっしゃられておられましたが、トンネルを掘るときにシールド工法というのを取られて、京都市の地下鉄の工事でも採用されていて、それによって地下水の影響というのはなかったのではないかというようなご趣旨のご発言をされていると私は認識をしていまして、そういったことを提案して来られているのかなと。いずれにしてもこの辺のところは十分にこれからご議論いただきたいと思っていますし、そういったことをぜひご地元の皆さんにご説明もいただいて、ご理解をいただく努力を国や機構はしっかりとしていただいきたいと考えています。

 

[記者]

 今回示された3案で、福井県的にはあまりどの案も変わらないとは思いますが、南北案、東西案、桂川案で、工期が変わって少し微妙に違ってくると思います。県として、知事として、例えばこの案がいいなど、現時点でご意見があればお聞かせください。

 

[知事]

 これから整備委員会なりでご議論をいただいて、お決めいただければと考えています。やはりご地元のみなさんのいろいろなお考えもよく聞いていただく。我々もこれから多分整備委員会の中で地元の自治体からのヒアリングのようなこともセットしていただけるのかと思っていますので、必要なことはその中でまた申し上げていくと考えています。

 

[記者]

 今の質問に関連して、知事としては特に推すルートは決まってないということで、整備委員会で議論をしていただければということですが、現時点で出ている材料で、工期や工費など、いろいろあると思いますが、今後どのような点を考慮して、そのルートが決められていくべきかという点についてお願いします。

 

[知事]

 今申し上げたとおりで、今どのルートが、と私が申し上げる立場にはないかと思っています。しかしいずれにしても、工費も工期も今まで想定していたよりもかなり大きくなっているということは認識をしています。とはいえ、私はとにかくなくてはならない、国にとって、我が国の将来の発展のためになくてはならない新幹線だと。ミッシングリンクを繋ぐ、今ちょうど言えば、中部縦貫自動車道は九頭龍のところまで行って、油坂につながるかどうか、もうやはりこの効果は大きく違うということを認識していますので、多少工費や工期がかかるというようなこともしっかりと国として乗り越えていただいて、ぜひとも小浜・京都ルートを1日も早く完成をしていただく。国家百年の計という立場に立ってご議論をいただいて、一日も早い全線開通を求めていきたいと考えています。

 

[記者]

 B/Cの関係で確認させていただきます。知事は先ほども全体でB/Cを全線で考えるべきとおっしゃっていましたが、これは意味合いとしては京都・大阪、いわゆる敦賀以西を分母にして決めるようなものではなくて、東京から北陸新幹線全体として考えるべきというお考えでよろしいでしょうか。

 

[知事]

 そういう趣旨で申し上げています。先日の25万人が行き来できなかったという時に、北陸新幹線が大阪まで繋がっていれば、もっと機敏にいろいろ対応ができたと。JR東日本の社長さんとお話ししていても、臨時便というのは簡単にはいかないですが、臨機応変に行きますからと、こういうようなこともおっしゃっておられました。そういうことだと思いますので、サンダーバードのところの、今度、逆に言うと狭くて乗り換えにも時間がかかって、そもそもいけるっていうこともよくわかってない方も多いというような状況もあると思います。やはり全線がつながることでミッシングリンクが繋がることで、大きな効果が全体に及ぶということは明らかだと思いますので、そういった議論は必要なのかと思いますが、いずれにしても、これは整備委員会の中でじっくりとご議論いただきたいと思います。

 

[記者]

 今年は北陸新幹線開業ということで、まだ四半世紀先の話ではあると思いますが、先ほどから知事がおっしゃっているように、大阪までの延伸はなくてはならないというところだと思いますが、こういった延伸を含めて何か改めて、実現することによって福井県にどのような効果が生まれることを、この四半世紀先に期待したいのかという思いを改めてお聞かせください。

 

[知事]

 これは大きな効果があると思います。福井県は今回、3月16日に東京と繋がって、近いとは言っても3時間ですよね。3時間で繋がったわけです。それが京都・大阪に繋がると、京都と40分、大阪まで55分で繋がる。これは、富山・金沢が東京と繋がったときの、それまでの効果の上がり方というのは、やはり福井に今回繋がったより、もっと効果的に近い分、大きかったかと思います。その3分の1に多少経済圏的に小さいように見えても、全体としてみれば、これだけ近いところに行くというのは、非常に交流の密度が大きく上がると思います。特に小浜においては、京都との間は19分、大阪まで38分、そういうような状況だと思いますので、ここはベッドタウンになっていくんじゃないかと。ベッドタウンだけではなくて、今風で言う二地域居住だったり、週末居住だったり、そしてワーケーションするなど、今までは、小浜は多分京都・大阪のみなさんにとっては観光地で、1泊温泉でも行こう、どこか旅館いいところ行こうね、美味しいもの食べようねというところが、朝起きてお天気よかったらご飯食べに行こうと、こういう感じに近づくのは、これは素晴らしく大きな差が出てくると思います。経済波及効果は、敦賀から先に繋がったときの効果は、今回にも増してというくらいではないかと期待をしているところです。

 

[記者]

 そのなかで福井県でいうと、東小浜駅周辺に新駅が想定されているということですが、もう少し知事として、具体的な位置などが早く決まった方が、例えば小浜市での再開発が進むなど、そういった周辺の整備、立地地域の詳細な選定などが必要かと思われますか。

 

[知事]

 これからの議論の中で、もう少し詳細な場所についても示していただきたいと思っています。今のところは、地図をよく見ても、どのあたりかわかりにくい地図になっていて、お話だけで東小浜駅と小浜インターの間ということだけを聞かされていますので、おっしゃられるとおり、これから、逆に言うと乱開発になってもいけませんし、そういったことも含めて、まちづくりという意味で言えば、早めに正確な場所をできるだけ早く教えていただきたいとは考えています。

 

[記者]

 先ほどデスティネーションキャンペーンの話が出たので、関連で伺います。今回対象が北陸ということで、おそらく地震もあったので、石川県の注目が高いというのは予想できるところです。また新幹線は非常に速いので、福井で観光されても石川で泊まるということが十分可能ですので、その中で福井を選んでいただく、あるいは福井にも足を運んでもらうということに特化した対策というのも必要なのかと思いますが、この点、何か考えられていることがあればお聞かせください。

 

[知事]

 何も変な足の引っ張り合いをするということはありませんので、福井は福井で。1つだけ利があるとすると、「知られざる福井へ」というところは、国民のみなさんへのアピールというか、訴求力はあるのかなと。やはりJRの発想に立っても、これは詳細に確認しているわけではありませんが、まだ行ったことないですよねという感じでPRされるというのは、やはり相手方への訴求力は高いということとともに、いろいろな社長さん方を含めてお話ししていても、「本当に福井っていいところあるんですね」と言うので、そういうプロの方でもおっしゃられるぐらい、福井のよさというものを今までご存じなかったと言われますので、PR効果、いろいろ北陸と言っていただくと、今はまだ能登半島の方のいろいろな温泉街のところも、多くのお客さんが行ける状況でもございませんし、加賀などこちら側で、一生懸命下支えしながら波及効果がだんだんと行くようにしていくという意味でも、福井県が頑張って、なおかつ注目される。PRもこれまでもやってきましたが、JRも、そのほかの旅行会社にも、ツアーも多分ほかの2県よりもたくさん私たちは造成をし続けていますので、そういうことも含めて訴求力も上がっているのではないかと思っています。

 

[記者]

 新幹線開業効果について、駅前開発などにいろいろ投資してこられて、まちの魅力を高めること、観光戦略、福井観光ビジョンなどの目標にも「また来たいと思ってもらえるような福井にする」ということがあったと思うのですが、一方で現状は濃淡があるということは、観光客がまだ特定の観光施設などに向かって周遊が十分にできてない、逆に言えば、周遊の余地がある状況だと思います。今現在、知事のご認識としては、観光客に来てもらいたい、また、リピートしたいと思ってもらえる印象づけがうまくいっているとお思いでしょうか。ご認識をお聞かせください。

 

[知事]

 濃淡という言葉のところに大変反応していただいているような気がしますが、福井県には多くのお客様が来ていただいていますので、「北陸新幹線が来たぞ」というような効果を本当に感じているかどうかと聞くと、あまり感じませんという方はいらっしゃいますが、閑古鳥が鳴いて困るとか、前よりもひどくなったという感じとは少し違うと思っています。その上で、やはりできるだけ周遊していただくということは大切だと思っていますので、今でもいろいろな観光名所も合わせたツアーの造成も引き続きさせていただいていますし、またデスティネーションキャンペーン、それ以降に向けてプロモーションも引き続きやっていくということもしていきます。ここから先、引き続き旅館、民宿のリニューアルの補助金もどんどん、先日も6月補正でも追加させていただいたりしていまして、投資を行うとやはりお客さんが来るというのも今回の新幹線効果で明らかになってきていると思っていますので、今お客さんがお越しになられてないところがあれば、私どもも助成の仕方、応援の仕方をいろいろと考え、工夫しながらお客さんに周っていただけるような努力も続けていきたいと思っています。

 

[記者]

 リピートしたいと思ってもらう印象付けということについてはどのようにお考えでしょうか。

 

[知事]

 これはいろいろな県も観光地も同じだと思いますが、私がそう言われて直感的に感じたのは、とりあえず福井駅来ました。全国知事会がこの間ありました。「駅前は恐竜だらけですね」と、みなさんものすごい印象を持たれていました。ですが「今回恐竜博物館行けなかったです。また来ます」と、こういう感じでした。それが非常に印象として私は感じました。これを恐竜博物館もあるんだということで、福井をもう一回見ていただくと、東尋坊もどんどん良くなっている、または永平寺の周辺のところも山道が良くなってきていたり、オーベルジュができてきたりなど、そういうことにもお気付きいただけますので、まずやはり一個は、恐竜ということをここまで徹底してやってきましたが、おかげさまで、「恐竜といえば福井」「福井といえば恐竜」というぐらいみなさんに印象づけられて、一回は行ってみようや、少し行ったらやはり恐竜行くべきだったなど、こういう感情を持っていただいているので、それに合わせていろいろな「福井といえば」で調べてみたら、これもある、あれもあると広げていけるようしていく必要があると、まずは恐竜ということをさらにこれから星野リゾートも長尾山にホテルなど、そういった観光施設も作っていただけるということですし、また敦賀も、宿泊施設を金ヶ崎のところに作っていくというような話も、どんどんこれから出てきますので、一回来た人も次また福井に来たいというようなことを醸成していきたいと考えています。

 

[記者]

 小浜・京都ルートの工期、工費について伺います。先日の全国知事会議や北陸新幹線早期全線開業実現大阪大会などで、吉村知事が工期や工費が示された場合、関係者で協議したいという旨の発言をされていたかと思います。関係自治体沿線としてどのように対応されていくべきかというお考えがあれば伺います。また、大阪の方から何かアクションが今のところあるのか教えてください。

 

[知事]

 吉村知事が、「沿線自治体と協議したい」と言ったかどうかは、私自身は確認ができていません。吉村知事が、報道で、「議論をすべきだ」ということについて言及されていることは認識をしています。その件について言えば当然のことだと思っています。私どもも、工期もしくは工費といったものができるだけ小さくできるような方法、さらに言えば地方負担をできるだけ小さくしていただきたいと、こういったことは考えていますので、そういう意味で与党の整備委員会を中心として、政府も一緒になって、十分議論をいただいて、できるだけ小さな予算で、特に地元の負担を小さくしていただきながら、できるだけ早く繋いでいただく、こういったことについてはお願いをしたい。

 吉村知事は基本的にルートを変えろということは言われてないと認識しています。

 

[記者]

 今のところ大阪から働きかけなどはないでしょうか。

 

[知事]

 特段ありません。

 

[記者]

 今お話が出ました、地方負担の軽減につきまして伺います。今知事がお考えになっている方法論としまして、例えば、JR貸付料や国の交付税措置率のパーセントを変えるなど、これまでの整備新幹線のスキームを変えるようなことも含めて取り組んだ方がいいのではというようなお考えなのか、知事として、どのようなやり方があって、国に議論してほしいか考えがあれば教えてください。

 

[知事]

 これから整備委員会を中心として、十分ご議論いただきたいと思います。私が把握しているところで申し上げますと、西田委員長も、これは国になくてはならない国家プロジェクトであると。国家プロジェクトである部分は、少なくとも国が出すんだろうというようなご認識を、全部という意味ではないですが、そういう国家プロジェクト性が高いということについての必要分というのは、国がちゃんと持つべきだというようなご趣旨のことを、完全に把握してないので乱暴な言い方ですみません、そうようなことをおっしゃられたと思います。まさにそのとおりだと思います。言ってみればここまで北陸新幹線というのは、地域振興、地方創生に役立ってくるというような主旨で、私たちは誘致をどんどんどんどんしながらやってくるのですが、ここから先は、これを繋ぐことの国全体としての効果も大きくなってきますので、そういった国家プロジェクトというような主旨のところは十分に国で認識をしていただいて、地方負担を、できるだけ小さくするようなご検討をいただきたい。それで必要な時に、私たちも呼んでいただければ、整備委員会等で考え方については整理してお話をさせていただこうと思っています。

 

[記者]

 最後に、米原ルートについて伺います。今回の整備委員会でも、石川県の国会議員の方が小浜ルートを認めることの判断を保留しますと。それで米原ルートの新試算も示してほしいという考えを示されました。そして、石川県では、7月26日に北陸新幹線建設促進石川県民会議という場で、改めてその米原ルートを再考すべきだという決議をまたしました。改めまして、杉本知事は、この米原ルートの考え方について、毎回聞いて申し訳ありませんが、改めて考えを伺います。

 

[知事]

 ご議論されることは自由だと思っています。会議の中はよく知りませんが、会議後の委員長や他のみなさんのご発言を伺っていると、整備委員会の中では、小浜・京都ルートについて議論をしていくということになっていると伺っています。それに対して、別の先生方が研究会でもやろうかと、こういうようなお話をされていらっしゃるんだろうと思っています。また、石川県内などでの動きについても把握をしています。しかしそれはそれで議論していただく。それで、その主たる場所は、整備委員会だろうと、それであとは政府との間だと認識をしています。もう一つは、感じていることを申し上げると、先ほども申し上げましたが、つい最近、JR西日本と東日本の両社長と会いして、ゆっくりとお話をさせていただきましたが、両社長とも明言されるのは、「東海道新幹線には乗り入れができません」と明言を両者ともされていました。このことだけはお伝えをしておく必要があるかなと思っています。この新幹線は小浜・京都ルートで大阪につなぐことで最大の効果を発揮できるし、もし何かの時にもこれしかない、国の将来はこれにかかっていると私は信じています。

 

[記者]

 南海トラフについて伺います。8月7日に初めて臨時情報がでて、福井県内は想定震源域ではないですが、緊急時に備えた広域的な連携も含めた、今現在の対応がどのようになっているか教えてください。

 

[知事]

 事前に地域防災計画も含めて、南海トラフ地震がもし起きた時ということで計画は持っています。例えば福井県で言いますと、基本的には福井県は震度6弱未満の震源域に入ると、応援県として、まずは三重県を中心に、まずはそこへ人員や物資を運ぶような計画になっていますので、早速、起きた直後に、防災部局に対しても再度確認をしておくようにということで指示をして、私もまた勉強し直しているというところです。

 

[記者]

 現状として、例えば人員の派遣の準備であったり、そういうときに備えた体制の整備は、もうすでに取られているということでしょうか。

 

[知事]

 これは何事が起きても、いつも応援とか受援とかに備えているということです。今少なくとも政府の見解で、今すぐ何か行動をということではなくて、まさに確認をよくしておいてくださいというご主旨かと思いますので、言葉は合っているか分かりませんが、着替えてすぐに待つということとは違いますが、心の準備、いつどこで何が起きてもということは日頃もそうですし、さらにそのレベルは上げて、ちゃんと確認をもう一回しておくとか、そういうこともしていますので、少しレベルを上げながら、いつでもということで備えているというところです。

 

[記者]

 今回の発表について、県民も日本海側にしても、やはり不安に思っている県民の方たちもいると思います。またさらに来週から行楽シーズンも本格化する中で、想定震源域に行かれる県民の方たちも多いということで、知事の方から注意の呼びかけだとか、今現在どういう対応が必要なのか、そのあたりについてはどのように感じていますか。

 

[知事]

 恐縮ですが、私にはそこの知見を持ち合わせていません。国や気象庁からこういったことの情報を十分に得ていただいて、行動していただければと感じています。私が見た範囲では、専門家の方が言われてた中で、すぐ取りやめるとか、そういうことでもないようなお話だったと認識はしていますが、いずれにしてもしっかりとご確認をいただきながら行動していただくことかと思っています。

 

[記者]

 敦賀半島付近で、最近イルカの被害が多発している状況で、海保や警察中心に注意の呼びかけがありますが、毎日のようにけが人が出ている中で、県として、このあたり、対応や注意喚起をどのように行うか考えをお聞かせください。

 

[知事]

 このことは、常に市町、観光協会とも連携しながら、県でもホームページで注意喚起をさせていただくということもしておりますし、また市町としてチラシなどを配ったり、もしくはイルカが見つかった時には、そこで放送したり、ライフセーバーの方が声掛けしたりということにも力を入れているところです。イルカが寄ってくるという部分もあるようですので、そういう意味では、寄ってきてもとにかく手を出さないということも大事ですし、餌を与えないなど、こういった注意喚起も県としてもしています。美浜町や鷹巣海岸など海岸によっては、音波を出してイルカができるだけ近づかないようにするなどという工夫もされています。こういったことも引き続き効果も見ながら、さらに効果的な方法が他にないかということも検討していきたいと思っています。

 

[記者]

 敦賀2号機に関する原子力規制委員会の判断というところで伺います。原電の構えとして、まだ廃炉は決めずに再度の申請を目指すというようなことになっています。

 地元とすると、原発が動いていれば仕事はあるし、廃炉が決まれば廃炉の作業もあるが、一番仕事がない状態というのが、このまましばらく続いてしまうというところです。今まで原発専業でやってきて高い技術を持っているような会社などが、維持していく上で仕事量が足りないので、地域経済のことを考えると、判断が留保されている状態というのが好ましいのかという点について知事の考えを伺います。

 

[知事]

 これは事業者がどのように考えるかで、その結果については十分に地元の皆さんにもよく説明をして、理解を得ていただくということが大事かなと考えています。今のような考えもあるでしょうし、今の停止した状況でも、管理計画に従って、しっかりと点検等は続けられているわけであり、そういう中で、日本原電がどんな判断をするのかということをまた注視をしていきたいと考えています。

 

[記者]

 今回に関しても、活断層が直下にあると認定されたわけではなく、無いということを証明できないのでという論法だったと思いますが、安全基準の考え方というのは福島の事故以前と以後で大きく変わっていて、安全側の立証ができないと認めないということで非常に厳しい視点に変わったということは象徴的な判断だったと思いますが、この点、新しい安全基準の考え方について、知事の考えを伺います。

 

[知事]

 私どもは原子力発電所の立地地域なので、何においても安全が最優先ということであり、もちろんそれは科学的、技術的根拠に基づいた安全性というような意味で申し上げています。そうした意味では、安全でないものは動かせないということは当然だというふうに思っています。

 その具体的な安全基準の考え方等は、原子力規制委員会中心にしっかりとご議論いただいてお決めいただければと思っており、現状はそういう状況になっているのだろうと認識しています。

 

[記者]

 県内の一部市町の首長からも、今回の敦賀2号機の審査においては、一部悪魔の証明的な要素があるのではないかというようなご発言もありました。この審査のあり方への知事の考えを伺います。

 

[知事]

 私が審査の具体的な中身について物申し上げるという立場にはないというふうに思っています。

一方で、原子力規制委員会の山中委員長は、これまでにも、しっかりとそこに答えを出して基準をクリアして、稼働しているところもあるのだからというようなお話もされているということは認識をしています。

 

[記者]

 敦賀2号機の審査は、2度中断した過去もあり、昨年8月末に再補正を出されてから、かなり集中的に審査会合が開かれたり、現地の視察が2回行われたり、この1年足らずで、スピーディーな審査が進んでいったと思います。

 一方、かなり議論が拙速だったのではないかとか、時期に期限を区切って、その中で急いで審査が進んでいるのではないか、そういった意見を持つ専門家もおられます。

 今回の補正後の審査会合の進め方や、今までの進め方について、知事はどのように受け止めていますか。

 

[知事]

 個別の審査の内容について、私から申し上げるというような知見もないので、そういう意味ではコメントは控えさせていただきたいというふうに思います。

 いずれにしても、事業者の側も規制委員会の側も、まずはコミュニケーションをしっかりと取るということが大切であり、その上で、科学的、技術的根拠に基づいて、規制委員会の側であれば審査をしっかり厳格に行うということであり、事業者の側であればそれに応えていく、こういうことで進められていくべきものだと認識しています。

 

[記者]

 敦賀2号機関係で地域振興の面からお聞きします。敦賀市では、2011年以降、約13年にわたって原発の運転がない期間が続いていて、稼働していないことが平常になりつつあると思っています。その中で、もんじゅ跡地の試験研究炉であったり、水素生産地の造成であったり、敦賀港の物流拠点化など、Eコースト計画や共創会議を通して、原発だけに依存しないまちづくりに取り組んでいると承知していますが、知事の認識を伺います。

 

[知事]

 共創会議の基本的な発想はそこにあると思います。一本足打法にならないように、多重的に産業を振興していくということを、スタートする時点から意識して作られた会議だし、そのために地域の課題の1つにも、こうした状況のときの立地地域の応援も入っているのだと思います。いずれにしても、福井県では敦賀2号機だけということになりますが、全国的に見れば東日本を中心に、ずっと動いていないところも多くあり、こうしたところの地域振興は、国も真剣に具体化をしっかり図っていただきたいと思っています。

 

[記者]

 先月26日の共創会議では、知事が「地域振興といいながら、中身はスピード感が足りない」といった厳しい意見を言っていたと思いますが、ご自身がイメージしている進み具合とギャップがあったのではと推察されるが、このような意見をおっしゃった背景・要因を伺います。

 

[知事]

 これまで福井県が、国や事業者に向けて、高浜1・2号機や美浜3号機の継続運転に理解を示したり、乾式貯蔵施設の申請了承をしたり、先月、高浜3・4号機の40年超の運転延長でも、我々としては様々な議論をしながら、志を持って判断し進めてきていることに対して、以前から地域の振興に力を入れていくと言っていただいていますが、その具体化が遅れているのではないかという主旨で申し上げているということです。

 

[記者]

 規制委員会の審査会合の後の原電村松社長の囲み取材において、敦賀2号機は原電にとっても、日本にとっても、福井にとっても大事との発言があったが、県にとって敦賀2号機がどんなプラントと位置付けられているのか。また、当分動かないことが決まったが、地域経済への影響をどのように考えていますか。

 

[知事]

 敦賀2号機について言えば、当然、その周辺でいろんな作業をされたりとか、事業をやられる方ということも多くいらっしゃるわけであり、そこからまた波及する経済効果も含めて、やはり動いているか動いていないかでは差があるのだろうと思っています。一方で、まずは安全でないというものを、安全の確認ができないものを動かすことはできないとも認識をしています。

 大きく言えば、もう10年以上動いていない状況が続いているので、今すぐ敦賀市の地域経済に大きな影響を与えるということではないのでないかと思っていますし、今後、そういった事情に変更がもしあるのであれば、そういったときにはしっかりと地域振興策をどうするのかといったことを国も事業者も、やはり具体的に示していただく必要もあるのかなとも思っています。

 

[記者]

 先日、原電の担当者が県に説明にもきましたが、原電としては敦賀2号機の再稼働を目指すというところで、追加調査もしたいというような話もありますが、改めてこの追加調査に対して、知事として求めることであったり、期待することがあれば聞かせてください。

 

[知事]

 これは原電の方から、追加調査やデータの拡充を行ったり、今後の対応については考えるというような考え方が示されたということであり、私どもとしては、そうしたことを検討したうえで、しっかりと地域の皆さん、地元に説明をするようにということを申し上げている立場であり、特にどうすべきということではなく、そういうお考えであれば、それはそういうことで遺漏なく進めていただくということかと思います。

 

[記者]

 原子力規制委員会と原電社長との意見交換の場で、再補正が認められなかったことについて受け止めはありますか。

 

[知事]

 これはまだ結論は出ていないのだと思います。措置について、簡単に言うと、不許可となれば申請しかないし、継続していれば補正ができるのかもしれませんが、そこの細かいところの法律はわからないけれども、そこのところはどうされるのかは、本当の結論を得てから具体的な手続きの進め方に入っていくのかなとは思っています。

 

[記者]

 先日の全国知事会議で議題の中心となった人口減少問題について伺います。8月2日の午後の話なのですが、東京都の小池都知事が都庁での記者会見で、全国知事会議でもおっしゃったような、「因果関係が不明確な考え方に基づいた議論で人口減少問題の本質的な課題解決につながらない。あそこのコミュニティは違う色合いだと強く感じた」というような旨を記者の質問に答えていらっしゃいます。東京と地方の足並みの乱れを一層感じたようなところなんですが、小池都知事の発言を踏まえて、知事の人口減少問題に対する考えを今一度お聞かせいただければと思います。

 

[知事]

 足並みの乱れというか、大切なことは客観的に人口減少対策をどうやって進めていくのかということを国も地方も一つになって心を一つにしながら進めていく。それが一番、効果を上げる方法と考えています。小池さんは小池さんのお考えをそういうふうにおっしゃられたんでしょうと私は思いますが、私からそれについてコメントを申し上げることはないということです。いずれにいたしましても、いつも申し上げていますが、福井県で見ても、一年間で例えば直近で言えば2600人の社会減がありますが、そのうちの7割は20代で起きている。20代というのは、高校から大学行くとき、このときは多分住民票を移さない人が結構いらっしゃるので、就職するときに本当に移すというような実態から見ても、やはり大学から行くときと就職のところで7割の人は出て行っている。そして一都三県のところはこのなかで11万5千人ぐらい増えているのですが、そのうち9割は20代のときに入ってきている。このことが蓄積していって…といつも長くなってしまうのでこれ以上は言いませんが、20代というか、1980年代生まれの人たちは、20年間の間に福井県は16%人口が減って、東京都は75%人口が増えているわけですよ。この事実を持って、なおかつ合計特殊出生率と未婚率をかけあわせて、結果として東京都がもしも福井県と同じ合計特殊出生率だったらお子さんは4万人増えてるんですよと。こういうようなことはいつも申し上げているという、客観的なデータについては申し上げておきたいと思います。

 

[記者]

 全国知事会議の中でも、知事は大学や企業の地方移転というようなことをおっしゃっていたと思いますが、これはパイの奪い合いというようなところも示唆されるようなところなのではないかと思いますが、こういった施策を取ることがパイを増やすことにつながるというような理解でよろしいでしょうか。

 

[知事]

 逆だと思います。何が言いたいかというと、これもいつも言っていて恐縮ですが、東京都における高校3年生の子どもの数は全国の9%に対して、東京都の大学の入学定員は25%を占めていると。こういう客観的事実がまず一つあり、なおかつ平成30年から大学の定員を東京都は抑制していくという議論を、最近も古田岐阜県知事が「当時僕がやったんですよ」とわざわざ電話くださってお話になったのですが、大学の定員を東京は増やさないということをやったと。しかし平成30年から令和5年までの間に全国の大学に進学した子どもの数は0.5%しか増えていませんが。東京23区に入っていった子どもは3.2%増えている。抑制と言いながら、多地域、全国平均よりも増えているという客観的事実を私は色々と申し上げています。

 

[記者]

 全国知事会議のロゴの件でお伺いしたくて、知事もSNSに上げていましたが、県職員にもお話聞きまして、本来であれば別に作る必要はないということですが、県職員も知恵というかアイデアで作成されたということで、全国知事会議後に何人かの知事の方もSNSにあげていたりなどして、個人的には恐竜王国福井を印象付ける一役を買ったと思いますが、そのところに対する知事の受け止めがあれば教えてください。

 

[知事]

 全国知事会議の初日の懇親会の時に、知事のみなさんにご紹介をしてものすごく盛り上がったということでして、私もこういうところはとても本当に福井県の職員は素晴らしいなと。なくても良かったのだと思いますが、他のところで見つけてきて、しかも作られたご本人は、埼玉県が海の方にあったのですが、それも入れ込んでくれて作ってくれたというのがとてもいいと言って、ご本人も非常に喜んでいただいているということですが、こういったホスピタリティというか、全国知事会議の時も後も、多くの知事から「本当に福井は素晴らしい。職員のみなさんは素晴らしい」と言っていただきましたが、その一端がここに出ていると。なおかつやはり自分のアイデアで、こういうことを自分から連絡とって形にしていくというところも素晴らしいなと私自身も思っていまして、非常に誇らしいと感じているところですし、こういうことを広げていけるように、私もやれよというのではなくて、そういう雰囲気が出るような県庁組織にしていかないといけないなと思っています。

 

[記者]

 他県への発信に関して、あれがどのように役立ったというか、なにかお考えがあればお聞かせください。

 

[知事]

 これはみなさん、本当にすごいとおっしゃってましたよ。福井県らしいですねと。一番最初の時は誰かが作ったものに、こうやって職員がやったとその瞬間は知りませんでしたが、自分もこうやってカードを見て、これは面白いと思って、そういうことを発信もしましたが、恐竜ということだったり、また全国知事会議というところをとてもうまく捉えてやって、それが一時トレンドに入ったりもしていましたが、発信ができているというのはタイミングも絶妙でしたので、素晴らしく、恐竜のPRもできたし、福井県としてそういうことをやっているということのPRもできたなと、全国知事会議が福井で開かれているということもわかっていただいたでしょうし、大きなPR効果もあったと思っています。

 

[記者]

 インバウンドの対策について伺いたいんですが、6月の補正予算でもインバウンドの呼び込みの強化に向けて予算をつけるなどして、本当に新幹線開業に向けてというか、長年にわたって対策をしてこられたかと思うんですが、なかなか今年の目標を掲げている40万人というところにはちょっと遠いのかなというところで、現状をどのように捉えているのかというところと、今後、目標達成に向けてどんなふうにされていきたいかというところを改めてお話いただけますでしょうか。

 

[知事]

 40万人が今年の目標と全くおっしゃる通りで、目標に掲げさせていただいています。経緯から申し上げると、コロナの前の時に10万人近く、97,700人だったか、それは過去最高になってきた時期で、数年後には40万人というような目標を立てさせていただいているというのが事実ではございます。その中で正直言って今年40万人にすぐ行くというのがなかなか難しいかもしれません。一方で、最新の数字を覚えていませんが2.9倍だったか3倍だったか、こう増えてきているという統計も見ていますが、とはいえ40万人になかなか行き着かないと、こういうことで6月補正予算も組ませていただいたり、そもそも組織も新たに室を作って、そういったことに長けた、というのは海外経験があるだけではなくて、営業力がある、また動きが良いというとおかしいですがそういった精鋭を集めて、いま取り組みをさせていただいています。5年ぐらい前から始めましたが、一気にこう一回折れてしまっているのでここから上げるのは、正直言って一気にはなかなか難しいなどありますが、しかし本当に恐竜、また北陸新幹線を使って来ていただく外国人の方はジャパンレールパスを使って来ていただける方が着実に増えていますし、また福井は面白いということがだんだんわかっていただいてますので。なんとか近い将来40万人をクリアして、さらに上を目指せるようにしていきたいと思っています。

 

 

                                            ―― 了 ――

 

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