知事記者会見の概要(令和7年5月16日(金))
令和7年5月16日(金曜日)
10:30~11:27
県庁 特別会議室
[知事]〔配付資料:幸福実感共創ラボ「ふくウェル」の設置について 〕
一つ目は幸福実感に向けまして、官民共創でこれから県内の幸福実感を広げていこうということで、新たに「ふくウェル」の設置をさせていただこうというところです。6月6日を考えていますが、「ふくウェル」とは、幸福を実感していただけるように、官民で共創するラボになります。「ふくウェル」の元々の名前の由来ですが、「幸福」と「ウェルビーイング」をかけています。また「福井」の「ふく」に、それから「ウェル」というのは「井戸」の「井」という意味もあります。「福井」というのが「ふくウェル」です。もう一つは、「福を植える」このような意味で、「ふくウェル」いう愛称をつけさせていただこうと考えています。
32の団体からスタートしようということで、県と17市町、商工会議所、商工会連合会、経済同友会、福井大学、福井県立大学、慶応大学、デロイトトーマツなども入っていただいています。それのコンダクター、指揮者といいますか、みんなで作っていき、奏でていきますので、コンダクターとして私が中心になってやらせていただこうと思っています。それから、県の「幸福実感ディレクター」として飛田さんがいますが、それに加えて、大学、経済界、文化芸術分野などからもディレクターを委嘱していこうと考えているところです。設置場所は、フクマチブロック1階の「PLAYCE」に、人が常にいるような形にしていきたいと考えています。
それで具体的に何をやるかということですが、幸福実感を官民共創で作り上げていこうということで、ウェルビーイングといわれるが、何がウェルビーイングなのか、もしくはウェルビーイングに関わる要素は何か、このようなことを研究していくという分野も一つあると思います。それからウェルビーイングというのは、もちろん行政としての重要性もありますが、最近は、会社経営の上でも、健康経営などウェルビーイングを意識した会社経営をすることが、利益にも結びつくという考え方もあります。みなさんが実践されるウェルビーイングに関わるようなプロジェクトに対する応援も行っていきたいと思っていますし、また横展開でいろいろな形でマッチングをし、相互応援をする、このような支援もしていこうと考えており、1回目の会議を6月6日に実施する予定です。詳細については、今日発表するということです。
[知事]〔配付資料:奥越へ行こう!大野・勝山わくわく周遊キャンペーンについて 〕
2点目は、国道158号の上半原でご案内のとおり大きな土砂崩れが起きており、岐阜県側から奥越地域の方へ直接アクセスができない状況になっています。落ち込んでいる観光需要に対する誘客促進策ということで、「奥越へ行こう!大野・勝山わくわく周遊キャンペーン」を明日から夏休み直前の7月18日まで行っていきたいと考えています。抽選で5万人の方に、はぴコイン1000ポイントを進呈するということで、「道の駅九頭竜」、「道の駅越前おおの荒島の郷」、「道の駅恐竜渓谷かつやま」などにQRコードが置いてありますので、これを読み込んで応募いただくと、5万人にはぴコイン1000ポイントが当たります。奥越地域に300以上の登録業者さんがいますので、この店舗で奥越の名品を買っていただく、そのためにはこの6か所を訪れていただく必要があります。1つでもいいのですが、訪れて応募いただきたい、こういうことで夏休みに向けてキャンペーンをさせていただこうと考えています。
私からは以上です。
~質疑~
[記者]
ふくウェルですが、都道府県初ということですが、この初というのは官民共創がという部分にかかるのでしょうか。
[知事]
そういうことだと思います。
[記者]
地域おこし協力隊の方がどなただとか、その辺の細かいことも今日のちほど発表があるということでしょうか。
[知事]
そうです。そちらの方で聞いてください。
[記者]
ふくウェルという名称、いろいろな意味がかかってるという部分を見た時に、鳥取の平井知事を思い出したのですが、杉本知事はアイデアを出されましたか。
[知事]
私は平井知事のような能力はないので。ただ職員はいろいろなことを日頃から考えてくれていて、こういうことも思いついてくれています。昨日も全日本広告連盟の大賞の話で、佐賀県の山口知事が来られていましたが、あちらも非常に職員のみなさんが色々アイデアを出して、「ゴジラ対佐賀」、佐賀県の県の形を斜めにするとゴジラに似ていると考えて、それを考えた人も立派ですが、そのあと高圧洗浄機でダムの汚れを取るときに一部を残してゴジラの絵を描いているとか、職員が考えたそうですが、素晴らしいアイデアを持っているなと私も感心をしました。
[記者]
2点目の周遊キャンペーンについてお伺いします。大型連休を終えて、岐阜県側からの直接のアクセスができないというところで、大型連休期間とか、数値的ないわゆる痛手というところは見えているのでしょうか。また、そういった危機感などがあった上でこのキャンペーンが行われるということなのか教えてください。
[知事]
3月の初めにこうしたことになり、4月の半ばくらいの状況を見ると、さっき申し上げた一番奥の道の駅九頭竜のもうちょっと先に九頭竜湖がありますが、このあたりは客数が去年の1割ぐらいになったりとか、荒島の郷でも半分ぐらいに減ってしまったと。ゴールデンウィークは、それでもだいぶ時間もあるので、ぐるっと北陸道を回っていただいたこともあったと思いますが、道の駅九頭竜のところで半分ぐらいとか、越前おおの荒島の郷では8割ぐらい、それから、実は恐竜博物館は去年よりもお客さん多かったにもかかわらず恐竜渓谷かつやまは9割弱ぐらいの客数しかなかったということですので、やはりそうした影響があったということで今回急いで措置をしました。
[記者]
予算についてはどれぐらいの規模になりますか。
[知事]
約1億円。直接、キャンペーンのポイントにあたる部分がだいたい7千万円で、事務やPRを行うところに3千万円弱を使わせていただく。中京地域でもPRをしようと思いますので、いろいろな新聞社で広告を打つ経費ということになります。
[記者]
今こういったキャンペーンを打つことで、県内の方を含めて奥越地域に訪れてほしいということだと思いますが、改めてその思いを一言お願いします。
[知事]
まずは県民のみなさんにも、是非とも福井県側からは行けますので、九頭竜湖のところまで来ていただいて、ホームページ「ふくいドットコム」や恐竜博物館のホームページでもPRしていますので、ぜひ行っていただきたいと思います。またこの事業の効果そのものも、大野市の試算では20万人お客さんが減るというところに対して、抽選で5万人ですので、もっと多くの方に行っていただければと考えています。県外でも宣伝していきますので、もちろん県外の方でもふくアプリ使っていただけますので、十分に県外のみなさんにもPRし、夏休みまでの間はお客さんが減ってきますので、今年は特に、大野の方にもお出かけいただきたいと考えております。
[記者]
幸福実感のほうで、福井県は幸福度日本一というようなものもある中で、知事として改めて都道府県初という中で、福井が率先してこういった取組みをすることについての思いを教えてください。
[知事]
幸福度ランキングというのはデータに表れるものが中心ですし、これが高ければ幸福だろうというところを選ばれている、もう一つ幸福実感ということから言うと、単にデータに表れない、もしくは経済指標に表れないものも含めて、心象を形成しているというか幸せだなと思う、そういう要素も調べていくということもあります。また、北陸新幹線の開業によって、福井県でも幸福実感そのものも全国のトップクラスに出てきましたので、データによる幸福度ランキングと幸福実感の部分でも全国トップクラスの福井県が、まさにウェルビーイングな状況にあるということで、それを長く続けるもしくは全国に向けて発信ができる、そういうためにも官民共創でラボを作ってやっていこうと考えて、今回新しい仕組みを作らせていただくところです。
[記者]
この福井が、ラボを通してどうなってほしいかという思いをお願いします。
[知事]
人は幸せだなと感じるのが一番幸福だと思います。データであなたのところは一番ですよと言われるのも、一つの幸福を得る要素だと思います。資料にあるように、仕事に喜びを感じている人のウェルビーイング度合いは高いということでして、そういった要素がいくつもあると思いますので、これをわかっていただき、それを会社の経営にも取り入れていただいたり、いろいろな現場で団体のみなさんにもそういったものを高めるための活動をしていただく、そのためにも役立つラボにしていきたいと思いますので、ぜひみなさんにもご参加をいただきたいなと思っています。
[記者]
奥越キャンペーンの関連で、迂回路ですが、夏休み前に開通を目指すというお話でしたが、奥越土木事務所も毎日工事の状況をホームページで更新していますが、7月夏休み前までの開通というのが、確実に見通しが立っているのでしょうか。
[知事]
確実かどうかというと、相当厳しい工程だと今のところ認識をしています。まだ土砂の動きが止まっていないとか、最終的な調査も完全にはできていない状況ですので、年単位で本格復旧に時間がかかりそうということもありまして、仮橋のところも2車線を確保しようと、ちゃんと往復で行き来ができるように規模の大きいものにしようと思っていますので、安全を考えながらしっかりと急いでやっていくということ、それから、ちょうど梅雨の時期に入りますので、ここは大雨でも降ればどうなるか、状況は分かりにくいところはあります。安全を確保しながら、なんとか夏休みに前に間に合うようにという思いで今準備をしています。そのために今できることをどんどん、仮橋を作る準備を始めたり、機材も揃えてきたりとか、伐木をしたりとかこういうこともやっています。
[記者]
関連して国道158号のキャンペーンについて、確認の意味で聞かせていただくのですが、今回実際の現場は大野で、キャンペーンの対象は勝山も含まれているわけですが、この辺りは周辺勝山にも道路の影響が及んでいるために勝山も含めたという理解でよろしかったでしょうか。
[知事]
はい、先ほども申し上げましたが、恐竜博物館に来られているお客様は、このゴールデンウィークなどを見ても昨年よりちょっと多い、3%ぐらい多いですが、恐竜渓谷かつやまという道の駅のところには9割弱のお客様しか来られていない。やはりこうした代表的な場所でもそうした影響が出ておりますので、勝山市内にもこのはぴコインが使える企業が120以上あります。そういうところにも影響が出ている可能性がありますので、今回ここのところも対象にさせていただいているということです。
[記者]
「ふくウェル」の目的につきまして、重ねて質問なのですが、県民の方が仕事ですとか、どんな分野に幸福の実感しているかというデータを明らかにした上で、そのデータに基づいてこれからの県の施策にもこれを反映して、こういったところに力を入れておこうなど、そういった活かし方もしていくという理解でよろしいのでしょうか。
[知事]
おっしゃることももちろん考えております。ですから資料の2つ目のページのところで、大学などの研究応援ということにも力を入れていこうと思っています。新しい知見を得て、いち早くそういったことに取り組むことも大事だと思います。ただそういうことというだけではなくて、みんなが色々とウェルビーイングということを企業も含めて、もしくはいろいろなボランティア団体などもあるかもしれませんが、何か楽しかっただけではなくて、まさにウェルビーイングな状態をつくろうということの取組みは、企業活動、商売としても、お金儲けでもいいのでどんどん世の中を明るくしていく、楽しくしていく、気持ちを良くしていくという、こういう状況を作っていくことを、全体としてみんなで応援をしていく、応援し合う、もしくはその情報共有をし合って、そうすることで、ああ、そんな方法があるんだと気づきを与える、こういう場にしたいということで、いわゆる行政のために何かをやっていくということを超えて、社会全体のためにみんなができることを、しかも自分の商売も含めて社会を良くしていくということに、なんとか少しでもお手伝いができればというようなラボにしていこうということです。
[記者]
大野と勝山の周遊キャンペーンについて伺います。抽選はその場で随時されて、もし当たったらすぐにその日のうちにポイントが消費できるという、そういう建て付けなのでしょうか。
[交流文化部副部長(観光政策)]
その場ですぐに消費できます。
[記者]
県外の方が来て、なるべく長く滞在してもらうことにつながるということでしょうか。
[知事]
そうです。特に福井のいいものを手にしていただくことが大事だと思います。
[記者]
もう1点、ふくウェルについて伺います。すでに福井県として民間であったり、商工団体との連携というのは密にとられていると思うのですが、こういった組織を立ち上げられる意図というのを改めて教えてください。
[知事]
一つは、このPLAYCEという場所を設けていつでもみなさんにアクセスしていただける、もしくはそこのところで、資料にもありますが、これはワークショップのイメージですが、ここに来れば、いろいろなこういうウェルビーイングということについて関心の高い人に会えるという事も、非常に効果として大きいと思いますので、今回の場合は常設という形でやらせていただこうと思っています。単なる連携だけではなくて、そういった部分も大切だと考えております。
[記者]
奥越キャンペーンとふくウェルそれぞれ1点ずつお伺いします。まず奥越キャンペーンについて伺います。1億円かけられるということで、この財源はどこから出されるのですか。
[知事]
これは緊急的でもありますので予備費を活用させていただこうと思っています。
[記者]
ふくウェルについて伺います。福井県は過去にも考福学などそういう研究も進めてきて、企業のウェルビーイング、いわゆる健康経営についてもそういう実践事業所を募集したりなど、いろいろな取組みをしているのですが、これは一体これまでと何が異なって何を打ち出していきたいのかというのがいまいちわからないのですが。
[知事]
今も申し上げましたが、私もいろいろと議論するときには議論しましたが、研究にとどまったりとか、行政がこれを応援しますとか、どちらかというと行政主体で行政が発想してウェルビーングって何だ、など言ってそういったことを探求することにとどまらないことが大事だと。私はずっとこのことを考える時に議論の中でも一緒にやってきました。それはやはり大事なことは企業やいろいろな団体が自分のこととして、いろいろなことをやりたい、やることに対して誰が応援してくれるのか、もしくは気づきを与える、こういったことを、さっきも申し上げましたが、場所をつくって、そこに行けばできるという事を、事業としてあるだけではなく、それからまた研究成果として、それを行政が補助制度にするというだけではなくて、みんながやっていることをお互いに知り合ったり、それから私たちが、もしくは周りが応援できるようなことをするためにはどうしたらいいかということで場所を作り、それからまた幅広く、こちらからあれしましょう、ではない環境を作ろうということで今回ふくウェルを創設させていただこうと考えたところです。少なくとも今までよりは相当アクセルが踏まれるのではないかな、というふうに考えています。
[記者]
ふくまちブロックに作って、どれだけの企業の利用があるのかというのはまず疑問なところがあるのと、それと健康経営の情報共有とかは多分今までのやり方、取組みとかでもできると思いますし、この目的を県内の今、県民ないし県内企業だけで共有していくという話なのか、それともこれをもとに移住につなげるような発信を強化するための何か手段の一つにするのか、もう少しなにかいまいち腑に落ちないところがあるのですが。
[知事]
これは何人集まるかなど今のところは正直申し上げて未知数なところはあると思います。ただそこに行けば、ここのウェルビーイングのディレクターに会えるなど、もしくは必ずマッチングなど、相談事なども聞いてもらえるという場所があって、そういうところで県内の企業ももちろん集っていただく。ウェルビーイングでどんなことやっているのですかね、他のところは、ということを相談もしやすくもなることも明らかですし、さらに言えばこういう取組みそのものが、やはりSDGsなどでもそうですが、もともと、さっきも申し上げましたが福井県は幸福度日本一で、それから幸福実感も全国トップクラスに来ているところがまた新しくこういうことを始めて、しかも新しい知見が多分これからいろいろな形でいろいろな大学にも協力いただきまして、企業にも協力いただくので蓄積がさらに進む、そういうことをもっておっしゃっていただいたような福井県のブランド力というか、良さ、こういったことをさらに外に発信したり、若い人などの移住にも結びつくというふうにも思っております。とにかく今ある幸福度日本一、それから幸福実感全国トップクラスという状況を、指標に現れないものを、もっと感じていただける可能性を広げるためにもこういうことを始めていく必要性があるというふうに認識してやらせていただこうと思っています。
[記者]
5月12日に東京で新幹線促進大会がありましたが、改めて早期着工に向けてどういった意義があったと考えているのか、受け止めをお願いします。
[知事]
決議をみなさんで行い、これに向かって、一致団結して北陸新幹線建設促進同盟会だけではなく、沿線府県協議会、経済界、関西広域連合と一致結束して、あの後の要請活動もできました。今いろいろとルートの課題や京都府内でのいろいろな声があることについて報道等されている中で、きちっとした形でできたことは非常に意義があったと思いますし、実際にあの後の行動、私もずっともちろん一緒にいましたが、みなさんが一致協力してやっていこう、前に進めてほしいと力強く国に対しても言ったと思います。ルートのことが議論の経過の中でありましたが、今回ほど小浜・京都ルートで行くという声が各県から出てきたことも、結束したという感じがあったと私は思っています。
[記者]
結束もあったと思いますが、大会の時に石川の関係者が退席したり、ルートの見直しを求める資料が配布されたりという場面もありました。国家プロジェクトという以上、沿線自治体の理解も大切だと思うのですが、この温度差を知事として今後どう埋めていく予定ですか。
[知事]
退席されたと言いますが、ものすごい大人数で大半が抜けていく状況ではなく、物事は賛成の方もいれば違う考えの方もいます。しっかりとした考えのもとで、例えばルートの議論は事前に、もちろんいろいろなルートに限らず、関係県とは決議文をまとめるときにやり取りをしましたが、直接的には石川県ですが、石川県からはルートのことを米原ルートと書くべきだというような趣旨のこともいただいたので、それも諮らせていただきましたが、これについては明快に他の県はおかしいということで反対もありました。みんなで共通してできる京都の課題をしっかりと解決していくといった趣旨も盛り込んで、これについて馳知事も決議文としては十分とおっしゃってもいただいているので、折り合いはつけながらしっかりと前に進めていく体制を作っていくのはやはり大事だと思います。賛成反対ということは全てについて全員が賛成することはなかなか難しいので、これからもできるだけ一体として活動できるように、意を用いながら折り合いをつけながらやっていく。その上で外に向かって声を大きくして発信していくことが大事と思っています。
[記者]
時間もやはり限られてくると思いますが、そういった中で今後沿線自治体の理解をどれぐらいの時間をかけて早期着工に向けて動いていこうというおつもりですか。
[知事]
時間は両面あると認識しています。1日も早く乗り換えなしで、大阪まで全線開業する、認可・着工を勝ち取っていくことは重要だと認識しています。ただ昨年末の与党整備委員会での中間報告にもありましたし、今回の議論の中でもそうでしたが、これは時間をかけてでもしっかりと沿線のみなさんの考え、不安を払拭していくことが大事だという意味の時間もあるわけで、こういったところは両方見ながら、決して、逆に言うと変に時間制限を設けてやみくもに突進するやり方が、私は正しいと思いませんので、できるだけ沿線のみなさんの理解を得ながら客観的な情報発信もしっかりして説明もした上で、適切な時期に最後の判断をしてもらうということなのだろうと思っています。1日も早く大阪への全線開業を目指して、沿線のみなさんの不安の払拭の活動も今回要請活動の中でも国に強く求めたところです。
[記者]
昨日、石川県でも知事会見があって、その中で馳知事が当日杉本知事とも本当に本音で話すことができたと発言していましたが、杉本知事からも当日石川県の馳知事と本音ベースで話ができたのか、どういった会話があったのかお聞かせください。
[知事]
当日そのような会話したのは、後には懇談の場もありましたので、それが終わった後の話としてはありますが、1番はルートの話について、米原ルートということについて他の県の理解は得られないと話しました。その上でこれから我々が超えていかなければいけない課題として、京都が掲げている7つの懸念事項の項目、これだけではなく例えば京都の中であと3つ、施工上の課題を早期に解決する、全線開業に向けたスケジュール感を明らかにすべきといったことも、石川県だけでもないですが、こういったところでいただいた意見を踏まえて、内容を元々の案から言えば踏み込んでいますので、両者の考え方の隔たりの部分を少しでも埋める形ができたと思っています。そういったところを2人で話し合った、もしくは私は2人だけでやっているわけではなくて、私は受けた後には各県に回しながら、意見を伺いながらやっていますので、全部の中でそういった議論は進めることができたと認識しています。
[記者]
京都側の理解を得ていく時間のかけ方についてですが、馳知事は、今日付けの新聞ですけれども、年内に京都の理解を得ることが不可欠であると。その発言の裏には、それがダメだったら、おそらく別のルートの再考もすべきだという趣旨だと思っていますが、先ほど、杉本知事は、時間制限を設けて闇雲に突進するのは必ずしも正しくないと発言されましたが、京都の理解を制限をかけて得ていくべきという発言に対して、改めてどのように考えていらっしゃいますか。
[知事]
昨日の会見を伺っていませんし、新聞まで読んでいなかったのですが、先日馳知事ご自身がおっしゃられていた言葉の中に、これは京都の課題というのは一朝一夕には行かないということを明言されていたので、今のことをおっしゃられているのは、どういう流れの中で言われているのかなということは、少しまず申し上げさせていただいて、私も横で聞いていましたので、京都の課題は一朝一夕に片付くことではないので、だから大事にしていかなければいけないと馳知事ご自身がおっしゃっていましたので、そこは私は、時間軸のところは馳知事もどうお考えなのかなと少し思いました。ただいずれにしても、馳知事自身、私は横で聞いていて、ちゃんと京都の課題に時間がかかるということはお考えなんだなということは認識しておりますので、その範囲の中の何か、もう少し急ぐとか急がないということを言われているのかなと。それについてはいくらなんでも、今年の年末がどうということもないのではないかと思っております。
それとともにぜひ、私も申し上げましたが、鉄道・運輸機構などの話をよく石川県のみなさんも聞いていただくというのは大事だと思います。科学的な見地で、いろいろと今回一般的な環境アセスメントだけではなくて、非常に詳細に新幹線事業推進調査をやられていて、相当詳細にいろいろな水の流れや、ほかの影響なども調べられているというのは、私が話を聞かせていただいた印象ですので、馳知事も記者会見でおっしゃられていましたが、石川県内ではまず、私が米原ルートに反対していることや、それから三日月知事が求めていないということがほとんどみなさん知らないと、もう少し報道もしていただきたいなということもおっしゃられていました。そうした客観的な科学的な状況ということも含めて、よくお話を聞いていただいて、またご判断もいただくということも大切なのかとは思うところでございます。いずれにしても、そういった努力は国がしっかりとやっていくべきだと思っております。
[記者]
5月12日の大会について、沿線の各知事が参加されていましたが、去年の春の大会に続いて今年も京都府と大阪府の両知事は参加をしなかったわけです。副知事が代理で出ていました。この点馳知事も、特に京都ですが、この両府知事が不在という現状がこの同盟会の議論の、言葉が正しいか分かりませんが、行き詰まりを象徴していると、その証拠であるというような発言をされていて、ぜひ京都府の府知事が出席すべきだというようなことをおっしゃっていました。先日の大会に京都府知事、大阪府知事が不参加だったことについては、杉本知事はどのようにお考えですか。
[知事]
これは単純に、吉村大阪府知事とお話をしていると、本当に万博で日々いろいろな要人を迎えるなど忙しいんですと日頃からもおっしゃられていますし、京都府知事も、決して西脇知事が出られないわけではなくて、過去にも何回か出ていただいたりもしておりますので、両方とも日程の調整の結果だと認識をいたしております。是非ともまた今後とも、本当はみなさんが合う日にしたいですが、ほとんど1年中どう探してもないので、現実の問題として、また出ていただける日をできるだけ選べるようにできればいいですし、積極的にご参加もいただきたいと思いますが、とはいえ何も、会議は代理の副知事さんがしっかりと知事のご発言を代読もされ、話もされておられて、それでまずは今の課題をなんとか乗り越えてほしい、そういったことについても決議案の中で入れさせていただいておりますので、これはもうみんなで一致して進めていくと、京都府を含めて、こういうことだと私は認識をいたしております。
[記者]
代理で西脇府知事のメッセージが読まれましたが、代理とはいえ、そこに府知事の思いというのは入っていたという受け止めということですよね。
[知事]
もちろんです。代理は、まさにご本人さんの代理ですので。
[記者]
これから来年度の認可・着工をもう目指していくのであれば、夏の概算要求が新規着工予算計上に向けての1つの山場になるのかと思っております。今年の夏の概算要求に向けて、これから中央要請がさらに本格化していくと思いますが、改めて知事はどのようなこの予算を訴えていくか、前年のように金額を定めない事項要求みたいな形にしていくのか、知事のお考えを教えてください。
[知事]
どんな形の予算要求っていうのは、国土交通省がどうするかということではありますので、もしくは国として最後年末にどういう決着をするかということもまた国ですので、私どもは具体的にこれをこうしろと、去年もそういう言い方はしていないと思っておりますが、今から言えば令和8年度中の認可・着工に向けて、それができるような予算編成、もしくは概算要求、こういったことをお願いしていくというのは昨年も同様ですので、これから、やり方はどうなるのかはまだ決めていませんが、福井県としても、これから重要要望というものをやらせていただきますので、これは各県同じようなこともあると思いますが、そういうようなことも通じながら、また昨年のように概算要求の前にまた何かするのかもしれませんし、この辺のところはまた同盟会の中でもご相談させていただきながら進めていきたいと思っております。
[記者]
整備委員会の委員長である西田昌司氏が、この夏の参院選で改選を迎えるわけで、整備委員会の委員長という非常に重要なポジションという中で、ひめゆりの塔を巡りまして、やや波紋を生むような発言もされておりました。このひめゆりの塔のその認識の評価をお聞きするわけではなくて、こういった西田昌司氏の少し軽率とも思えるような、この発言、この騒動を、知事はどのように眺めていらっしゃったのかお聞きしたいです。
[知事]
軽率、騒動というようなことの認識は私が持っているわけではございませんので、ご自身にひめゆりの塔についてのご認識であったりとか、その展示についてのお考えだったりを持つということ自体は、これは誰もが許されることだと思います。そういうことについては、そのこととしてご自身でご自身の話した中身についてのいろんな質疑についてはしっかりと答えていただく必要があるというふうには思っております。その上で北陸新幹線との関係、直接は関係ございませんので、私どもとしては、西田先生が今整備委員会の委員長でもあられますので、ぜひとも引き続きこの北陸新幹線の建設促進については、一緒にタッグを組んで進めさせていただきたいと考えているところでございます。
[記者]
同じく新幹線のこの前の建設大会の件でお伺いします。大会当日に馳知事の方から米原の再検討を求める県民会議の決議文が配られたと思います。馳知事本人から杉本知事に了承を取った上で配布をしたと説明があったようなんですが、どういうお気持ち、お考えの中でご了承されたのかまずお伺いします。
[知事]
これは馳知事と色々お話をしていて、そういう中で決議文については賛成だと。一方で石川県内にはこうした考えがあるということの表明はしたいと。このような大きな流れの話し合いの中で、紹介するということそのものを止めるということではないので、私が言ったのは決議案に反するようことをそこで言うようだと決議案に賛成しているという事と違いますよねということは付言しながらやってましたが、ご紹介されるということについて、石川県内の事情ということもおっしゃられていましたので、そういう意味では必要だなと考えて、配っていただいてご紹介いただくということについては結構ですよと申し上げさせていただきました。
[記者]
石川県の県議の一部では途中で退席された方もいらっしゃる中で今後沿線自治体の足並みが全く乱れないと言い切るのは、やはりなかなか今の状態では難しいのかと思います。乱れが顕在化するリスクっていうのは今後も抱え続ける中で、杉本知事として不安に思われていることはやはりあるのでしょうか。
[知事]
不安なことだらけですけれども、一糸乱れずということは何事においてもほぼないと思います。みなさんいろいろな考えを持ちながら、全体の中でそういうのを調整しながらやっていくのだというふうに思っていますので、今後ともできるだけ、みなさんの総意を一つにまとめられる努力を続けていくということだろうと思います。大切なことはそのことを国にしっかりと伝えていくことだと思いますので、私としても同盟会の会長させていただいておりますので、それに向かって必要なことを、今後とも努力をさせていただこうというふうに考えております。
[記者]
何か今後福井県として石川県に新たなアクションを取るとかそういった話は今のところはないですか。
[知事]
石川県も基本的には国に対して強く求めていくということをおっしゃられていると思いますので、我々も同じ方向だと思っております。その上で我々も沿線も含めて、北陸新幹線の小浜・京都ルートについての必要性や意義とか、これはもちろん国や機構が前面に立って行っていく必要性がありますが、3月25日に全面広告出していただいたりしていますけれども、これの意義については同盟会としても福井県としてもしっかりとみなさんの意識の醸成、こういったものもしていきたい。先日も京都の駅のところで北陸新幹線いるよね、というキャンペーンも福井県としてやらせていただきましたが、こういったことをいろいろな形で行っていくのだろうと考えております。
[記者]
先ほどご発言の中で、石川県の方で鉄道・運輸機構のお話をよく聞いていただくことが大事だという話がありました。客観的、科学的な状況を含めて判断していただくというのが大事だと。これは知事の現状のルートをめぐる議論が一部報道も含めて対立軸で語られている事への違和感であったり、今現状冷静な議論がされていないという認識での発言だったのかどうか教えてください。
[知事]
ここはまさに馳知事もしくは今回の決議文の中にも入れさせていただきましたが京都の課題をまずは解決するということを入れさせていただきました。この点についてのなんというかこう不安というか、心配がおありということのようですので。これはもう内容的には住民のみなさんの考えが基本ですけれども一度話を聞いていただくと科学的な状況はこういうことなのだということもご理解いただけるかなと。そういうことも含めて、京都の課題のこれからどうしていくべきなのかとかいうことももう一歩考えを進めていただくということもあるのかなということです。これは私自身が話を聞いてある程度、もちろん質問なんかもいろいろさせていただいていますので、そういったことについて引き続き状況を見ながら聞いていくとかいうこともあるかもしれませんが、その上である程度納得をした部分が大きかったので、こういったことの同じようなことされたらどうですか、という趣旨で申し上げたというところです。
[記者]
加えて1点だけ、他県のことなので福井県が石川県のみなさんに鉄道・運輸機構のお話を聞くような機会を作るというのは簡単ではないと思うのですが、すでに福井県としてもその解説動画とかそういうところでいろいろPRはされていると思います。今後、福井県、同盟会会長として石川県側にそういう働きかけをする方針か、もしくは先ほどおっしゃったように機構であったり国に求めてという形になるのか今後の方針をお願いいたします。
[知事]
これは国家プロジェクトですので、国が決めて、国がルートも決めて今進めている事業ですので、当然一義的には国と機構がということだと思います。しかし、我々は要請・要望している側ですので、ただ放っておくということもありません。できるだけ客観的な状況、こんなにメリットがあるということについてはみなさんに知っていただく。ただこれは決して石川県に対してとか京都府の沿線のある地域の人たちだけにというよりは、やはり機運の醸成というのは大阪も京都もそれから小浜なんかは今非常に同盟会もできて、また協議会とかができて盛り上がってきていますけれども、沿線全体で非常に重要なことですので、これは決して石川県に対してとか京都府に対してという意味ではなくてできるだけまずは沿線、それからさらにはもう全国のみなさんにもご理解が進んで、これ必要じゃないかと、この国家プロジェクト重要じゃないか、というような機運醸成は力を尽くしていきたいというふうに考えております。
[記者]
与党整備委員会が2月に開かれて以降開催されていないと思います。昨年の流れですと7月の概算要求の前あたりに一度どういう方針かみたいなのが、見えてきたかと思うのですが、現状与党の方がどういうふうに北陸新幹線の延伸に関して動いていくのかが2月以降見えてこないことについてはどのように感じていらっしゃいますか。
[知事]
これは活発に、活発というのが回数開くことなのかどうかというのは段取りのところもあると思いますので、ここは西田委員長はじめ整備委員会のみなさんにぜひ積極的にという意味ではどんどん前に議論は進めていただきたいというふうに思っております。ただ一方で、昨年の場合ですとまずはルート問題とかが確認がされていないというような、されているということに最後はなっておりますが、そういう議論もあった中で早く1回開けとかこういうような議論が昨年の場合はあったかと思います。昨年の12月に中間報告がされてその中でやるべきこととして、科学的な根拠に基づいた丁寧な説明をしっかり尽くしていけというような趣旨のところとそれから安定的な財源の確保、それから費用対効果、こういったものの検討について進めていくとか京都におけるだったか、拠点をしっかりと設けながら体制を強化してやっていく、こういうようなことが書かれていたと思います。
これに対しても2月の初めだったか、まずは財源議論、これが始まったというふうに認識をいたしておりますし、それらも踏まえて3月25日には京都府内の自治体向けの説明会が開かれて、そこでのご議論を踏まえてさらに幅広く、今あの地域に入ってもしくは業界とかいろんな形だと思いますが、まだちょっと私は詳細までは知りませんが、説明会をいろいろ開かせていただいていますという話は聞いておりますので、整備委員会での議論というのを踏まえた動きがどんどん今広がっているところだと思います。今回の要請活動でも国に申し上げましたけれどもこういったことをどんどん力強く前に進めていただきたい、そういうふうには思っております。ただ具体的にいつ何を開くかということはもちろんどんどん開いて私たちは財源の議論とか費用対効果の議論をさらに深めてほしいと思いますのでこういったことは引き続きいろいろな形で申し上げていきますが、委員会の中でよく話し合って進めていただきたいというふうに思っております。
[記者]
今その京都の懸念というのが解消されずに小浜・京都ルートの認可・着工の時期が見通せない状況の中で先ほど知事はその令和8年度の認可・着工に向けて要請していくとおっしゃっていましたが、それでよろしいんですか。
[知事]
まずは令和8年度中の認可・着工ということを目指すということはあります。ただこれはまずはであって、当然先ほど申し上げた時間には2つの意味があるということから言えば、そこのところは国の方にもいろいろご判断もいただくことはあるとは思っております。
[記者]
認可着工に向けてはまず京都府の今2案になっている詳細ルートを1案に絞ってアセスメントを進めていくというのもありますが、その前提として京都の理解というのが必要になるという認識でよろしいですか。
[知事]
これは一定程度理解が進まないとだめであるということは十分に認識をいたしております。
[記者]
知事としてこの京都の理解というのは、西脇知事が理解を公の場で示すということとイコールとお考えでしょうか
[知事]
ここは最終的にどういうプロセスを踏んで物事が決まるかということはまだ今そういう段階にはないというか、最終的には国がそこのところを考えながら判断をしていくところと認識をいたしております。
―― 了 ――
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