福井県における適応策
〇気候変動への適応
2021年8月に公表された国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6次評価報告書では、「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」とされています。
世界の平均気温は、産業革命前と比べて約1.09℃上昇しており、また、現在想定されているすべてのシナリオにおいて、21世紀中に1.5℃以上の上昇が想定されており、大規模な熱波・干ばつ・森林火災・洪水・土砂災害の頻発や、海面上昇に伴う高潮や海岸浸食の拡大等による、動植物の生息環境の変化や、水資源の不足、農産物の品質・収量の低下、災害による都市機能の低下、深刻な健康被害など、気候変動の影響のリスクが高まることが懸念されています。
地球温暖化対策による悪影響を防止するためには、温室効果ガスの排出抑制を行う「緩和策」だけでなく、既に現れている気候変動の影響や中長期的に避けられない影響に対して、その被害の回避・軽減に取り組む「適応策」も重要であり、これら二つの対策を両輪とした取組みを推進していくことが必要です。
出典:気候変動適応情報プラットフォームポータルサイト
〇福井県の気候の変化
福井県の気温は上昇傾向にあります。100年あたりの年平均気温の変化をみると、福井市では1.6℃、敦賀市では1.7℃上昇しています。
一方で、年降水量には長期的な変化傾向がみられません。ただし、年間無降水日は増加傾向にあり、100年あたりの変化をみると、福井市では9.7日、敦賀市では6.7日増加しています。
図1 福井県の年平均気温の変化(左が福井市、右が敦賀市)
出典:新潟地方気象台「北陸地方の気候変化の特徴」
[https://www.data.jma.go.jp/niigata/menu/bousai/warming.html]
図2 福井県の年降水量の変化(左が福井市、右が敦賀市)
出典:新潟地方気象台「北陸地方の気候変化の特徴」
[https://www.data.jma.go.jp/niigata/menu/bousai/warming.html]
図3 福井県の年間無降水日数の変化(左が福井市、右が敦賀市)
出典:新潟地方気象台「北陸地方の気候変化の特徴」
[https://www.data.jma.go.jp/niigata/menu/bousai/warming.html]
〇福井県内における気候変動による影響
21世紀末の本県の年平均気温は、厳しい温暖化対策を取った場合には約1.4℃、厳しい温暖化対策を取らなかった場合は約4.4℃上昇すると予測されています。
図4 福井県の年平均気温の変化(左:厳しい温暖化対策を取らなかった場合 、右:厳しい温暖化対策を取った場合)
出典:福井地方気象台・東京管区気象台「福井県の気候変動」2022年3月
猛暑日については、厳しい温暖化対策を取った場合には6日程度、厳しい温暖化対策を取らなかった場合には28日程度の増加が予測されているほか、真夏日、熱帯夜などについても増加するとされています。また、冬日の日数は減少すると予測されています。
〇福井県の適応策の取組み
地域気候変動適応計画に基づく施策の推進
福井県環境基本計画を気候変動適応法第12条の規定に基づく地域気候変動適応計画に位置付け、適応策を推進しています(福井県環境本計画第2編第1章第5節)。
福井県気候変動適応センターによる情報の提供
本県における気候変動の影響や適応に関する情報拠点として、気候変動適応法第13条の規定に基づき、福井県気候変動適応センター(事務局:福井県エネルギー環境部環境政策課)を令和5年11月1日に設置しました。
福井県気候変動適応センターでは、国や県内研究機関等と連携し、気候変動の影響や適応に関する情報を定期的に発信していきます。
〇関連リンク
・環境省(気候変動への適応)(外部リンク)
適応に関する国の取組みや国際的取組みが掲載されています。
・気候変動適応プラットフォーム(A-PLAT)(国立環境研究所)(外部リンク)
気候変動に関する、地域、事業者、個人を対象にしたさまざまな情報が掲載されています。
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