乳児股関節脱臼

最終更新日 2022年6月8日ページID 046036

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乳児股関節脱臼検診について

2013年に全国的に大規模な調査が行われ、2年間に診断された1295例の股関節脱臼のうち、1歳を過ぎてから診断されたいわゆる遅診断例が199例(15%)もあることが明らかとなり、日本整形外科学会の主導で全国で検診体制の再構築が行われています。理論的には全乳児に画像検診を行うことが理想ですが、検診数やマンパワーなどの問題で難しいため、下記に示すような「学会推奨項目」という検診リストが作成され全国で使用されています。

日本整形外科学会では乳児股関節脱臼スクリーニング法として開排制限の他に4つの推奨検診項目を作成し、このうち2項目以上が該当する乳児を要精検として二次検診で画像検査を行うよう指導しています
4項目とは、女児・家族歴(脱臼や人工股関節手術)・骨盤位・大腿の深いシワです。

また、保護者の希望や担当医の判断などもも二次検診への正当な紹介理由となります。
生下時に見られる脱臼の約半分は自然軽快するともいわれているため、当科では生後1か月齢 以降~2か月齢頃までの受診 をお勧めしています。
またこの時期に赤ちゃんの抱っこの仕方やおむつ・衣類等ついての育児指導を適切に行うことが股関節の正常な発育に重要と考えています。

この時期の股関節(大腿骨頭)は骨端核が未出現であるため単純X線での診断は難しく、超音波検査の方がより適切であると多くの専門家が考えています。福井県では、とくに嶺北地区では、チェックリストで異常のある赤ちゃんは当センターへ二次紹介していただくようお願いしているところです(あくまでお願いで強制ではありません)。*ご紹介いただく場合は、下の紹介票にご記入いただきFaxにてお申込みください。こちらから患者様に直接連絡して来院日を調整させていただきます。 出生間もない場合は○○ベビーなどの名前で申し込まれても結構です。

股関節脱臼の治療について

近年の乳児股関節脱臼の発生率は全出生の0.1%程度と考えられています。このため、福井県の年間出生数を約6,000人とすると、福井県内での乳児股関節脱臼の予想発生数は1年間に約6人程度ということになります。ですから、一般の外来診療で治療の必要な赤ちゃんに遭遇する機会は意外と少ないかもしれません。当科ではこのうち程度の軽いもののみに装具治療を行い、重度のものは入院牽引治療(当科オリジナルのOHT-MM法)、3歳以降の年長例では手術治療(広範囲展開法+骨切り術)を行っています。

DDH-OHT DDH-1

DDH-2 DDH-3

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