知事記者会見の概要(令和元年11月13日(水))
令和元年11月13日(水曜日)
11:00~11:50
県庁 特別会議室
【知事】
今日は、2点、私から発表をさせていただきたいと思います。
1点目は、私が県内での短期移住生活「微住」を体験させていただきます。
[資料:知事の短期移住生活「微住」]
日ごろから「徹底現場主義」と申し上げております。基本的に県内では福井市内にいて、そこから毎朝出かけていき、時々、小浜など、嶺南に泊まったりということもありますが、いずれにしても、そこに本当に1泊するというような形ですので、県内での生活、文化、その地域というものにもっと触れるということができると思います。さらには、県庁から県内のいろんなところを見るという癖がついてしまっていますので、いろんな地域に住んで、その地域から県庁がどう見えるかということを考えるいい機会にもなると思い、微住を計画させていただいております。今回は11月19日から3泊、おおい町の「やまぼうし」に住まわせていただこうと思っています。
できるだけ地域の環境になじんでと思っていますので、短期の体験移住ができるような場所を利用しております。これからもこういったところがあればお借りもしますし、また民泊のような形など、少し違う工夫をしながら、随時続けていきたいと思っています。
イメージから言うと、例えば大野に住んだ時は県庁に通うということができますので、そういう方法もあると思いましたが、今回はおおい町ですので、さすがに毎日通っていると体も疲れますし、時間も往復だけで相当かかります。そういうことから、今回は嶺南振興局の若狭合同庁舎がありますので、そこを中心に職場と定めながら、ふだんあまり濃密に行けないような場所に行くということを続けてみたいと思っています。また、地域の方ともいろんなお話し合いもさせていただこうと思っております。
2点目は、小説の「2.43 清陰高校男子バレー部」とのコラボ企画についてございます。
[資料:福井県×小説「2.43」コラボ企画]
私も読み始めたばかりで、あらすじ程度しかわかりませんが、男子高校バレー全国大会のネットの高さは2m43cmですので、これに向かって一生懸命、福井県を舞台にして青春群像が描かれるということでございます。
この中で、今回は書きおろしのショートストーリー3編を、12月の中旬から企画専用の特設WEBサイトで公開いたします。この特設WEBサイトでは、作品に登場する福井県のいろんな観光地等も詳しく紹介します。また、来年の3月には、全国の書店約1,000店舗において、福井の風景と「2.43」のキャラクターを組み合わせたビジュアルのポスター、POPの掲出や、しおりの配布を行うそうですので、我々も大変期待しております。ぜひとも皆さんにも読んでいただいて、多くの方々に「2.43」の舞台である福井県の魅力を知っていただきたいと思っています。
~質疑~
【記者】
微住について、地域住民との意見交換がありますが、どのようなテーマで行うのでしょうか。
【知事】
熊川宿で地域住民の方とお話をさせていただくということになっていますし、あまりテーマを設けるというよりも、日ごろ感じていらっしゃることや、今こういうことが足りない、こんなことをしてもらったらいいのではないかというようなご提案などもあると思います。嶺南に住んでいて、日ごろから県庁が遠いという話など、嶺北とは違う感覚をお持ちだと思いますので、そういったことを幅広く承ってこようと思っております。
【記者】
引き続き微住についてお伺いします。「やまぼうし」に泊まることが微住なのか、その後の朝から夕方までの業務を含めて微住なのでしょうか。つまり、日中の時間帯は、知事として嶺南振興局で業務もされるのでしょうか。
【知事】
私の微住のイメージは、住むということをまず中心にして、そこから仕事に通うということが基本的にあると思っています。今日はどこに行かないといけないということは、福井市内出発なのか、おおい町内出発なのかという違いだけで、日ごろと同じ仕事をしようということが本来の趣旨です。今回は、日ごろできていない嶺南での活動を、住むところを中心に組み立ててみたという感じだと思っています。
これから展開していく時は嶺北もかなり増えてくると思いますが、通える時は県庁に通って普通に活動するということもあると思っています。
今回は、いろいろ現場を見て回るということが増えるかなと思っています。
【記者】
今、他の地域でもとおっしゃいましたが、今後は嶺北でもやってみようという考えもあるのでしょうか。
【知事】
私の思いとしては、年に2回ぐらいは福井市内を離れて、17市町を順次回れるようにしていったらいいかなと思っております。
【記者】
微住について、資料に記載されている主な日程以外の時間は、県内外の公務をされながら、おおい町に戻るというイメージでしょうか。
【知事】
そうですね。しかし、ここに書いてあるのは主なものですので、ふだん行くことができないところを見させていただいたり、お話を聞かせていただくということも多くなるとは思います。
【記者】
地域交通による通勤体験は、具体的には小浜線でしょうか。
【知事】
そのように聞いております。小浜線に乗ってみようと思っています。そういう毎日を送っていらっしゃる方もいると思います。私にとっては非常に新鮮な体験ですが、日々そういうことをされている方もいらっしゃる中で、同じ空気を吸ってみたいというところであります。
【記者】
小説「2.43」とのコラボについてお聞きします。今回のコラボにより福井県の魅力などを全国に発信するということですが、改めて、例えば観光誘客につなげたいなどの狙い、今後の広がりへの期待をお聞かせください。
【知事】
こういった小説を好きな若い方が多いと思います。また、読者層は30代、40代の女性が中心と聞いていますので、そういうところに訴求力が非常にあると思います。あまり福井、福井と言うと、「ああ、福井か」というところからイメージが入ってしまいますので、それよりは、こういった自分の好きな小説、さらに、アニメ化もされますので、また別の人たちが注目を集めてくれると思います。その中で、舞台はどんなところだろう、ここの雰囲気いいなという気持ちから入って福井を見てもらえるということは、我々のやり方、ふだんのアプローチの方法とは少し違うと思いますので、そういう意味で、新しい福井を発見していただくということにもつながっていくと思います。
また、より多くの人に認知していただくことにより、結果としては観光にも資すると思っていますので、そういう意味では、期待もしていますし、県としても、いろんなコラボ企画を考えています。もう1つは、ふだんとは違う仕事の仕方というものを職員も考えつく、やっていける、そういうような新しい1つのフィールドみたいなことにもなりつつありますので、そういった展開も期待しつつ進めていきたいと思います。また、必要があれば事業化したり、予算化するといったこともしていきたいと思っております。
【記者】
微住について、どのような成果を期待しますか。
【知事】
どのような成果ということを決めつけるつもりはありませんが、やはり、おおい町に住むということだけで、私自身としても気持ちの上では新鮮です。また一方で、日々そこで暮らしていらっしゃって、そこで例えば県庁、福井県というものをどのように感じているかということも興味のあるところです。正直申し上げて、おおい町まで行くと、便利なところは福井市内というよりは、舞鶴や京都に目が向いていたりするのではないかと思います。ですから、そういうことを肌身で感じることができると、これからの施策の展開も大分変わるなと思っています。
私の頭の中では、北陸新幹線が全線開業すると、京都と小浜が19分で行き来できるようになって、嶺南が京都に取られてしまうということを口にしていますが、多分、生活していらっしゃる方はそれが日常の中に既にあって、それがさらにもっと身近になってくると、私にとっての危機感というものもさらに強くなってくると思いますので、そういうことを感じる意味でも大切だと思います。やはり住むということは、そこで同じ物を食べさせていただいたり、空気感を感じたり、生活のリズムというものを持つということですので、そういうことも、私にとっても、またそれは県政全体にとっても大事なことではないかと思っています。
【記者】
微住により新幹線や施策の展開というお話がありましたが、最初におおい町での微住を選ばれた理由を教えてください。
【知事】
1回目ですので、一番遠いところという意味で、高浜や、おおい、小浜などを考えていて、微住する場所をいろいろと見ました。やはり住むところも重要ですので、おおい町にいい場所があったということです。
【記者】
関西電力の金品受領問題に関連して、県が職員への金品受領を調査する委員会を設置して約1か月となりますが、進捗状況をお聞かせください。
【知事】
該当する部署にいらっしゃった方は、ご存命の方全ての皆さんにヒアリング等をしていただいたり、過去の工事や請負の契約の関係の資料も全部見てもらっています。非常に膨大な作業量ですが、ヒアリングはかなり順調に進んでいると聞いております。
これは調査委員会にお任せしておりますので、私から軽々に申し上げられませが、今月中には結論をいただけるのではないかなと考えております。
【記者】
調査はどの程度終わったのでしょうか。
【知事】
ヒアリングだけで言えば、概ね300人を対象に、8割、9割は終わっていると聞いています。しかし、それをどうまとめるか、何か課題があるのであれば、それに対してどのような処方箋があるのかということもあわせてお願いしています。また、工事関係のいろんな書類の調査もしてもらっています。全体の作業量のうちどこまで進んでいるかは分かりませんが、ヒアリングは今申し上げたようなことですので、かなり進んできていると思っています。
【記者】
著しく儀礼の範囲を超えているといった事例はあるのでしょうか。
【知事】
私、進捗状況は聞いていますが、中身については聞いておりませんので、今、私が申し上げられる状況にはないということです。
【記者】
県の調査委員会の状況ですが、調査委員の弁護士の方は誰をヒアリングし、また職員は誰をヒアリングしたというような体制についてお聞かせください。また、知事ご自身がヒアリングを受けられたのかどうかお聞かせください。
【知事】
詳細は事務局に聞いていただきたいと思います。私はヒアリングを受けました。私の時を例に申し上げると、委員である弁護士の方と書記役の職員がいて、委員の先生から質問を受けて私はそれにお答えするという形でした。
そういう意味では、部長級以上の方が同じような対応をしているのかなと思いますが、県外にいる方には、しかるべき職員が行って同じ趣旨の質問をして聞いてきていると聞いております。
私はあまり細かいところまでは存じ上げませんが、大きく言うと職員へのヒアリングが1つあります。もう1つとしては、過去の建設工事、請負契約といった内容について調査をしています。過去の文書を遡って、何か変わった点がないかを調査していると聞いております。
また、監査でもそういったことを見ているという状況だと思います。
【記者】
知事は調査の場でどのような回答をされたのでしょうか。
【知事】
隠すつもりはありませんが、私の発言が他の職員に影響を与えてはいけないと思いますので、全体の中でまた見ていただければと思っております。
【記者】
儀礼の範囲を超えるような金品の受領がご自身にあったかどうかを伺えないでしょうか。
【知事】
遠くない時期に結果が出ると思いますので、いずれも報告書の中で見ていただければと思います。
【記者】
今月中にも調査結果が出ると考えていらっしゃるというお話でしたが、それは調査委員会としての公表が今月中になるというお考えなのでしょうか。
【知事】
今、申し上げたことは、事務局の職員との話であり、最終的には調査委員会で決めることですので、私からいつとは申し上げられませんが、概ね今月中に、調査の結果、対処の方法、また、何か課題があれば、そういったことも含めて何らかの形でご報告をいただけるのかなということです。
【記者】
中間報告ではなく、最終的な報告ということでしょうか。
【知事】
そこはどちらになるか分かりませんが、今、大きく遅れているとは聞いておりませんので、最終的な報告の形になってくると思っております。
【記者】
調査結果の公表について、知事には調査委員会から報告があると思いますが、マスコミなどに対しての公表方法は今のところ何か考えはあるのでしょうか。
【知事】
これも調査委員会で決めていただくことですので、私が軽々に申し上げられませんが、皆さんにもしっかりとお伝えできるような方法をとられるのではないかと思っております。
【記者】
公表方法について、例えば調査委員会が発表という形ではなく、知事への報告をもって県から発表するというスタイルも考えられますが、知事の中ではどのような形が望ましいとお考えでしょうか。
【知事】
望ましいかどうかは分かりませんが、今、検討いただいていることは、やはり委員の方と事務局を務めた県の職員が一緒になってご説明させていただくのではないかと思っております。
【記者】
知事がヒアリングを受けたのはいつでしょうか。
【知事】
11月5日です。
【記者】
中部縦貫自動車道大野油坂道路について、先日、国土交通省で事業費の再検討を行い、800億円増額した2,310億円になる見通となりました。福井県としては、北陸新幹線福井・敦賀開業と同じ時期の開通を要望していますが、現実として、残り3年弱での完成はなかなか難しい状況になってきていると思います。県の希望する大野油坂道路の完成時期については、県として現在のところ変更する考えはあるのでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおり、残事業費は1,600億円ぐらいになりましたので、私も正直言ってびっくりいたしました。今までの残事業費は約800億円でしたので、二百数十億円を3年続けて行っていくということを国に対してお願いしていたことが、単純に割れば年間約560億円というような規模になっていますので、そういう意味では、非常にハードルは高くなったなと感じております。
ただ、すぐに井上近畿地方整備局長にも連絡させていただいて、これ以上事業費が増えていくということ自体が大きな問題にもなりますので、内容を確認させていただきました。井上局長からは、ルートを決めるような程度のボーリング調査だったものを、今回は、基本的にもう掘り始めていますし、その他のところも詳細な調査をした結果ですので、大きな何か突発的なことでもなければ、大体この範囲内に収まるというお話をいただいています。
そういうことから言うとある意味、本当のゴールが見えてきたわけですので、五百数十億円という金額は非常に大きいですが、過去の事例では、単年度で600億円から800億円の工事費を確保した他県の実績もあるように聞いておりますので、我々としては、今のところはさらに工事の量が増えましたけれども、ぜひお願いしたいという要望を続けていきたいと思っております。
また、明日、岐阜県や長野県、さらに中部や北陸の経済界も入っていただいて、中部縦貫自動車道の建設促進大会を開かせていただきますので、その中でも結束していこうということを確認していきたいとに思いますし、国に対しても要請していきたいと思っています。
【記者】
大野油坂道路の完成時期の要望としては、北陸新幹線の福井・敦賀開業と同じ時期に完成するように進めてほしいという点は変えないで要望していくということでしょうか。
【知事】
今の段階で変えるということはないということです。正直言って、相当ハードルは高くなったということは感じていますので、可能かどうかということはありますが、今申し上げたとおり、過去に相当の事業費を1つの県で進めていった例もあります。今後、他の方法も出てくるかもしれませんが、今の段階では北陸新幹線の福井・敦賀開業と同じ時期にということをとにかくお願いをしていこうと思っております。
【記者】
中部縦貫自動車道大野油坂道路に関して、事業費の面とは別に、技術的には可能なのでしょうか。
【知事】
技術的に不可能ということは一切聞いておりません。私もよく分かりませんが、今までの堀り方では進められないところは、養生をしっかりとしていくようですので、建設費等もかかっているのだと思います。
どこまで事業を進められるかということも、技術的にもう一回考えないと分からないところはあるかもしれませんが、今のところ、工事ができないというようなことにはなっていないと思っています。国としても建設をやめようという話は一切ございません。
【記者】
2,310億円を確保するということはかなり厳しいので、国土交通省としても、今後のコスト縮減に努めていくという話をされていますが、今、県として、コスト縮減に向けた提案について、具体的に考えておられることなど、何かありましたら聞かせてください。
【知事】
先日、井上近畿地方整備局長とお話をさせていただいた時も、最近、工事費が増嵩する事業が増えていますので、全体をパッケージしながら、進捗状況を確認できるような体制、委員会にするのか、形は今決めていませんが、まずは我々と国との間の意思疎通、それが常に図れるようなものを持ちましょうということを申し上げていまして、それはご同意いただいていると思います。
その上で、県としても、例えば工法をどう変更するかというところは技術的、専門的なところもありますが、例えば今回増えている中では、土や岩をどこに捨てるかというようなことでも増嵩している部分があります。あとは、工法も県で考えて、道路の付け替えの方法など、ここはこういうようなやり方があるのではないかという提案もしたいと思います。これまでも県が入って議論する中で工事費を安くしたという例もありますので、我々としてできること、例えば、土を捨てる場所を紹介したり、工法についても、我々としての知見も活かしていけるようなところがあればお話しさせていただく。また、そういう話し合いができる場を一緒に設けさせていただく。井上局長もおっしゃっていましたが、今回の事業費は上限ですので、その枠の中で少しでも縮減できるように一緒に努力していきましょうというお話もしているところです。
【記者】
確認ですが、毎年行っている知事と近畿地方整備局長、北陸地方整備局長との会議ではなく、それとは別に、中部縦貫自動車道についてのコスト縮減、工事の進捗なども全部含めた会議体を設けると考えればいいでしょうか。
【知事】
はい。別に設けて、これだけではなく、最近事業費が増えている事業、そういった県内で行っている大きな事業について、個別にしっかりと、担当者同士で話し合いができる場にしたいと思っています。
【記者】
知事と局長との会議ではないのでしょうか。
【知事】
私も入っていいと思っています。私と局長の間でということだと思っています。
【記者】
足羽川ダムも近畿地方整備局ですが、足羽川ダムなども含めてという形でしょうか。
【知事】
そうです。
【記者】
豚コレラに関して、ワクチンを接種した豚が今週の15日に出荷が可能になると思います。県内の養豚場の出荷スケジュールをお聞かせください。
【知事】
10月25日にワクチンを接種した豚については15日から、26日に接種した豚は16日から移動が可能になります。15、16日から、岐阜県と石川県、富山県のと畜場でワクチンを接種した福井の豚についてと畜が始まりますので、それ以降、福井ポークなどの福井の豚の商品がまた店頭に並ぶというような状況になっているということです。
【記者】
改めて、出荷に当たって県として対応していくことは何かありますか。
【知事】
いつも申し上げているとおり、豚コレラのワクチン接種そのものは、特段人間に対して影響があるというものでは全くありません。味にも影響はないということですので、我々としては、風評被害対策というよりは、美味しい福井ポークということで、みんながまた楽しく食卓に出して囲めるような雰囲気づくりをしたいと思います。例えば「ふくい農林水産まるごとフェスタ」が16、17日にあります。ここの中で、17日には福井ポークを皆さんに食べていただくようなイベントを行います。またWEBサイトや、他の方法も含めて、美味しい福井ポークという宣伝をこれから十分に行っていきたいと思っております。
また、国にも各県と一緒になって、風評被害対策や、消費拡大のお願いは引き続き行ってまいります。先日も、岐阜県や石川県の知事との懇談会でもそういうお話で一致しております。
【記者】
野生イノシシ対策について、農林水産省が防衛省と連携して空からの経口ワクチン散布を検討しているという話がありますが、福井県内での実施予定はあるのでしょうか。
【知事】
私は県内の予定のことは今のところ聞いていません。詳しくは担当課に聞いていただければと思いますが、江藤農林水産大臣のところへ伺った時にそのお話をされていました。一気にたくさんの経口ワクチンを散布するという方法がなかなかない中で、非常に効果的な方法だというようなことをおっしゃられておりました。例えば山の中だと、人間が入り込んで行うのは非常に難しいですし、時間もかかる。そういう中で効果的だというお話を伺っています。福井県内に限らず、イノシシは移動して歩いていますので、効果は期待しているということです。
【記者】
9月から3つの原子力発電所で、作業事故が起こっています。関西電力も安全最優先に取り組むということですが、知事の受けとめをお聞かせください。
【知事】
1例目の時にも関西電力には申し上げましたが、今、関西電力を取り囲んでいる環境は、従業員の皆さんにとってもやはり芳しくない、どちらかというと気落ちするような状況になっています。そういうような中ですので、より気を張っていただかないと、もしくは、ただ尻をたたくのではなくて、管理する側がしっかりと仕事の進め方のところを見ていくということが大事だと思います。そうしないとこういうことは連鎖するという話もしていましたので、そういう意味では危惧しています。ですから、常に重ねて関西電力に対しては労務管理、労働災害が起きないような環境をつくっていく、そういうことをやっていただくように申し上げていますし、これからもしていきたいと思います。
【記者】
3件のうち2件については、特定重大事故等対処施設関連のトンネル工事で起こっています。一時、工事を中断していましたが、そもそも工期が遅れていて、現場にも焦りみたいなものがあるのかと思います。工期の遵守ということと、安全管理のバランスについて、どのように考えているのでしょうか。
【知事】
それも言うまでもなく、原子力発電所の運転にかかわらず、工事は当然のことながら安全に行っていただくことが大事です。経営の側から工期を守るようにということがあるのかもしれませんが、まずは現場の安全第一、それをほぼ全て行っていただくことだと思います。
【記者】
福井市長選まで1か月を切りました。県と福井市でプロジェクトチームを設置して、まちづくりについて連携して活動等していると思います。東村市長は知事選で杉本知事を応援されていましたが、杉本知事の福井市長選のスタンスをお聞かせください。
【知事】
東村市長とは、以前から大変親しくさせていただいておりますし、よく信頼できる方だと思っております。
福井市長選挙に対する私のスタンスは今、明確にしているわけではございませんが、福井市との関係はこれからも濃密にさせていただきたいと思っております。
【記者】
県都のリーダーとしてどのような人がふさわしいと考えていますか。
【知事】
これまでのいろんな課題が明確になってきています。今、新幹線の開業に向けてやらなければいけないものなどが明らかになっていますし、それをいつまでにやるということも明確になっていますので、これを強力に推進していただける、そういう体制が我々とともにできればいいと思っています。そういう意味では、信頼関係というものは県と市の間で重要だと私は思っております。
【記者】
ふるさと納税の件について、大阪府の泉佐野市がふるさと納税で集めた寄附金を公共施設整備を目的とした基金に積み立てながら返礼品の費用などに充てていたということに対しての知事の受けとめをお聞かせください。また、改めてふるさと納税の意義についてお聞きしたいと思います。
【知事】
報道でそういうことがあったのは承知しております。細かく調べていないので、あまり軽々に言えないところもありますが、形式的に法律に沿っていなかったことをされていたのだろうと思います。それはすぐに改められるということですし、そうしていただくのだと思います。
ただ、1つこれで明らかになったことが、497億円のふるさと納税、寄附金を集められて、報道によれば480億円分が公共施設整備を目的とした基金に積み立てて、うち300億円が返礼品など必要経費に充てられたと言われております。
それが事実だとすれば、これは寄附金の形ですが、税金ですので、本来はふるさと納税で使ってもらうということで寄附されているのでしょうから、480億円の6割の部分を返礼品に充てているというのは、少なくとも私が思うふるさと納税の趣旨からは離れているという気はいたします。
そういうこともありまして、ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合で声明も出させていただいています。結果として、そのお金が皆さんの好意、善意、そういったもの、思いが形になる、その地域で寄附を受けた市や町の中でそれが形になるような使い道ということを我々としては考えて進めていきたいと思っております。
【記者】
台風19号の被災から1か月が経過しましたが、改めて被災地の支援や、県の防災の見直しというようなお考えがあればお聞かせください。
【知事】
本当に大変な台風でございまして、広域にわたって、あれだけ長年にわたってつくってきたいろんな堤防をはじめとした施設も寸断される、崩れていくような大災害でした。たくさんの方も亡くなっておられますので、まずは心からご冥福をお祈りするとともに、被災された方にお見舞いを申し上げて、また一日も早く復旧・復興を図れるように念じているところでございます。
前回も申し上げましたが、県としてもすぐに先遣隊の職員など、県庁や役場で必要な人材を要請に基づいて派遣しておりますし、ボランティアも継続して、福井県が一番長くたくさんバスを出していたというふうにも聞いておりますので、そういった活動もさせていただいています。
特に災害査定といったことは、専門的な必要性もありますし、災害で発生したごみの処理の問題などについて派遣要請を受けていますので、そういったことにも職員を出させていただいていますし、これからも続けていきたいと思っております。
いずれにしても、備えれば災害から逃れられるかということは、理想的には大規模な土木工事ができているのであれば防げたかもしれませんが、基本的には、現在あるものの中で何とかしていかなければいけないと思います。1つには、事前の安全対策をできるだけ早く進めていくということを、我々としても心をそういった方向に向けていかないといけないと感じましたし、さらには、住民の皆さん方にも命を守る行動をとっていただくことをぜひとも訴えていきたいと思います。
そういう意味では、先日、大野で緊急消防援助隊との合同訓練をさせていただきましたが、本当に我が国の最先端の資機材と、人員が集まって訓練を行いました。私もあの現場をよく見ていますが、それでも救えない命はたくさんありますので、やはり自分の命は自分で守っていただく。自助、共助、公助の比率は7対2対1だといつも申し上げていますが、これは過去の災害を見て統計的にも明らかな部分ですので、そういう意味では、逃げるということを最優先に考えながら、もしもの時には行動していただきたいと思っております。
【記者】
今朝の知事のツイッターを拝見したのですが、30代の若手職員と意見交換をしたということでした。私も同じ30代として、そういった組織のトップと意見交換ができるということは、すごくいい機会だと思います。意見交換の中で、苦情や提言もばんばん出たと書かれていましたが、印象に残ったことがありましたら教えてください。
【知事】
現場でこれからグループリーダーになっていく、少し責任を持って仕事を進めるようになってくる30代後半の職員との意見交換でした。苦言や陳情的な話では、もう少しこういうところに備品が必要ということや、施設を直すのに経費が少し足りないというお話があったり、公用車をもう少し増やさないと現場に出ていけないというような話もありました。これについては予算の範囲内でですが、少しでも改善しないと、現場がうまくいかなければ県民の皆さんに結果的に迷惑をかけることになりますし、職員も無駄な時間や労力が必要になりますので、できるだけ効率的に行うように考えないといけないなと思いました。
また、もう1つ漁業の話でしたが、これからの方向性どうなんですかというような本格的な質問もありました。これについては、後ほど私も徹底現場主義でいろんなところに行かせていただいて、養殖の必要性といったことも大事ですし、長く継続的に生産を続けていく、もしくはブランド化を図るというような意味で言えば、安定した収量ということは重要です。そういう意味では、養殖についても、よっぱらいサバをはじめ福井サーモンなど、こういったものもぜひ一緒にやっていきましょうというような話も申し上げまた。それはそれなりに、彼らにとってもものすごく、私が直接話すのを聞くという機会が少ないので、そういう意味では喜んでもらえたかなという、話をしていると少し顔色が変わりますので、いい機会だなと思いました。これからも、もちろんOJTでやっていくという、その会議の中で意思疎通を図りながら切磋琢磨ということもあるでしょうし、やはり若い人とはなかなかお会いできませんので、そういう意味では、20代、30代の研修などには行って、私の言いたいことばかり言うのではなくて、みんなの意見も聞こうかと意を強くした、必要性を感じたところでございます。
―― 了 ――
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